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『テーブルコーディネート』 ラストオーダーをとらずに2時間制を守れるスキル
次の予約の時間が迫っていて、お帰りいただかないといけない。
でも、まだまだ帰りそうにない…
その問題、このスキルを身に付けると、すぐに解決するんです。
それも、ラストオーダーをとらずに。
こんにちは、サービスマンの小野です。
夢は『”心の底からいいなと思えるお店” を増やすこと』。
今回は「テーブルコーディネート」についてお話しします。
テーブルコーディネートとは、一言で言うと、
お客さんのテーブル上をコントロールすることです。
もっと言えば、滞在時間・客単価までもコントロールすることを指します。ですので、これが出来ると、ラストオーダーを取らずに2時間制を遵守できるようになれます。
何故コントロールする必要があるのかと言いますと、自店の料理を最適な量でより美味しく楽しんで頂くためです。
基本的にお客さんは、何となくいいなと感じてお店のことをよく知らないまま来店されます。
対して、我々スタッフは、お店の料理について
・食べ方
・サイズ感
・調理時間 等
とても詳しく知っています。
したがって、お店の良さを100%楽しんで頂くには、我々が楽しみ方を伝えなければいけません。
たくさん注文して頂いて客単価が爆上がりしても、食べきれずに残してしまうようでは、お客さんに無駄な出費をさせたと言う点でお店としてそれは負けです。
より美味しく楽しんで頂くために、ベストな状態の料理を、最適な量で提供する。その為にホールスタッフは存在すると言っても過言ではないです。
第6回目では、お客さんにより美味しく料理を楽しんでいただく為に必要な「テーブルコーディネート」についてお話ししていきます。
ファースト
ファーストとは、最初のメニュー説明のことを指します。
この時に、しっかりとお店のこだわりを伝えることが、とても重要になります。
なぜなら、料理の美味しさは『5感+情報』で楽しむものだからです。
例えば、親子丼を提供しているお店だとします。
「当店では親子丼にとても思い入れがあり、めちゃくちゃこだわって作っています。〜〜産の黄身が濃厚な卵と、肉の味が際立って美味しい弾力のある〜〜鶏を使っており、食材を最大限楽しんでいただけるように味付けはシンプルかつ最小限にとどめております。是非お試し下さいませ。」
こういった商品に対する思い入れを、知って食べるのと知らずに食べるのとでは、味わいや満足感がリアルに違ってきます。
また、価格への納得感も変わってくる事でしょう。
お店のこだわりを伝える事は、飲食店の義務です。
たとえお客さんからウザいと思われても、貫き通すべきだと僕は考えています。
中間サービス
ここで注意することが4つあります。
①調理時間
②注文量
③サイズ感
④メイン料理の提供のタイミング
①調理時間
注文された料理が時間のかかる料理ばかりの場合、最初の料理提供まで時間がかかってしまいます。
その為、オーダー商品を確認して時間がかかりそうだと感じたら、
「最初の提供までお時間かかりますが、すぐにお出しできる物のご注文はよろしいですか?」
とお伺いしましょう。
これだけで単価アップや親切さに繋がりますので、いい事づくしです。
②注文量
一度に大量に注文された場合、提供スピードを考えないと、
・テーブルに乗り切らない
・せっかくの料理が冷める
といったことが起こります。
ベストな状態で楽しんで頂く為に、お客さんの食べるペースに合わせて提供する事を心がけましょう。
※ここで大切なのは、お客さんに確認する事。
勝手に料理を止めてしまうと、「オーダー通ってるのかな?」と不安にさせたり、提供の遅いお店とレッテルを貼られてしまう可能性もあります。
「テーブルに乗り切らないと思いますので、ここまでお出しして、後は一旦止めておいて様子見てお出ししていきますね」
という一声がけをする事で、お客さんにもオーダーが通っていることが伝わって安心してもらえます。
③サイズ感
よくあるのが、4人テーブルに3個入りの唐揚げを提供して、追加で唐揚げを再注文されるパターン。
これはお店にとってもお客さんにとっても、マイナスしかありません。
それを防ぐためには、メニューのサイズ感を把握しておく必要があります。
また、このテーブルの人数で、この注文量を食べられるのかといった視点も必要になります。
④メイン料理の提供のタイミング
最初のオーダーでメイン料理を頼まれた場合、提供するタイミングをお客さんに尋ねた方が親切です。
・最初に持ってきて欲しい人
・とりあえずガンガン持ってきて欲しい人
・メインは最後がいいけど、とりあえず最初に頼んでおきたい人
こんな感じでいろんな方がいらっしゃいますので、このように確認してみましょう。
「メイン料理は提供に〜分ぐらいかかりますが、どのタイミングでお持ちいたしましょうか。」
提供時間が分かれば、お客さんも決めやすくなりますので、是非取り入れてみて下さい。
追加オーダー
追加オーダーは、単価アップのために非常に重要になってきます。
でもおすすめしすぎると、お客さんからは煙たがられます。
ではどのようにすればいいのか?
それは、
①『商品提供時やバッシング時に軽く匂わせる』
②『お腹の満腹具合を確認する』
ことで解決します。
①『商品提供時やバッシング時に軽く匂わせる』
例1:商品提供時
「こちらでメイン料理以外のご注文の商品は以上になりますが、もうメインはお持ちしてもよろしいでしょうか?それともメインの前に何か追加されますか?」
このように言うことで、自然と追加を促すことができます。
メインの注文がまだの場合は以下のようにお伝えしてみましょう。
「こちらでご注文の商品はお揃いですが、メイン料理の提供に少しお時間がかかりますので良ければ先にご注文お伺いしておきましょうか?それともメインの前に何か追加されますか?」
自然と食事のペースもコントロールでき、滞在時間もぐっと短くなることでしょう。
例2:バッシング時
「空いてるお皿お下げしておきますね。さっきメイン料理の調理をしていたので、もう少しでお持ちできます。合わせて飲み物のお代わり聞いておきましょうか?」
キッチンの調理進行状況を把握しておけば、このようなおすすめの仕方も可能です。
これならば、
■店側
・何度も呼ばれずにオペレーションが楽になる
・追加オーダーがとれる
■お客さん側
・料理がもう少しで来ると分かる
・お代わりのために呼ばなくていいから楽
と、お互いにとって良いことづくしです。
②『お腹の満腹具合を確認する』
せっかくの料理でも、お腹がいっぱいだったら食べられません。
なので、このように聞いてみましょう。
「今でご注文の商品はお揃いですが、お腹の具合はいかがですか?良い感じでしたらそろそろメイン料理ご用意しますし、まだ食べられそうならこんな料理もございますよ。」
このように聞くと、お客さんと自然に会話しながらオススメでき、かつ、食事の進行を促すことも出来ます。
メイン料理
メイン料理は、肉の火入れ等、時間がかかるメニューが多いです。
お客さんがある程度食べ終わってからメイン料理を注文されると、提供までの間、テーブルの上に何もない状態が続くことになります。
これは、お店にとっても無駄な滞在時間となるので、何としてでも避けなければいけません。
防ぐための方法はただ一つ、
『あらかじめ提供時間を伝え、早めに注文していただく』
デザート
メインや締めの料理が終えると、後はデザートを注文して欲しいものです。
オススメの仕方としては、以下のようになります。
「お食事は満足して頂けましたか?お腹いっぱいになってもらえましたか?(大体の方は、満足した、と言ってくれます。)
良かったです!後はデザートがあるので、ご案内しますね」
ここで注文してもらえるかで、そのテーブルの満足度が測れます。
もちろん、元々の好き嫌いもありますが、店内で満足いただければ、注文率も格段に上がります。
是非、デザートまで楽しんでいただけることを目標として頂きたいです。
まとめ
まとめると、テーブルコーディネートで一番重要なのは、なんと言っても
『商品知識』です。
・自店の料理のこだわりポイント
・提供時間
・ポーション量
これらをしっかりと把握しましょう。
その上で、お客さんとのコミュニケーションを取ることで、上質のテーブルコーディネートを実現することが可能となります。
テーブルコーディネートのゴールは、
『自店の料理を最適な量でより美味しく楽しんで頂く』
楽しんでいただけたかどうかの指標として、以下を実践できたかどうかを確認してみてください。
・お客さんが帰る時に残飯はないか
・最適なタイミングで料理提供出来ていたか
・ラストオーダーを取らずに2時間で満足して飲食を終えられているか
これらが実践できると、ラストオーダーをとらずに2時間制を実現することが可能です。
是非、試してみてください。