Qmozai

小説、批評、由無しごと。始めたばっかりですが、仲良くしてくれるとうれしいです。投稿が好きな人をフォローします。

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最近の記事

セックス、そんなにいらないな

お腹すいてない。私はつねに性的に、腹八分目です。 美味しそうなスナックがあれば手を伸ばすけれど、わざわざ遠出してまで買い求めたりはしない。大切な人がお腹を空かせていたら、美味しい料理を作ってあげたい。でも自分一人の小腹が空いたぐらいなら、家庭菜園でも食めばいい。珍しいハーブを育てているから。 そんな話をすると、お前は本当に美味いものを知らないだけだ、と決めつけられることがある。なんなら連れて行こうか、と。いやいやいや、それはいくらなんでも想像力の欠如ではないでしょうか。ど

    • 本棚の他人 tinder編

       Tinderでマッチした男とバーで飲んでいた折、「うちの画集見る?」と尋ねられた。 デザイナーをやっているという彼は口先とメガネのフレームで軽薄さを振り撒きながら、この薄暗い照明よりはデザイン案を小脇に抱えながら蛍光灯の下にいる姿が似つかわしいようで、私はこの店に来るまでに求めていた緊張や高揚ではなく、同僚のような親近感を感じていた。  それはそれとして、画集。確かに気になる。趣味合いそうだし。デザインの本見たことない。お前の本棚見てみたい。口説きの文脈はさておいて「本棚だ

      • 瑞々しい知覚の多重奏(リディア・デイヴィス『話の終わり』読書メモ)

        何度も訪れたくなる小説に出会った。 リディア・デイヴィスの長編小説『話の終わり』は、体験を有機的に分解する。他者のわからなさ。自分のわからなさ。記憶の不確かさ。これらがひとつの恋の始まりから終わりに沿って丁寧に記されることで生々しい実感とともに読者に訪れる。「生々しい」といっても、彼女の描写に体液が滲むような箇所はほとんどない。代わりにあるのは、目前の事実や、どこまでも精緻な感情、生き生きとした自然の写生だ。 何が生々しいのか。何が生々しさを生み出しているのか。ひとつの側

        • 最初の投稿

          最初に何を書くか考えていたら一生書き始められない。