ミカン下北 - 東京都実験区下北沢に行ってきた
#ミカン下北 は京王電鉄が下北沢で開発した新しい街区です。縁あって、3/28(月)に開催された内覧会にお招きいただいたので、スナップ写真と共に様子をお伝えします。
公式Twitterがあるので、正確な最新情報が欲しい方はそちらをご覧ください。
ミカン下北の場所は
ミカン下北は下北沢駅を出てすぐに目に留まる。そんな場所にあります。小田急線が地下化してしばらく経ちますが、駅前はまだまだ整理、再開発の工事が続いている様子で、そんな一角の京王井の頭線の高架下のスペースを中心に展開されています。
京王電鉄のプロジェクトですからこの場所は当然というか必然的な気もしますが、かつてこの高架下に何があったか全く思い出せないくらいピッタリ納まっていました。
駅との間にある緑色の柵はオープンしたら取り払われて、一般の道路と同じように誰でも通行可能になるようです。
高架下のテナントだけでなく高架に沿った遊歩道を挟んで反対側にもテナントのビルがあり、線路沿いに細長くA〜Eの街区が展開されています。
コンテナ風の建物
高架の反対側のテナント群のD、E街区は輸送用コンテナを模した(もしかしたら本物?)ユニットを積み重ねたような意匠で、ちょっと異様な感じが面白いと思いました。この壁を背景に写真を撮ったりしたら、かっこいい写真が撮れそうですね。
奥の茶沢通りを目指すとそこには世田谷区立図書館の出張カウンターがありました。借りた本の返却や、予約本の受け取りなどが可能だそうです。
ギャラリーでは3Dプリンタを使った展覧会も
図書館のカウンターのあるE街区は下北沢駅から見ると最も奥の方になりますが、その2階では「もじゃもじゃコンテスト(もじゃコン)」という展覧会を開催中でした。
3Dプリンターを使った展示といってもこちらの展示では、うまく行った作品ではなくトラブルによって生成されてしまうもじゃもじゃのオブジェを展示する展覧会となっています。プリンターやコピー機でもミスプリントとかカスレた印刷になってしまうことがありますよね。それを展示しているのです。
偶然の産物ですが、作った本人は何かを作りたいものがあったわけで、上に貼った私のTwitterに投稿した写真は「バナナ」というタイトルのもじゃもじゃだそうです。どう見てもバナナには見えないのですが、作者の方はバナナを期待して3Dプリントを実行した結果、未完成のバナナが出現したのだと思うとなかなか感慨深いですね。
そして展覧会紹介パネルの脇に「火気厳禁」の文字がありますが、なんとこのギャラリーも未完成なんです。会場にいた主催者の方によると、将来的にギャラリーのような店舗になるらしいということですが、現在はスケルトンの手前、屋根裏や構造の鉄骨、断熱材が剥き出しで、未完成な作品を展示するには最高の環境となっていました。
展示期間はミカン下北のグランドオープン3/30から4/5の1週間。この貴重な瞬間(施工中(前?)の建物の内側を見られるのはおそらくこれが最後)に是非お立ち会いください。詳細は以下の主催者のTwitterをチェックしてください。
ミカン下北は未完成
東京都実験区下北沢という呼び名が表すように、ミカン下北は未完成で変化し続けるような実験的な空間となっているようです。
ミカン下北のWebサイトへ行くとこんなキャッチフレーズが飛び込んできます。
例えば中心的な建物のA街区を見てみると、様々な飲食店とTSUTAYA書店が入っていますが、それ以外にTSUTAYAシェアラウンジ、SYCLというシェアオフィスが広い場所を占めています。
そうした場所はつまり、よくある商業施設と異なりミカン下北にきた人が何か活動をするためのスペースが広く確保されているということで印象的でした。さまざまな人がここで活動をして新しいビジネスやアクションが下北沢の街で始まる予感がしますね。そうした部分を含めミカンには未完の意味が込められているのでしょう。
TSUTAYAシェアラウンジ
内覧会に到着し、右も左も分からないまままっすぐ進んでみるとTSUTAYA書店の奥に広々としたスペースがありました。最近外出していなかったので知りませんでしたが、多くのTSUTAYAにこうしたシェアラウンジというスペースがあり、月額やドロップインという形で利用できるということです。
スペースにはスナック類やドリンクのサーバーもあり、プランによってはアルコール提供も受けられるということで、仕事に集中したり、ちょっと肩の力を抜きゆったりとした時間を過ごしたりできそうです。
この日私も午前中は近所でリモートワークをしてから内覧会に駆けつけました。久しぶりの外出に体力を消耗していたので、スナックバーのスムージーとナッツなどのスナックをいただきリフレッシュできました。
そして個人向けのワークブースはとても広々していて、コンセントも使うことが出来ますし、ノートPC+資料など十分な広さのある机は魅力的でした。(机の上のフライヤーがタブロイド判(やや大きめのB4サイズ)なので広さが伝わるでしょうか)
SYCL(シェアオフィス)
そしてTSUTAYAのビルの上階には本格的なシェアオフィスも用意されていました。こちらは2階のシェアラウンジとの違いがどう出てくるのか楽しみな、メンバー制のワークプレイスとなっています。
内覧会は階段での移動でしたが、本来であればここから入るであろうエレベーター下りてすぐのエントランスのカウンター。
フリーアドレス(フルタイム/夜間週末)の気軽なプランから、固定デスク、個室、2〜4名用個室とさまざまなスケールの利用形態があり働き方に合わせて選べるのも良さそうですね。
フリーアドレスエリアは明るく広々していて、さまざまな活動をする人の交流が生まれる予感がしました。
固定デスク、個室は造り付けのデスクはありましたが椅子などは自分で持ち込むのでしょうか。(もしかしたらまだ未完の部分なのかもしれません)駅近くに物件を借りようとすると安くはないでしょうからこうした特等席をお手頃な価格で借りられるのは仕事がこれから拡大していく働き手には有難いかもしれませんね。
これで静かすぎると集中のつもりが、心地良くなってしまいそうですが定時に通過する列車のリズムが適度な緊張感をもたらしてくれそうなそんな雰囲気を感じました。
2階のTSUTAYAは完全に高架の下に位置しますが、この部分は線路の脇に少しはみ出て船のブリッジのように架橋の上に飛び出た形です。広い窓の向こうは線路で開けているため、建物の多い駅前とは思えないような空間が広がっています。
線路と遊歩道の向こうにはD街区の屋上テラスなども見え、仕事の終わる頃テラスで一杯やり始めている仲間を見つけて早めに切り上げたりと、楽しい夕刻を想像してしまいました。
下北沢らしさも
かつての下北沢駅は小田急線と京王線井の頭線が交差し駅前と呼ぶには狭い4つのエリアがそれぞれの方向に広がっていました。線路を越えるための踏切や、ちょっと暗がりになる高架下のトンネルを通ってそのエリアを行き来する楽しみがありましたが、このミカン下北にもそうした雑多感の漂う下北っぽさはうっすら感じられました。
駅周辺にひしめき合っていた、さまざまな場所やお店。そのものではないかもしれませんが、そのエッセンスを引き継いだかのような店構えで、これから生まれる賑わいを想像して、このレポートは終わりにしたいと思います。
私もかつて茶沢通りの向こうの三軒茶屋に暮らしていた頃は、下北沢で屋根裏やCAVE-BEなどのライブハウス、古着店、レコードショップ巡りなどをしていました。今回かなり久しぶりの下北沢訪問で、周辺を散策をすると懐かしさにミカンのような甘酸っぱさを感じながら新しい下北の様子にわくわくしました。
3/30グランドオープンで訪れてみる方や、なかなか外出機会のない方に参考にしていただけたら幸いです。コメントやいいねお待ちしております。