001.『本を読む本』
第一回は、『本を読む本』の紹介です。英語のタイトルでは『How to read a book』で、本の読み方に関する本です。
人によって、読み方や、読む目的はそれぞれかとは思いますが、私は読書から新しい業務スキルを得たり、目の前の問題を解く為のヒントにしたりしたいと思い、まずはこの本から読み始めることとしました。
本で書かれていることをなるだけシンプルにお伝えしていきたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
本のサマリ
・「読む」という行為にはいかなる場合でも、ある程度の積極性が必要であり、能動的な活動である(→読書にはらう努力が多いほど良い読み手)
・読書にはレベルがあり、一つづつ積み重ねて習得していくことで、より深い理解ができるようになる(「初級読書」「点検読書」「分析読書」「シントピカル読書」)
・点検読書で構造的な拾い読みを行い、分析読書で本の内容をより深く分析していくことで更に理解を深めていく
本で述べられていること
■「読書」は能動的な活動。読者は意欲的である必要がある
教えられて学ぶ ≠ 発見して学ぶ
「書く」「話す」という行為に比べて、「聞く」「読む」という行為は受動的な印象があり、読書も受動的なものとして認識されがちです。
しかし、読者は本の内容について読んでもわからない箇所を著者に聞くことはできませんし、筆者はあなたの横で本の内容を読み聞かせて教えてくれるわけではありません。
書かれた背景や、環境が違う中で、読者にとっても同じように適応できるのかを自ら見極め、正しい知識を発見して学ぶ必要があることから非常に能動的に取り組まなければ意味のある読書ができないということです。
■読書レベルの4段階
読書レベルは上記の4段階に分かれています。「初級読書」は文字通り日本語が読める状態であれば特に問題なくクリアできているところであることと、「シントピカル読書」に関しては、かなり応用編のレベルということで、この記事では触れません。
■読書で重要な4つの問い
(1) 全体として何に関する本か?
(2) 何が詳しく述べられているか?
(3) 本は全体を通じて真実か?
(4) どんな意義があるのか?
■読書の進め方
「点検読書」では、本を拾い読みしていく読書です。その作業により、読もうとしている本が全体として何に関しての本なのか、また、どんな構成になっているかなどを短時間で読み解きます。
それに対して「分析読書」では、時間を掛けて何についての本であるかを見極め、内容を解釈し、知識が伝達されたかどうかを確認することにより、本に書かれている内容への理解を深めていきます。
■「点検読書」
点検読書は下記の2STEPで進めていきます。世の中の本の大半はこの点検読書を行う程度で十分です。また、STEP1の工程には数分から長くても1h程度に抑え、読み進めるべき本かどうかを見極めます。
【STEP1】組織的な拾い読み・下読み
(1) 表題や序文を見る
(2) 本の構造を知るために目次を調べる
(3) 索引を調べる
(4) カバーに書いてある謳い文句を読む
(5) その本の議論の要(かなめ)と思われるいくつかの章をよく見る
(6) ところどころ拾い読みしてみる
【STEP2】 表面読み
とにかく読み通す。すぐには理解ができないところがあってもどんどん進んでいく
■「分析読書」
分析読書では、大きく分けて3STEPで構成されています。また、先にあげた読書で重要な4つの問いの(3)と(4)への答えを導き出していく工程となります。
【STEP1】何についての本か見分ける
(1) 種類と主題によって本を分類する
(2) その本全体が何に関するものかをできるだけ簡潔に述べる
(3) 主要な部分を順序よく関連付づけてあげ、その概要を述べる
(4)著者が解決しようとしている問題が何であるかを明らかにする
【STEP2】内容を解釈する
(1) キーワードを見つけ、著者と折り合いをつける
(2) 重要な分を見つけ著者の主要な命題を把握する
(3) 一連の分の中に著者の論証を見つける
(4) 著者が解決した問題はどれで、解決していない問題はどれか、見極める
【STEP3】知識が伝達されたか確認する
(1) 知的エチケットをもって本を正しく批評する
(2) 著者に賛成するか、反対するかを判断する
■まとめ
詳細な進め方に関しては、本の中に丁寧に記述されているので、直接読んでいただきたいのですが、私がこの本を読んで感じたことを書いてまとめとしたいと思います。
私はもともと本を読むという行為自体が苦手で、ほとんど技術書くらいしか読んでいませんでした。同僚や上司から進めてもらった本も、ただ読むということを目的として読んでいたように感じます。
『本を読む本』を読んでからは、読書への積極性や、意欲を持つ大切さに気付くことができたのと、何よりこの通り本を読み進めていくことで頭がスッキリとした状態で読めるようになり、これまでの苦手意識が嘘のようになくなりました。
まだまだ分析読書にはかなり長く時間がかかってしまうのですが、少しずつ早く読み進められるよう頑張っていきたいと思っております。
これからもよろしくおねがいします。
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