なぜ品質管理システム(QMS)は必要なのか?
品質管理システム(QMS)がムダという誤解
JIS Q 9001を始めとする品質管理システム(以下、QMS)は「意味がない」「ムダ」という言葉をよく聞きます。
それは誤解だと断言できます。
ムダなことなら、これほど世の中に広がるわけがありません。
ただし、QMSがうまく機能していない場合は、ムダな仕事となる可能性があります。
例えば、JIS Q 9001を維持する目的だけのために、マニュアルを作って各種の文書を作成するだけで、事業の改善に生かされなければムダになります。
しかし、QMSを機能させれば、ルール通りに業務を実施することで、品質や生産効率向上ができるようになります。
大企業がQMSを要求するのは、安定した品質の製品やサービスを継続的に供給できることを担保するためです。
現在、高品質な製品やサービスを提供できることは重要です。同じくらい、長期的に高品質な製品やサービスを提供し続けることも重要となるのです。
そのためには、QMSを工数をできる限り少なくして運用する仕組みをDX化などにより構築する必要があります。
品質管理システム(QMS)とPCDA
QMSの最も重要な点は、PDCAを回すことで、より良い製品やサービスを適用するための仕組みを作ることです。
PDCAは仕事の基本で事業を発展させるためには必須なことです。
QMSを構築すれば、ルール通りに仕事をするだけでPDCAを回すことができるようになります。
例えば、QMSでは不適合品(規格外れの製品)が発生したときは一般的に下記の処置を行います。
不適合品の処置
不適合品の原因分析(P:Plan)
不適合品の是正対策(D:Do)
是正対策の効果の確認(C:Chack)
是正対策の標準化(A:Action)
不適合品を処置したあとは、不適合品の発生が再発しないために上記のプロセスで問題を解決します。
2~5は、品質を改善するためのPDCAとなっていることに気づくでしょう。
QMSは認証を取るだけのものではなく、自社の価値を高めるための仕組みであると理解できるかと思います。