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経済の体質の見極め方|トルコ経済の基礎認識 for リラ円ロンガー Part2

トルコ経済の基礎認識、今回はPart2です。
この記事では、以下を達成することを目的としております。

・トルコの政策金利、今後どうなるの?を解き明かす

Partで分けながら説明する理由は、Par1に記載のとおり。

今回は経済の「体質」の見極め方について説明します。
経済の「体調」の見極め方は、もう少し後で説明させていただきます。

では、本題。

経済の体質、その見極め方。

まず、Part1の説明、その一部を引用します。

・経済とは「付加価値を生み出し、消費し、また付加価値を生み出し、消費する」という循環で成り立っている

つまり、
・付加価値の創出
・その消費
この2つが経済の体質を構成しています。

そして、
・付加価値の創出、これを供給
・その消費、これを需要
と言うことにします。

この供給と需要の差、これを「需給ギャップ」と言います。

つまり、経済の体質とは、需給ギャップのことです。

需給ギャップとは、文字どおり、需要と供給の差(ギャップ)のことで、
(あ)需要>供給
(い)需要=供給
(う)需要<供給
この3パターンがあります。

そして、
(あ)は経済体質が良い
(う)は体質が悪い
です。

言い換えると、
(あ)は経済循環が良い
(う)は経済循環が悪い
です。

温度で言うと、
(あ)は経済の温度が高い(高温経済)
(う)は経済の温度が低い(低温経済)
です。

では、具体的に需給ギャップを見ていきましょう。
日本銀行が公表している我が国の需給ギャップ(2013年以降)は以下のとおり。

我が国の需給ギャップ(日本銀行公表)

この期間の需給ギャップ、簡単に説明します。

(1)2008年第4四半期から2013年第3四半期まで、需給ギャップはマイナスが継続(1990年代から続くデフレの時代)
(2)民主党政権だった2012年8月に消費税は5%から8%へと変更されることが決まる
(3)2013年から金融緩和(アベノミクスの三本の矢の一つ)始動

(4)2014年4月から消費税が8%に変更される
(5)2013年第4四半期から2014年第1四半期にかけて、消費税増税前の駆け込み需要で需給ギャップはプラスに浮上
(6)消費税増税による需要の減速で、2015年から2016年にかけて需給ギャップは再び、マイナス圏に

(7)経済状況が改善しないことから金融緩和を強化、2016/1/29にマイナス金利導入
(8)マイナス金利導入により需給ギャップが持ち直し、ようやく消費税3%の増税による需要減少をカバー
(9)コロナ禍に突入し、全てが台無し

この説明から分かること、たくさんあります。

が、ここで取り上げたいのは、
・我が国経済は潜在的に需給ギャップがマイナス
ということ。

これが大まかな体質です、日本経済の。

ということで、体質は先ほどの(う)に該当、

・(う)需要<供給
・(う)は体質が悪い
・(う)は経済循環が悪い
・(う)は経済の温度が低い(低温経済)

ですね。

これが経済の体質、その見極め方です。

次回Part3は、経済の体質と政策金利、これについて掲載します。

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