救急医を悩む君へ(学生、初期研修医向け①総論)
救急医をめざす君へ
仰々しいですが、救急医学会が運営するサイトが存在しています(https://qqka-senmoni.com)。
学生、初期・後期研修医を対象として作られており、特徴としては後期研修プログラムが一覧化されており、研修協力病院なども明記されているため、後期研修先を探すのには持ってこいです。
しかし、救急医になることをある程度決めていないと魅力は伝わりづらく、救急科になるか悩んでる人には中々取っ付きにくいかも知れません。
なぜ救急医は少ないの?
救急科という分野は、他の診療科と比べ、講座として成り立ったのが遅く、専門医制度も遅かったという歴史があります。
日本には5000人強しか救急医はいないとされており、皮膚科専門医が7000人いることを考えると少ない印象です。
専門医取得が、現在の専門医機構ほど厳しくなく、一時期専門医をばら撒いている時代もあったようで、救急専門医を何故か持っている他科医師もいます。実際は、専門医の8割弱しか救急医療に従事していないと思われます。
救急は人気出ている?
ドラマの影響で救急医療に華やかな印象を持っている方も多くおり、学生だとそういう印象もあるかも知れません。
また、意識高い学生の中では、総合診療と双璧を成して、救急での鑑別、ABCDEアプローチを学んだり、救急サークルに所属していたりすることもあり、救急への印象は悪くないのかも知れません。
しかし、高学年や研修医を行うと徐々に救急医になりたい人は減ってきます。私は救急サークルに属していませんでしたが、同学年で所属していた10名弱は誰も救急医になっていません。これは、現場が想像以上に泥臭かったり、他からのヘイトを溜めやすい現場であるからです。
例えば、高次救命センターであれば、重傷でなければかかりつけの患者を断ったりすることもザラです。かかりつけを受けても、主科を最初から呼びつけて初療をさせたり、ICUから早く出すように言ってみたり、適応の外れる人にECMOを繋げてあとは循環器に丸投げしたりと列挙すると数え切れない程あります。ER型にしても、各科とのコンフリクトは多く、専門性がないと揶揄されるようなことも多いです。
なぜ救急医になるのか
私自身はあまり救急医になろうとは思っていませんでしたが、研修医時代に自身が勉強していたことが役に立ち救命できた症例が数例あったことがきっかけとなりました。
そもそもADHD気質で飽きっぽくgeneralistは正義だと考えており、1つの科だけを専門的にやることが向いていないのではないかと考えていました。そういう中で専門科の診断ミスを結果的に押しつけられる経験などもあり、専門科領域だけでは、患者は救えないと考えるようになりました。
散々他科とも悩みましたが、悩んでいるうちに他科のめぼしいプログラムが埋まったこともあり、消去法で救急医になりました。
救急医になる人は、多種多様で急性期医療に携わりたくない人もなぜかいます(笑)。
私のように流れで救急医になる人もいれば、ドラマの影響、学生時代の研究室のつながり、集中治療がやりたい人、内科的なことはやりたいけどJ-oslarをやりたくない人(笑)など様々です。これは最初に述べたように他の分野と比べて、比較的新しく医局が強いところが多いことも影響していると考えられます。
総論的に救急科という専門分野のややマイナスな面が中心となってしまいましたが。記載させて頂きました。
もう少し、具体的に深いところまで今後言及できたらと考えています。
救急医を悩む学生、研修医向けに具体的なキャリアパスを学会の成り立ち、力関係など踏まえて言及していきます。
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