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世代間のギャップや意識を調査「Q極の2択」~QOのシニア世代、子育て世代、Z世代で座談会してみた~(後編)

こんにちは。QO広報担当の石田(いしだ)です。

 QOでは、調査の力で社会の声なき声を拾い、社会課題を知るきっかけを届ける研究機関「Social Issue Lab(以下、SIL)」を運営しています。


社会課題をより身近にしたい、そして、考えを深めたり、周囲の人と意見交換したりするきっかけを作りたいという思いから企画した調査「究極の二択(Q極の2択)」。「せっかくならば、社内でも実現させよう!」ということで、世代の異なる社内メンバー3名をゲスト*に迎え、「究極の二択(Q極の2択)」をテーマとした座談会を実施しました。

SIL運営メンバー**進行のもと、ゲストのシニア世代・60代の喜多村(きたむら)さん、子育て世代・40代の生野(いくの)さん、Z世代・20代の去石(さりいし)さんに、調査でも尋ねた2択の中から5問に答えていただきながら進めていきました。
こちらの記事では、「前編」の続きをお届けします。

*ゲスト
◆喜多村 利郎(きたむら としろう、シニア世代・60代)
新卒からQO***一筋で、長きにわたりリサーチに携わる。
趣味はゴルフとバイク。

◆生野 美恵(いくの みえ、子育て世代・40代)
2社のリサーチ会社での経験を経たのちにQO***に入社し、リサーチャーとして業務に携わる。
趣味は子供と遊びに行くことと、最近始めたホットヨガ。

◆去石 夏菜(さりいし なな、Z世代・20代)
新卒でQO***に入社し、リサーチャーとして業務に携わる。
趣味はお香収集やお寺巡りや読書、外で友達と遊ぶことなど様々。

**SIL運営メンバー:手島 小春(てしま こはる)、濵﨑 真由(はまさき まゆ)、島守 賢也(しまもり けんや)
昨年より発足したSILの初期メンバーとして、これまでにジェンダーギャップ、震災支援・防災、誹謗中傷など、様々な社会課題をテーマに活動中。

***QO(旧:H.M.マーケティングリサーチ/東京サーベイ・リサーチ)




Q4.経済的な問題がない場合、早期リタイヤか?働き続けるか?

喜多村(きたむら、シニア世代・60代):B
生野(いくの、子育て世代・40代):A
去石(さりいし、Z世代・20代):B

生野:働くことや仕事が好きであれば働き続ければいいし、やめたければやめればいいし、という考えでAを選びました。私の父は50代くらいで早期リタイヤしていたのですが、すごく楽しそうに過ごしていたので、そういう生き方もあるんだなあと。私もお金の心配がなければ、仕事に限らず好きなことを見つけて続けたいです。「経済的な問題がない=選択肢が増える」ことだと思っています。

喜多村:私はBを選びました。働くことは、重要な社会とのつながりになっていると思っています。歳を重ねて社会から離れると、世間とずれたりしてしまいそうなことが怖くて。定年を機に、この5~6年で特に考えが変わりましたね。定年を経て働き方が変わったことが影響していると思いました。

去石:私もBを選びましたが、実は3ヶ月前くらいはAだったんです。こういう話をちょうど同期としたことがあって。私含めて4人いる中の半分は「絶対働き続ける」という意見で、私は旅行して好きなもの食べて…自由に生きたいと思っていたので、疑問に思っていたのですが、「遊んでばかりだと脳が衰えそうだから」という意見を聞いて、確かにと思ったのをきっかけにBの考えになりました。

SIL運営:去石さんも喜多村さんも、Bを選んだ理由としては、やりがいの面以上に、衰え防止など健康面の意識が強いんですね。

喜多村:そうですね。やりがいは趣味や遊びの面でも感じられますし、仕事においては刺激や多少のストレスがあって、それが大事かなと思っているんですよね。仕事と遊びで役割が違うイメージです。


ー調査結果ー

SIL運営:全体では、A(経済的な問題がなければ、仕事はできるだけ早くリタイヤする働き方)が60%弱という結果になりました。年代別はそれほど比率の差はなく、40代が少しAの比率が高めという程度でした。

喜多村:60代はもっとBが多く、50%を超えるのかなと思っていたので少し驚きました。他の設問よりも年代ごとの差が少ないですね。理由は年代によっても様々だと思いますが。

生野:40代が他の年代よりも少しAの比率が高いのは、リタイヤしたくなる年代なのかな、と思いました。子供が成長してきて、「学費を稼がなければ」「大変だが仕事を辞めるわけにはいかない」という意識が強くなる中、「経済的に余裕があれば、そのプレッシャーから解放される」という想いの人も多いのではないかと。

SIL運営:管理職という立場の方も年代的に多く、その大変さもあるかもしれませんね。

去石:以前は仕事か家庭かの二択だったのが、最近は仕事にできることが増えてきたり、趣味の幅も広がったりしていて、20代ですでに自分の好きなことを見つけている割合も増えているのかもしれません。それが影響してAの方が多いのではないかと思いました。



Q5. 未来の店員は、すべてロボット?人間?

喜多村(きたむら、シニア世代・60代):B
生野(いくの、子育て世代・40代):B
去石(さりいし、Z世代・20代):A

去石:Aを選んだ理由は2つあります。洋服を買いに行った時に店員さんに話しかけられるのが苦手なタイプなので、すべてロボットに統一されると嬉しいなという願望を込めた理由が1つ目です。2つ目は、お店のサービス面(対応の良さなど)について、海外よりも日本の方が良いと言われていると思うんですが、果たしてそのサービス分は賃金に含まれているのか?と疑問があって。私は「賃金に含まれるのは、提供の義務を果たすことだけ」と考えるので、それならロボットに任せれば良いのではないかと思っています。

生野:私は、ロボットになっていく方が未来っぽいなとは思ったんですが、Bの方がいいなと思って選びました。会話がなくなってしまうと寂しいのと、このお店がどんなお店かわからなくなってしまうので。例えば、飲食店であればロボットでいいんですが、ジムのインストラクターさんがロボットだと頑張れない気がします(笑)。

喜多村:飲食店をイメージして回答しました。配膳ロボットが導入されている飲食店に行ったことがあるのですが、どうも落ち着かなく、嫌な気持ちになってしまいました。私はお店の方と色々お話しできる方が楽しいなと。ただ、洋服屋の場合は、まずは自分で探したい思いがあるので、業界によるかもしれません。

生野:たしかに業界によるという考えもありますね。私はどちらかというと、気分によって店員さんと話したい時とそうではない時があるので、それなら話したい時に選べる方(人間がいる方)が良いと思いました。話したい気分ではないときは断るという選択肢もあるので。

去石:私は相手がロボットであれば断る自信があるのですが、相手が人だとどうも断りづらくて…。そういった点もAを選んだ一つの理由かもしれません。


ー調査結果ー

SIL運営:全体ではB(ロボットは店員の代わりにはなれないと判断し、店員はすべて人間に統一された未来)が55.9%と多数派の結果になりました。年代別でみると比率に差が出ています。10代後半だけ少しイレギュラーですが、20代以降は年代が上がるにつれてBの比率が高くなる構造になっています。

去石:10代後半のスコアが意外でした。20代と年代も近くてそれほど感覚は変わらない印象でしたが、比率に少し差があるんですね。

SIL運営:そうですね。私の体感的にも10代後半はもっとA派が多いかなと思っていました。これ以外に「チェーン店or個人店」という二択も聴取しているのですが、そちらでは若年層はチェーン店派が多かったので、システマチックになっている方が嬉しいのかなと思っていたんですよね。

生野:40代まではあまり傾向が変わらないというのが驚きでした。そして50代からは、がくっとBが多くなっていますね。スマホを持ち始めた年代の分かれ目だったことなどが関係しているのかもしれませんね。

喜多村:50代からがくっとBが多くなるというのは少し意外でしたが、60代でA:B=3:7というのは体感的にもすごく納得です。



調査「究極の2択」の結果をもとに対話してみて得た気づき

喜多村:これまで調査会社にいながら社会調査の経験がありませんでしたが、社会調査の面白さを改めて感じました。異なる年代の方とテーマを決めてお話しすること自体が新鮮で楽しかったですし、年齢の変化と時代の変化をあわせて考える(整理して認識する)時間になりました。中でも一番感じたのは、SIL運営者の方々も含めて皆さん私が生きた時代よりシビアな状況を生きておられるということでした。あまり機会はないですが、世代の違う方々とのコミュニケーションは貴重だと思いましたので、なるべくそのような機会を増やしたいと思っています。

生野:世代の異なる人と話す機会はあっても、特定のテーマについて深く話すことはあまりなかったので、新鮮でとても楽しい時間でした。去石さんのお話を聞いているうちに、20代の頃と比べて自分の考え方が変わったことに気づきました。また、喜多村さんのお話には共感できる部分が多く、自然とうなずく場面がたくさんありました。普段、仕事をしているときには「子どもがいること」をあまり意識しないのですが、今回の会話の中で「子ども」や「子育て」という言葉が自然と頻繁に出てきたことで、自分が子育て世代なんだと改めて実感しました。

去石:現在は「自分らしく」生きることを互いに受け入れられる方向に向かってきていると感じていますが、「この先20年後に同調査を行ったら、世代間に大きな差がなくなっているのではないか?」「地方と都市とでは全く考えが異なるのではないか?」など、今回の対談を機にいくつかの「?」がでてきたことからも、何かきっかけさえあれば社会問題や未来について一人一人が考える機会につながるのだと感じました。



「究極の二択(Q極の2択)」の調査結果は下記よりご覧いただくことができます。
ぜひ自分なりの答えを考えて、周囲の人と社会課題について対話するきっかけとしてみてください。

📝みんなの社会課題 調査レポート2024


【ご案内】ZINE「Qちゃんと究極の二択」を制作

本記事で取り上げた「究極の二択(Q極の2択)」をもとにZINEを制作しました。
社会課題を身近なものにしたいという思いから、Qちゃん・雲くんとともに、社会課題を考える絵本仕立てになっています。
※絵は、漫画家として複業している、当社のマーケティングプランナーが担当しています。

📚Qちゃんと究極の二択



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