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「変化できる企業」と「変化にアレルギーを持った企業」に二分される世界が来てしまった。

こんにちは。Goodpatch Anywhereの齋藤です。

コロナウイルスの影響で、企業活動が著しく制限されています。そして、強制的に「リモートワークなど、従業員はたらき方」や「そもそもの事業のあり方」を問われるような状況になっており、すべての企業が「変化」の圧力に晒されています。

この状況で問われているのはその企業の「変化への受容性」に他なりません。例えば、「リモートワークを導入しよう」となった時、一発で完璧な適応ができる会社なんてありません。しかしその時、どのような組織文化や、企業としてのありようを持っているのかという、企業の根本が露呈します。

変化への受容性の高い企業であれば、適宜やり方をチューニングして徐々にそれぞれの正解を見つけていくことでしょう。発生したトラブルに向き合って組織内で議論が起き、より強い組織になれるかもしれません。溜まったストレスに対処する手法を見つけ、長期的にはパフォーマンスが向上し、良い人材が集まるようになる可能性もあります。事業モデルも柔軟に変化させ、様々なトライアルを経て金の卵を見つけ出し、成長のスパイラルに入っていくことでしょう。(ちょっと理想的すぎますか?)

変化への受容性が低い企業では、そもそも新しいことを受け入れる準備もできておらず、不十分な準備でリモートワークに突入したと思われます。ソフトもハードも対応できない中、現場の担当者が奮闘し、ときには勇気を持って進言して、なんとかリモートワークの実現に漕ぎ着けます。しかし、無情にもトラブルは必ず発生します。ストレスが溜まっていき、長期的には必ずパフォーマンスが下がるでしょう。「そらみたことか」とリモート担当者に対するバッシングが起きるかもしれません。有能な人はモチベーションも下がり、自分を受け入れてくれる企業へと転職をしてしまうでしょう。過去の成功モデルから脱却することができず、硬直の悪循環に陥ります。(こちらはありありと想像できますね…。)

ウィズコロナでもアフターコロナでもいいのですが、今はこのような変化に対応できるかどうかの苛烈なストレステストにかけられている状態だと言えます。

でもそれって普段から変化させていくべきじゃない?

今回はたまたま環境要因によって否応なく引き起こされた、「リモートワークの導入」という大変化ですが、落ち着いて考えると、時代や状況に合わせて当然実行すべき「はたらき方の最適化・改善活動」だということもできます。

変化の激しいVUCAの時代と言われて久しい昨今ですが、世界がネットワーク化されて競合が無限に出現したり、技術進歩によって破壊的な変化が起こり、大企業もディスラプトされてしまうことが当然の世界になっています。

この傾向はインターネット技術やAI、ロボティクスの進歩によって今後さらに加速していくと考えられます。硬直した企業に安寧は訪れなくなり、変化し続ける企業が勝ち残っていくという、至極当然の現象がさらに際立って観察されるようになるでしょう。

これは僕らのデザインプロジェクトで必ず言っていることなのですが、「不確実性の高い時代に、絶対の正解を知っている人は存在しない」ので、「世界とのコミュニケーションから高速に学習、変化し続ける組織になる」以外の道はないものと考えています。

リモートワークくらい(??)の変化は当然受容できるようになっていないと生き残れないのです。

企業の「変化」最前線としての「新規事業」

そして、コロナによる景気悪化懸念の影響をもろに受けてしまっているのが、企業における新規事業系プロジェクトです。僕たちはこうした新規事業プロジェクトをお手伝いすることも多く、すでに縮小や凍結されたプロジェクトの話をいくつも聞いています。この領域の活動が細ってしまうことに対してかなりの危機感を持っています。

私見ですが、今後の予測として、「あってもなくても業績に大きなインパクトがない(だろうと思われている)プロジェクト」はどんどんクローズされ、企業が生き残るために本当に必要なハイプレッシャーな新規事業との二極化が進んでいくものと考えています。(あぁ、お手伝いのしがいがありますね…)

新規事業は企業における「変化」の最前線です。当然リスクも高く、厳しい状況でチャレンジする勇気がなくなってしまうことも心情としては当然に理解できます。しかし、アフターコロナ/ウィズコロナは確実に大きく非可逆な変化が起こってしまっており、多くの企業でなんらかの変化は必須の状態です。今、挑戦の火を絶やしてしまうと、再燃させるためのエネルギーも膨大になります。おそらくあなたは、今この時が最も体力がある瞬間であり、高効率で物事を進めていける瞬間であると、気がついているのではないでしょうか。

生存者バイアスかもしれませんが、「あの時にチャレンジしておいてよかった。」「頭ひとつ抜けることができたのはあのときにチャレンジしたからだ。」と言っている人が多いように感じるのは、やはり結果としてそういう人が生き残ってきているからだと言えるのではないかと思っています。

ポジショントークと言われてしまっても仕方ないですが、僕たちはここが最もインパクトの生み出せる領域であると信じているからこそ、新規事業プロジェクトをサポートし続けている訳です。活発な新規事業活動なしでは経済は絶対に良くなりません

アフターコロナをどちらの状態で迎えるのか

アフター/ウィズコロナの世界で、日本が競争力を持ち続けるためには、なるべく多くの企業が変化に対するアレルギーを持たなくて済むようにしなければいけません。むしろ、コロナという非常事態をチャンスと捉え、この危機感を利用して企業を変革させるんだという方を僕らは応援したいと考えています。

「コロナによるリモートワーク環境下での新規事業」をクローズ一択で考えるのは少々早計ではないでしょうか。当然、この二つのチャレンジを同時に実行することは相当に難易度の高いことになります。なので、少しでも多くの方が、当然遭遇するであろう、そこに見えている落とし穴にはまらないように、その双方を実行し続けてきた経験や、確からしい知見の発信を続けていきたいと考えています。

特に新規事業については「膝と膝を付き合わせて熱いディスカッションをしなければいけない。」「ホワイトボードと付箋の山に埋もれながらカンヅメになってプロジェクトを推進しなければいけない。」と思われてしまいがちです。しかし、僕らはこれらをオンラインで実行することが十分に可能だと感じています。そればかりか、オンラインの方がメリットがあるポイントも多く発見できました。結果として、インターネットやコンピューターの力を適切に利用できるように進化できた感覚があります。粒度の荒い二元論で諦めずに、チャレンジする価値は必ずあります。

悲観的な目で見ると、多数の企業が変化にうまく適応できず、その苦い経験を変化アレルギーとして抱え、自信を喪失した状態でアフター/ウィズコロナの時代を迎えることになってしまうと予測されます。この暗い未来を覆し、アフター/ウィズコロナの時代を、変化に対する受容性の高い企業として迎えられるかどうか、今この瞬間に問われています。感情に流されるのではなく、この状況に、意思の力で戦いましょう。


今回のnoteは深津さんの記事にインスパイアされて書きました。


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Photo by Berlian Khatulistiwa on Unsplash

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