見出し画像

3/4/24 バスの中で

こんにちは! 30代/会社員/都会在住のmyrthé(みるて)です。
このnoteには、植物や動物の写真と、生活の中で感じたことや病気について綴った文章を掲載します

※4月に書いた文章です。

バスに乗って間もなく、車内にアナウンスが響いた。
道路混雑による運行の遅延を詫びるそのアナウンス自体は、聞き慣れた内容だ。
しかし、その声はとても印象的だった。

あまり早口ではない、はっきりした発音の、優しい声。

その後少しして、停留所に着く前のアナウンスが車内に響く。
「次は、◻︎◻︎(停留所の名前)です。
〇〇(停留所近くのスーパー)をご利用の方は、こちらでお降りください」。
よくバスで通る停留所だが、初めて、運転手がそのスーパーの名前を乗客に知らせるのを聞いた。




バスの窓から、そのスーパーの看板は見えづらい。
もしかすると、スーパーに行くつもりで乗り過ごしてしまう人もいるのかもしれない。
停留所の名前はスーパーの名前ではない。だから、降りそびれて歩くことにならないようにとの配慮だろうか。

あえて、スーパーの存在を知らせるアナウンスを付け加えた意図を考えた。


暫く自宅中心に生活していたけれど、最近になり、漸く身体の痛みが引き、外出できるようになってきた。
バスに乗って、近くまで出かけて、少し歩いて、帰る。
それだけ。
でも、それができることが、嬉しい。

体力を戻すために始めた外出で、誰かとの約束や用事もない。
他の人と言葉を交わす機会もほぼない。
けれど、そんな外出中に、時々、心が揺れる場面に遭遇することがある。

運転手さん、丁寧なお仕事を見せてくれて、ありがとう。