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主役不在

黒猫屋には1つ年下の妹がいます
妹は乳製品全般が大の苦手で、給食でチーズが出た日は掃除の時間まで給食を食べさせられていたタイプ(私も小学生の時はチーズが苦手でしたが、先生の目をしっかり見ながら窓の外にチーズを投げ捨てるような子供だったので無理強いされたことはない)

そんな妹と大人になって一緒にランチに行ったときの事

カフェでランチにしようとなって、外の看板でメニュー表を確認し店内へ

店員さんに注文を取ってもらう時に、妹が

「パニーニのチーズ抜きで!」
と、注文しました

店員さんも「え?チーズ抜きって言った?」って顔をしましたが
私も、「それって意味ある?」って顔で店員さんと目が合いました

店員さんが私たちのメニューを、パニーニのチーズ抜きを強調しながら復唱してくれましたが
妹はうんうんと満足げにうなずいていました

店員さんがいなくなって妹に
「パニーニのチーズ抜きって、主役がいなくなってない?」と言うと

妹は
「なんで?」との事、いつもこの頼み方をするそうです

「それってサンドイッチとかホットサンドでいいんじゃないの?」と言うと

妹的には
「温かい方が良くて、パニーニのパンが好きだけどチーズがいらないからこうしてる」なんだそうです

ちなみに、マクドナルドではエグチのチーズ抜きを注文していました

世間と自分の苦手を折衷した妹なりの楽しみ方
小学生の時は泣きながらずーっと教室の隅で給食のチーズを食べさせられていたのに…。

姉の黒猫屋は主張して、もしくは逃走して自分の自我を守ってきたけど
妹は戦わず摩擦を生まずに生きてきたんだな~と、主役不在のパニーニを満足そうに食べている妹から、チラリと見えた妹の人生

だから、妹は会社でいつの間にか出世して私は独立して黒猫屋になったのかもしれない
結局自分に合う道を歩むことしかできない
妹は私のように我が強くないし、私は妹のように我慢できない

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