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雇用形態の変化から考える、働く女性の健康

こんにちは、QOHSです!

母は私が中学校に上がってから再び仕事を始めました。非正規雇用者(派遣社員)として働いている中で、交通費が出ないなど(現在は派遣法改正がされて出るようになったみたいですが、つい最近の2020年4月の話です)私には言いませんが、正社員じゃない中での悩みがあるようでした。

ここ数十年で増加傾向にある非正規雇用に焦点を当て、今回は日本の雇用形態の変化とそれに伴う女性の健康についてお伝えしたいと思います。


この記事は
働く女性の健康確保を支援するために(政策法制度委員会)
のまとめ記事になります。

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日本の雇用形態の変化

1947年労働基準法では、男女同一賃金など女性の地位向上が推進されました。しかし、日本企業に特徴的な「終身雇用」「年功序列賃金」「企業別組合」の拡大などの要因で、男性の雇用は安定し収入が増える一方で、「職場は男性中心、家庭は女性中心」という構造ができ、女性の専業主婦化が進みました。

その結果、女性の社会進出の機会は減り、女性が家事・育児・介護を担うというイメージが定着しました。その後、国連の女子差別撤廃の動きから、男女雇用機会均等法が成立し、1986年には労働者派遣法が施行されました。最初は限られた職種のみに派遣が適用されましたが、「新時代の日本的経営」が公表された後、非正規雇用が増加し、専業主婦は兼業主婦へと変化しました。

バブル景気の崩壊後は経済成長が鈍化し、企業が短期的経営判断をする傾向は非正規雇用労働者の増加の要因となりました。これがきっかけで、「勤続年数の延長」「出産後の就業希望」など女性労働者が急増し、女性労働者の就業意識は変化していきました。


非正規雇用の問題点

近年、日本の労働人口は男性の減少傾向に対し、女性では漸増しています。また、非正規雇用の割合は37.4%で増加傾向にあり、その中でも男性21.7%、女性56.6%と女性の割合は高くなっています。

非正規雇用の問題点として以下のことが挙げられます。

・賃金の低さ
・身分の不安定さ
・不本意な労働(希望する職種や条件ではない)

これらは健康にも影響します。非正規雇用の大部分を占めるパートタイム労働者の賃金はフルタイム労働者の57%程度で、この賃金の低さは貧困と関係します。特にシングルマザーの貧困リスクは高く、それによる社会保険制度からの脱落は健康保険が適応されないなど、健康にかかわる問題であるといえます。

また、再就職時に非正規雇用に就く女性の約半数は「不本意労働」と言われています。健康診断の機会が提供されない、企業による教育の機会が少ないなど身分の不安定さもあります。このような職場での疎外感による心理的影響や、同じ集団内での収入格差はメンタルヘルスへも影響があり、非正規雇用者の健康悪化が示唆されています。

今後の課題

日本で女性の非正規労働者の健康障害が明らかにされにくいのは、男性正社員とその配偶者を前提とした従来の世帯単位の課税や社会保障制度が採用されているからだと考えられます。

この制度を見直し、「個人の就労単位での賃金・手当と税・保険負担に転換し、あわせて非正規女性労働者の出産・育児等の公的補助を充実させることが格差の解消に必要である」とこの提言では結論付けられています。


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