見出し画像

インド口吸事件とホテル王②

前回のお話し①↓


とりあえずこのどこだかわからないうるさいホテルの周りから出て、ヒンズー教の聖地ザ!インドのガンジス川の沐浴スポット、バラナシに行きたい。
さもなければこの、なんにも楽しくない場所から抜け出せない。

電車のチケットを買いに行くため街を歩く。
外国人旅行者がチケットを買えるというツーリストセンターがあるようなのでそこに行きたい。

スマホが無い時代、方向音痴なQQ女が地球の歩き方と地図をにらめっこしていると次々に声をかけてくる。
(そりゃそうだ。カモがネギ背負ってお箸まで持って立ってるみたいなもの)
「どこにいきたいの?」
「このツーリストチケットセンター」
「オッケー連れてってあげるからついておいで」
と言われついていく。

ここだよと言われるが、どう見てもちがうやないか!
彼らは自分の知っているツアー会社にカモを連れていく事でマージンがはいるらしい。

はいはいありがとうと言い別れて中に入らずまたウロウロ。
今度は話しかけてくる人ではなく、歩いている人に聞く。するとあっち👉と指をさした。
あっちなの?と聞くと首を横にふらふらと傾ける。
(耳を肩につける側に傾ける)

え?どっち?あってる?
YES?

首を横に傾けふらふら。
えーなんなのそれーどっちなの〜?

我々日本人はYESの時は顔を縦にふるけど、
インド人のYESは顔をそのまま横に倒すらしい。
初めて目にした新種のうなずきに困惑の宇宙人QQ女。

とりあえずそっちの方に行きまた歩いている人に尋ねると今来た方を指さして首を横に傾ける。
え?あっちなのー?
なんなのーどっちー?

一生着く気がしない。
なんなんだインド人は!全員嘘つきか!
もう2度とインドには来ないぞ!来るもんか!

こんなことしてたら10日間ずっとここら辺でウロウロしてどこにも行かない旅になりかねない!

地図とにらめっこしていたら、またも声を掛けて来た人に連れて行かれたツアー会社に入ると白人の旅行者らしき人がいたのでちょっと安心し、もうここでなんかツアーを組もうと決心する。
もうボラれてもここにずっといるよりマシ。

よくあるデリー→ジャイプル→アグラ→バラナシのコースだったと思うけど結局ツアーを組み回る事にした。(ごめんねホテル隣りのツアー会社の人)
ついでに1泊今日の宿も。
そそくさと荷物をまとめ静かな宿へ。


こうしてようやく珍道中ツアーがはじまった。
ツアーは専属ドライバーが付き、護送車ごとく各都市で観光名所に行っては、勝手についてきて説明してくる観光ガイドがチップを求めて来たり、色々なお土産屋さんに連れて行かれて欲しくもない物を見せられ買わされそうになる。

お土産屋の担当販売員は、最初はすごい笑顔で高いものから順に紹介してくるのだけど、こちらが全く買う素振りを見せないと最終的に笑顔が消え目も合わせず超無愛想な態度で小さな物を「ほら、これくらい買えよ」ってな感じで見せてくる。わかりやすい人笑。

途中どこかの都市で映画館に連れて行ってもらった。
イマイチ内容がわからないけど歌って踊ってのインド映画を、観る観客たちもガヤガヤと一緒になって笑ってしゃべって、階段の上の方から子供がころころと転がってくるわ、走り回るわ。アミューズメントパークか!
衝撃だったけど、娯楽ってこう言うことよねってちょっと納得したりして。

はじめての寝台列車では2段のベットの下が自分の席だったけど消灯まで上のベットのおじさんがずーーっと私の席に座ってたからぜんぜん横になれなかったり、5、6時間電車が遅れて迎えに来てるはずの人がおらず近くにいたヨーロッパ人の衛星電話を借りて連絡をとって迎えにきてもらったりと色々あったけど(笑)、そんな日々を経てヒンズー教最大の聖地バラナシまでようやく辿り着いた。

つづく

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集