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狩猟についてってみた話

ヘッダの画像は獲ったイノシシで作ったものです。

ついこの間、鶏を絞めたばっかりなんですが、今度はイノシシの頬肉がほしいとチームのメンバーが言い出して、狩猟についてってみました。

狩猟って聞くと、銃パーーーーンッからの肉ジュウウウウみたいなイメージしかなかったんですが、やっぱりやるのと考えるのじゃ違いますね。

僕は臆病者なんで、罠にかかったイノシシを電気槍をもって息の根をとめるところには参加できなかったんですが、参加した方に動画を撮ってもらってて。あとから見ました。

最後の最後まですごい声をあげてゲージが壊れるんじゃないかってくらい暴れるイノシシと、人間の慣れた正確な一撃一撃。それでも結構苦戦していて、槍でぶすっとしたからウッバタッとはいかず。いいとかわるいとかじゃなく、命の攻防戦の末の食材、を感じました。

で血抜きされたやつを内臓処理、皮剥ぎ、解体の順でしていくんですけど。内臓を取るのもめっっちゃくちゃ大変そうで。慣れた人がやると本当に簡単そうなんですよ。素人だと3? 4? 倍くらい時間はかかるんですね…

そして内臓の重いこと。でも鶏のときと色や形や位置、構造、そして抜き方までだいたい同じで、ああ自分もこの台の上で捌かれたらこうなんだろうな、と感じずにはいられませんでした。

腹の中から出てくる腸って、灰色っぽいんですよね。あの色は何度見ても慣れなくて、ちょっと目を離してないと、食欲が9割がた持ってかれます。なんでだろう、血の色をぜんぜん感じなくて怖いです。

そうすると皮剥ぎなんですけど、これがもうめちゃくちゃ大変で。鹿はすごいやりやすかったんですけど、イノシシは皮と肉の間にある油が大事らしくて、すごい丁寧に皮を剥いでいくんですよね。皮に対してナイフを垂直に当てて、肉(脂肪)と皮の境目のギリギリをそいでいく感じです。

1頭やるのに、3人がかりくらいで結局4時間くらいかかっちゃいました。慣れてる人だと1人で2時間もあれば終わるらしいです。

絞めてすぐはあたたかいんですよ。内臓をとってる間は湯気が登ってるくらいなんで。でもひとたび冷えると、本当に動物の亡骸って怖いくらい冷たくて。冷たいし重いし、あの感覚は鶏のときより精神的にくるものが大きくて、質量に相関があると思います。

で、ようやくお肉になるわけです。やっぱり生物は、皮を剥ぐと肉になりますね。肉のパッケージ化のポイントは、皮をはぐ、ことだと自分は思います。小分けにして、まぁあとはスーパーのお肉です。

やっぱり自分は、パッケージ化されていない肉を処理するのは何回やっても慣れないみたいです。あまりに現代の分業社会に慣れすぎてしまって、そういう抽象化された側面からは目をそむけたくなってしまうんですよね。

分業社会、餅は餅屋、っていうと聞こえはいいですけど、それって要するに、お金でもって抽象化された価値を交換しているだけで、その対象の行為が消えたわけではないんですよね。世の中のどこかではこのようなことが行われているからスーパーに肉がならんでいるわけで。

誰かが皮を剥いでるんですよ。きっと。それが垣間見えたのは、なかなか良い体験でした。

おわり。

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