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ミラクル珍道中作家時代③

その頃インターネットというものでショップが開けるという情報を得た。
あまりパソコンというものがよくわからなかったのだけれど(今もいまいち)、これはこの時代ホームページというものを作った方がよろしいと思った。
今は簡単なホームページなら自分で作れる時代になったが当時はまだまだ作れる人も少なく作ってもらうにも高かった。

そんなころ、三軒茶屋のライブハウスにたまたま行って入り口あたりでしゃべっていたら、男性が1人じっとこちらを見て立っている。

「おう!QQ女?」
ん?誰だ?
とおもったら地元岐阜の高校の同じ部活でお世話になった先輩ではないか!
「えええええ!何やってるんですか?」
「何って、今このへんに住んでるの」
高校生以来、東京での再会で驚き、今度ご飯行きましょうと約束をした。

そしてご飯の日。
「仕事何してるんですか?」と聞くと
「ん?まあウェブデザイナーってやつ?ホームページとか作ってる」

!!!キターーーー!!!
ここに居た。ホームページ作れる人笑
「え!作って欲しい!いくらくらいですか?」
「いいよ、俺は知り合いから金はとらん。そのかわり簡単なやつね」

かかか、神?神なのか?

そんな神先輩にお願いしホームページを作る事ができた。
サクサクっと素敵なホームページが出来上がった。

神先輩ありがとう!
(神先輩はいまでもたまに連絡をとっていているが今は仕事でベトナムによく行くという事で今度はベトナムで再会予定)

ホームページもでき、慣れないパソコンでこちょこちょやっていたらある時メールが来た。

中国の廈門(アモイ)というところのバッグのパーツを作っている会社からだった。
何かしら?迷惑メール?営業メール?

日本語だし、よく読んでみると
「これから弊社で日本の着物を使ったバッグを作って売り出そうと思っています。
QQ女様の作るバッグが気に入ったので一緒にやりませんか?」

なんて書いてある。
んーこれはどっちかね?なんだろかね?と警戒しながら返信した。
具体的にはどんな事ですか?みたいな事を聞いたら会って詳しくお話ししたいと。

お話しを聞くだけならと言ったけど、どう出るか?
すると、一度、廈門アモイに来てください。旅費は出しますので。と。

大きな罠だったらどうしよう。
行って内臓とか売られたら?
監禁されて牢獄に入れられたら?
などと考えたが、
こんなお金もない小娘にわざわざお金を払って廈門に呼んで何の徳があるのか?

それなら一度行ってみてそれで嫌なら断れば良いか。
とお気楽旅行気分で行くことにした。

はじめての廈門。
こんなことでもないと行かないだろう。
廈門行きのツアーのチケットを送ってもらい私だけ途中で別行動をするという方法で会うことになった。

仕事をリタイアした日本人の男性と台湾出身の男性社長、中国のヤリテ女副社長感が出ている女性の3人が迎えにきてくれた。

あ、実在する人物なんだ。
何を話したかわからないけどとりあえず顔合わせ的な感じでなんかおもてなししもらった。

罠でもなく内臓も売られず2泊3日のツアーは無事終わり日本へ帰った。

その数週間後、彼らが日本に来ると言う。
それではどんなとこで作っているか見てもらおうと思いボロい私の部屋に来てもらった。
(そのころ東京で古い共同玄関のアパートの2階に住んでいた。隣におじさんが住んでいて言ってみれば2階の2部屋をおじさんとシェアしている感じ)

あまりのボロさに困惑気味のお二人(笑)

んー騙すにもこんなボロ屋に住んでる人からお金取ろうと思わないよね。。

ちょっと苦笑いながら
あなたのデザインが好きなのだけど、一緒にやりませんか?
と再度言ってくれる。
それから具体的なサラリーの話も。

自分の未熟さと無知を棚に上げ舞い上がり、これは何か新しい事がはじまるのではないか。
どこかすごいところへ連れていってくれるのではないか。
そんな淡い期待を巡らせる。

これは人生の分かれ道になるやも知れぬ。。

つづく

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