真似る極意
皆さんは何かを始めるときにどこからスタートするでしょうか?
私たち鍼灸マッサージ師は学校で一定のスキルを学びます。しかし、実際に現場に出てみると、そのスキルがそのまま患者さんに通用しません。
なので、私たちはまず先輩治療家が実際に治療する姿を見学し、どのように方針を立てて治療を組み立てていくかを見て学びます。
すなわち、人の真似からスタートするのです。
では、そこから技術が伸びる人とそうじゃない人の差は何なのでしょうか?
実は、人を真似るにもコツがあります。
同じように見て同じように動きを真似していても、効果に差が現れるのはどこが違うのでしょうか?
それは何を真似ようとしているかの差です。
先輩の動きを見て、その形・型真似ようとする人は、見た目は上手に見えますが、治療の成果が伴いません。何故かと言うと外から見た形だけ真似をしても、力の入り具合や針の侵入角度、治療の組み立て方など本質的なところがわからずに治療しているからです。
先輩の真似をするときに1番大事な事は形・型を真似ることよりも、その時の心(思考・感情)を真似ることが重要です。
患者さんの問診に始まり、その問診からどのような問題点を仮定して、その問題に対してどのようにアプローチをするか?そのアプローチに使うのは手技か鍼治療か灸治療か?どれぐらいの刺激量にするか、どのような順番でアプローチしていくか?
このようにその時何を考え、どのような感情を持ってアプローチしていくかを真似ることが非常に重要です。
皆さんも新しいことを始める時、うまくいっている人を真似てください。
その方法は見た目の方以上にその時の心を真似ることを意識してみてください。