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JCA手順のEDI

 JCA手順のEDIは、流通業界向けのデータ交換手順(EDI= Electronic Data Interchange)のことで、受発注データをやりとりするために作られたプロトコルのことを指します。
 1982年に日本チェーンストア協会と通商産業省(当時)が制定したもので、データの送受信の仕様を定めています。

 JCA手順は、VAN(Value Added Network)と呼ばれる付加価値ネットワーク事業者を経由して、通信を行います。
 VAN事業者は、データの送受信の仲介だけでなく、データ変換やセキュリティ対策などのサービスも提供します。

 JCA手順で送信されるデータは、ASN.1(Abstract Syntax Notation One)と呼ばれるデータ記述言語で記述されます。
 ASN.1は、国際標準化機構(ISO)で制定された規格で、データ構造や意味を明確に定義することができます。

 JCA手順は、長年にわたって流通業界で広く利用されてきましたが、
 2024年1月にNTT東日本・西日本がINSネット(ディジタル通信モード)サービスを終了することに伴い、従来のJCA手順は利用できなくなります。

 これに伴い、流通業界ではJCA手順から新たなEDI手順への移行が進んでいます。主な移行先としては、以下の3つの手順があります。

  • 流通BMS(流通業向けEDI標準基盤)

  • 全銀TCP/IP手順

  • JX手順

 流通BMSは、経済産業省主導で策定された、流通業界向けのEDI標準基盤です。
 インターネット回線を利用した通信が可能で、従来のJCA手順よりも高速かつ安価なデータ交換を実現することができます。

 全銀TCP/IP手順は、銀行業界で利用されているEDI手順です。インターネット回線を利用した通信が可能で、セキュリティ対策が強固な点が特徴です。

 JX手順は、VAN事業者であるジャパンエックスチェンジ(JX)が提供するEDI手順です。
 従来のJCA手順と互換性があり、移行コストを抑えられる点が特徴です。

 JCA手順のEDIは、2024年1月以降利用できなくなります。
 そのため、流通業界の企業は、自社の業務内容やシステム環境に合った新たなEDI手順への移行を検討する必要があります。

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