いきなり焼きおにぎり【簡単飯】

世界の3大不可思議の1つと言われてるんですが、焼きおにぎりが突然食べたくなると、決まってその家には冷凍の焼きおにぎりはないと言われています。これは世界の理なのです。

今回は、本当はお醤油の話でもしてお煎餅を焼こうと思っていたんですが、生活が限界すぎて、おばあちゃんのようにはポタポタできなくて、だからかわりに速攻飯のお話をしますね。

そもそも、焼きおにぎりとは… おにぎりを焼いたものですね。
焼きおにぎりの歴史は古く、紀元前一世紀ごろの、おにぎり状のものを蒸して焼いたものが炭化して出土しています。
小学生のころ、給食のお茶碗を降っておにぎりを作る、たまに落として怒られる子が必ずいると思います。やはりお米を見たら握りたくなる性質というのは、遺伝子レベルで規定されているのかもしれません。丸めたら焼きたくなる、これも人間の本能に違いありません。

おにぎりは歴史上では、よく兵糧飯として登場します。たとえば、承久の乱では梅干し入りのおにぎりが振る舞われたとされています。羽柴秀吉が本能寺の変で明智光秀のもとに駆けつけるのに、おにぎりを使った話はとても有名ですね。
ちなみに、梅干しを入れると防腐の効果があるとか、適度な塩分、クエン酸で栄養の摂取がより効率的になる、などと言われているそうです。

ただ、現代では一般的な、お味噌やお醤油を表面に塗った焼きおにぎりの起源については不明です。ご飯を焼くことで保存性を高めるのはわかるのですが、いつ誰がこんな美味しい食べ方を思いついたかはわかりません。

代わりにお煎餅の歴史を調べてみると、

明治時代には、日光街道の2番目の宿場町だった草加宿で、
「おせん」というお婆さんが茶店を出して団子を売っていました。
売れ残った団子を川に捨てていたのを見た侍が、
「団子を平らにして焼いたものを売ってはどうか」と提案しました。
そして始まったのが今日の「お煎餅」で、大変人気な商品になったと言われています。
さらに、草加宿一帯の農家では蒸した米をつぶして丸め、
干したもの(「堅餅」という)に塩をまぶして焼き、間食として食べていたようです。
草加宿が日光街道の宿場町として発展したことに伴い、この塩味の煎餅が旅人向けの商品、
土産物として売り出され、各地に広まったとされています。

(https://kingodo.co.jp/why/ より引用)

このように金吾堂のwebサイトに記述があり、焼いたものにお醤油をかけて、更に焼いて…という工程は思ったよりも現代に登場したのかもしれません。贅沢ですもんね。もうすこし調べてみようと思います。

+ + +

というわけで、私も、お醤油の焦げた香りが嗅ぎたくなってきました。しかし、私の家に冷凍焼きおにぎりの備蓄などなく、そして朝の忙しい時間です。もうすぐリモートワークを始めなければなりません。
そう、まったり炭火を起こして、醤油を塗って、じっと焼くという工程は、生き急ぐ現代人にはいささか贅沢な嗜好品なのです。

だから、今日は私の「突然焼きおにぎりが食べたくなったけど時間がなくて作るのも片付けも簡単な焼きおにぎり」を紹介します。

まずは鰹節を用意しましょう。

余談ですが、家に鰹節がないという方、これは本当におすすめなんですが、鰹節があるだけで生活がワンランク上がった気がします(当社比)。煮てよしそのままでよし、もちろん出汁にもベスト、豆腐があればもう最高。日本人の叡智が詰まった素晴らしい食品です。
鰹節の原木(?)と削り機があれば、もう隠居できます。泥棒が来ても武器になりますね。

この鰹節をお醤油とみりんで和えます(みりんは入れすぎ注意!!)

そしたら、主役のおにぎりを作ります。普通に三角のおにぎりを握ってください。

できたら、これはお好みで、真ん中にチーズを入れても満足度がアップするのでおすすめです。

そしたら閉じて、片面にさきほどの鰹節を乗っけます。そのままオーブントースターで1000W 4分でレッツゴーっ!

見た目はちょっとあれですが、食べるとわりと焼きおにぎりです。オーブントースターの下に垂れることもないので片付けも楽ですし、きちんとお醤油の香ばしい香りがします。
焼きおにぎり、片面だけお醤油塗って作ると本当に残念な感じがすごいんですが(あるいはアルミホイル敷いて作ってもなんか微妙だし、途中でひっくり返すの面倒だし…)、これでつくると美味しいです。

ポイントは、表面の固くなった感じと、鰹節+醤油の焦げた感じの香りと味、みりんの微妙な風味が組み合わさることで、口が焼きおにぎりと誤解するところです。

朝の忙しい時間、顔を洗う合間にパッと完成して、あとはオーブントースターに入れれば出来上がりなので、本当に楽です。食べるのも兵糧だけあって手軽なので、おすすめですよ。

おわり