メディアの“見えざる”価値とは?
こんにちは。
「問い」をカタチにするインタビューメディア「カンバセーションズ」の原田です。
現在カンバセーションズが初挑戦中のクラウドファンディングも、いよいよ残り1週間あまりとなってきました。
これまでに行ったクラファン関連企画まとめ
カンバセーションズでは、クラウドファンディング実施期間中、さまざまなイベントを開催しています。
これまでの取り組みをざっとまとめてみました。
Clubhouseによる新しい対話の場
こうやって振り返ってみると、かなり濃密な日々ですね…。
ご覧頂くとわかるように、Clubhouseを使った対話の場をつくる機会が非常に多くなっています。
現在クラウドファンディングを行っている新プロジェクトのインタビュアーとなる面々が、毎回ゲストをお呼びして1時間〜1時間半ほどでお話を聞いているのですが、回を重ねるごとにインタビューメディアであるカンバセーションズとClubhouseとの相性の良さを実感しています。
今後は、本サイトとは別にある対話の場として、このツールをしばらく使ってみようかなと考えているところです。
Clubhouseでの対話もとても面白く、職業柄「この話を記事にしないのはもったいない」とどうしても思ってしまうところがあるのですが、以前にnoteの記事でもお話を伺った議論メシ・黒田悠介さんや、カンバセーションズの新インタビュアーのひとり、ITONAMI・山脇耀平さんたちとのClubhouseでは、「あえて記事にしないことで話せることが増える」という話もありました。
ある種の心理的安心・安全が保たれた対話の場というのは、そこで話された内容が記録されなかったとしても、対話の当事者やその場に居合わせた人たちにとって得られるものが色々ありそうな予感がしています。
尊敬する同業者たちとの対話
そして昨晩は、【聴くカンバセーションズ#4】メディア関係者たちと考える、「見えざるメディアの価値とは?」と題して、元greenz.jp編集長の兼松佳宏さん、CINRA/Inspire High代表の杉浦太一さん、Inquire Inc.代表のモリジュンヤさんの3人をお招きしたClubhouseを開催しました。
御三方とはもう10年来の付き合いで、尊敬する同業者の仲間たちです。これまでにカンバセーションズにもそれぞれの形で関わっていただいています。
(大変ありがたいことに、現在実施中のクラウドファンディングへの「応援の声」もそれぞれお寄せ頂いています!!)
そんなみなさんとともに、潜在するメディアの価値や機能、役割をテーマに色々なお話をさせて頂きました。
2012年に僕原田の個人的なプロジェクトとしてスタートしたカンバセーションズは、インタビューという唯一無二のコミュニケーションが持つ価値を、メディア関係者だけが独占しているのはもったいないという動機からスタートしたところがあります。
インタビューというのは、メディアがコンテンツをつくるということにとどまらず、新たな関係性を紡いだり、新しいプロジェクトやアイデアのインスピレーションとなったり、時にインタビューされる側に気づきをもたらしたりと、さまざまな副産物があります。
そんなさまざまな可能性を持つインタビューというものを開放していくことによって広がる世界があるのではないかという思いがありました。
(↑兼松さんにインタビュアーとして参加いただいた9年前のカンバセーションズの記事)
そして、2018年に「問い」をカタチにするインタビューメディアとリニューアルした際にも、ニュースリリースをはじめすでに出来上がったものの情報や、何かを成し遂げた人の声などの「結果」を広く伝えるだけではないメディアの価値というものについて考えていました。
カンバセーションズをリニューアルした背景にあったのは、社会に影響を与え得る何かを生み出そうとしている人たちに寄り添い、チャレンジのプロセスを発信していくことで、プロジェクトに共感する応援者や仲間を巻き込んでいくという部分にメディアが果たせる役割があるのではないかという思いでした。
こうして振り返ってみると、カンバセーションズはメディアや編集というものの見えざる価値や機能というものに目を向けながら、少しずつ歩を進めてきたところがあります。
昨晩のClubhouseでは、そんなテーマで御三方と意見を交わすことができ、とても有意義な場になりました。
(↑リニューアル後の第1期インタビュアーとしてカンバセーションズに参加し、2020年に「Inspire High」をローンチしたCINRAの杉浦さん。)
メディアには、PVに代表される定量的な価値だけではなく、そこから漏れ落ちてしまうさまざまな“見えざる価値”があります。
例えばそれは、メディアが蓄積してきた情報や知識、育んできたネットワークやコミュニティ、あるいは学びの機会などさまざまです。
メディアが乱立し、その均質化が進んでいるように見えるいま、こうしたメディアの潜在的価値にも少しずつ目が向けられつつあるように感じます。
そして、それぞれの編集者や事業者、企業や組織がさまざまなメディアの価値を顕在化させていくことによって、より多様なメディアが生まれていくのだろうと思います。
昨晩登壇していただいた御三方は、メディアをつくり、運営すること自体を目的に据えているわけではなく、メディア運営を通じて蓄積される知や育まれる関係の先に、どんな文化や社会変容が生まれるのかというところに目を向けているように思います。僕自身、彼らの姿勢には共感しかありません。
新たな仲間をつくり、文化を生み出し、社会に変化をもたらすための武器として、メディアには大きな力や価値があると信じている人たちなのだと思います。
「学び」を軸としたコミュニティの可能性
カンバセーションズでは、現在挑戦中のクラウドファンディングで、インタビュアーや取材対象者、編集者・ライター、そして読者・支援者らが、「問い」を中心とした共創のコミュニティを育んでいく未来を掲げています。
その中でいま強く感じていることは、コミュニティに参加する人たちがこの場で何を得られるのかということを明確に示すことの重要性です。そして、そこで大きな求心力になり得るのが、「学び」の要素なのではないかと漠然と考えているところです。
「greenz.jp」の編集長を経て、 5年間にわたって大学という教育の現場に身を置いた後、古巣のグリーンズで学びのプログラムづくりに着手し始めている兼松さん、カンバセーションズのインタビュアーとして自らの「問い」を掲げ、10代向けのオンライン教育サービス「Inspire High」を新たに立ち上げたCINRAの杉浦さん、「書くこと」について学び合うことを掲げる会員制コミュニティ「sentense」を運営しているモリさんの3名は、学びを軸にしたメディア/コミュニティのあり方を模索されてきた先駆者でもあります。
そんな御三方の経験にもとづいたお話はとても勉強になりましたし、メディアとして築いてきた価値や財産を活かした学びの機会づくりには、さまざまな可能性があるということを改めて感じることができました。
どうやらお話を聞くに、学びのコミュニティの主役となる参加者たちが、能動的かつフラットに学びを得られる環境をいかに用意していくのかというところに肝がありそうです。
カンバセーションズとしては、インタビュアーたちがプロジェクトを実現させるために掲げる「問い」と、参加者たちの「学び」の環境をいかに接続していけるかが、大きなカギになりそうだと感じた次第です。
いまやメディアとコミュニティは不可分なものになっていますが、他方で、ひとつのメディアがひとつの強固なコミュニティを形成していくことは、分断を助長することにつながってしまうかもしれません。
一つひとつのメディアがそれぞれの「色」を放ちながら、緩やかに連携していくことによってひとつのコミュニティを支えること、あるいは社会に何かしらの価値やインパクトを与えていくこと。
そんなメディアとコミュニティの関係が、これからの社会には求められてくるのではないか。そんなお話が出たところで昨晩の会はお開きとなりました。
カンバセーションズとしても、この場でお話ししたみなさんとともに、ぜひそんな取り組みに関わっていきたいと思った一夜でした。
クラウドファンディングはいよいよ残り1週間!!
さて、そんなカンバセーションズが挑戦しているクラウドファンディングもいよいよ残り1週間あまり。
詳細についてはぜひこちらをご覧いただき、ご支援やシェアなどご協力いただけるとうれしいです!
そして、3月24日18時より、新プロジェクトのインタビュアー3組それぞれの記念すべき第1回目のインタビューを同日開催する公開インタビューイベントを開催します!参加は無料。お申込みは下記Peatixのイベントページよりお願いします。
ぜひインタビュアーたちの「問い」を深めていくプロセスにご参加いただけるとうれしいです!
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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