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デザイナーの小さな挫折
世に自分の作ったものを出させてもらえない。
何時間、何ヶ月、何年も心血を注いで作った。
ユーザーのことを考え、事業のことを考え、
要件を信じた。そう、要件を信じた。
要求を何度も何度も聞いた。ユーザー調査もした。
でも、最初から間違っていた。
事業的に採算が合わない。
方針が最初から違った。
私が着手する時から、すでに間違っていたのだ。
一回なら許せた。
事業、デザインの難しさを知っているつもりだから。
でも、もう3回だ。
それでも、分からないことが、分かったのだから、前進していると思える。
許せないのは、
私が散々指摘したことを、あとから持ち出して来たことだ。
お前は何を聞いていたんだ。
私はお前を信じて、お前がそれでもやるって言ったから、
じゃあ着いていきますと言って進めてたんだぞ?
なのに、ころっと意見を変えて、最初からやり直すことにした。
私は怒りに震えた。物理的に手が震え、Figmaの操作が困難になった。
私がこのことから学ぶべきことは、以下の通りである。
私はデザイナーとして、「事業」とは一線を引くべきである。
今まで、事業ありきのデザインを考えて来た。
しかし、今の有様を見ろ。
人件費の無駄遣い。会社が得た知見もない。私自身のモチベーションは地に落ちている。完全にマイナスにしかなっていない。
事業とは一線を引き、もっと俯瞰的に社の成長を考えるべきである。
また、人間を信用してはいけない。
伝わって合意できているなんて、思い込んではいけないのだ。
なぜ信じてしまったのか?それは事業部が自分で責任を取るとしているからである。
でも、具体的に彼らは一体何を賭けている?所詮はただの会社員である。私と何も変わらないじゃないか。会社が傾いたら転職するだけ。失うものなんてない。
もっと、合理的に考えよう。信用なんて曖昧なものに賭けたから負けるんだ。GOが出ているという言葉に騙される方が悪い。
そして、手を動かせ、話を聞け。そして、また手を動かせ。
デザインは無理ゲーなのだ。人間や社会、世界が複雑である限り、その要求を満たすことなど不可能なのだ。全知全能なデザイナーなど居るわけがない。
無理ゲーをクリアするには、ここで萎えてはいけない。闇堕ちしてはいけない。成功を求めてはいけない。もっと長い目で見て、足元を固めて、世界がちょっとだけ良くなることを目指そう。出来るのは、出来ることだけ。
しかし、今はちょっとだけ休む。
顔面を殴りたい気分だ。冷静じゃない。