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月経のデザイン6〜オンラインピル処方"サ終"か?〜

3ヶ月に一度、婦人科でもらっていた薬をオンラインにしてみた。会社の健康診断で強制的に検診を受けるので、問題ないと判断した。

あれから一年…

あれ?今月ピルが届かないな?と思っていたら、DMMがサ終していた。

ええ〜困る。と思って、マイページからこの導線をおしたら、1万円のクーポンがあった。ん〜許す。


スマルナで注文するのか?検討過程

同じ薬があるのか?

月経困難症のために婦人科で処方されていたのは「フリウェル」(ルナベルのジェネリック)だった。何年もこれを飲んでいたので、同じのが良いなと思っていた。DMMで買っていた時もも「フリウェル配合錠ULD」を飲んでいて、体調に異常はなかった。健康診断でも異常なし。

「フリウェル」ありますか?結論、ある。

低用量ピル:トリキュラー・ラベルフィーユ・マーベロン・ファボワール・アンジュ
超低用量ピル:ルナベル配合錠ULD、フリウェル配合錠ULD、ヤーズ配合錠、ヤーズフレックス配合錠

https://smaluna.com/column/2163/

すごい下の方に、ちょびっと書いてあった。もっと分かりやすい所に書いてくれたら、最初からDMMに行かなかったのに…。法律とか関係あるんだろうか?でも結局書いてあるし、医師の判断で処方するのだから、素人に分かられても懸念ないのでは?皆ここまで調べたりしないのか?いや調べない人は素直に病院へ行く気がするが…まあいいや。


第一世代は微妙に高い

第三世代の「ファボワール」、「マーベロン」、第二世代の「ラベルフィーユ」、「アンジュ」、「トリキュラー」の取り扱いもある。これらに比べて、第一世代の「フリウェル」は千円程度高い。(スマルナに限らず、DMMも同じ相場感。)

「ルネベル」は「フリウェル」の先発薬だから当然高いとして、第一世代は「フリウェル」しかない…出回ってる薬がこれしかないんだろうな。よく分からんが、オンライン上で処方を変えるのも微妙だよなぁ…きっと(受診で聞くとして)。

余計なリスクは負いたくないので、事前の金額感は「フリウェル」を想定して考える。28日:3,000〜4,000円前後(キャンペーンなどで変動)+受診料。婦人科に行った方が、保険が効くので安い。この機会に婦人科に戻すべきか?


婦人科かオンラインか?

オフラインだと、数ヶ月ごとの往復の交通費、出掛けるとなると結局途中で食事したり、水筒の飲み物がなくなって買ったりで、数百円は使う。あとは、病院と薬局の待ち時間。いろんな病院を回って最短の所を見つけたが、それでも混み具合によっては、結構待たされる。病院は人でごった返していて、内容によって保険が効く効かないの差があるので受診者の質問が長引いたり、血圧を測る順番が回って来る前に呼ばれたり、(多分色々と切羽詰まって)挙動がヤバい人が居たりでテンヤワンヤ…

検診も結局「変化ないですか?」って聞かれて「ないです」と答えて終わりだし、定期検診も血液検査・血圧測定…会社の健康診断と内容変わらないし、通っていた病院では、子宮内膜炎の検査とかは強制的に受けることになるけども、会社の健康診断にオプションで付けられるので、やってる内容は同じなんだよな…体調不良になった時に、頼る先がないという問題はあるが、投薬の記録が残っていれば、病院行けば良いし…先生には悪いけど…

諸々考えると、やっぱりオンラインにしようと思う。



UI

処方してもらうまで

好奇心で色々触っていたのが役立った。しかし、一年ぶりなので、色々と忘れている。

2回目以降なので、本人確認までは完了している。トップページに自分のステータスが表示されているので、分かりやすい。導線をクリックすれば、あとはUIにしたがって行けば、すべてが完了する。すばらしい。こういうUIが作りたいんですよ…


やっぱりフリウェルが書いてない

アプリ上の「取り扱い中のお薬一覧」に「フリウェル」も「ルナベル」も書いてない。webには書いてあったのに…どっちなんだ??定期コースにしたいので、あんまり変えたくないんだけどな…医師と相談しよう。

>相談結果
希望を出したら、「フリウェル」でという話になった。結論、「フリウェル」はあった。

時期によったりするのか?生モノでもあるまいし、そんなことはないよな…


リニューアル

システムは変わってないが、UIが大幅にリニューアルされていた。元々、情報設計が分かりやすいので、UIのテイストが変わっても全然学習コストが掛かる感じもしないし。見習わなければいけないと思う。

ここから話が脱線するが、そういえば…昨年の暮れに、自分で配色について言及していた。これで見込みユーザーから、ユーザーに昇格したので、今後はお世話になります。

当時は中の人からテンションの高いリプが来てたのだが、削除されている。(なんか絵文字がいっぱいで、ビビってキョドっていたので削除されてて良かった…)

めっちゃ応援してるけど、キラキラしすぎてフォローできない。眩しい!自分が根暗すぎて「頑張りましょう」っていわれるの無理…かなしい。


保険適用はされないのは罠か

詳細に調べてないひとには、「保険適用されない」という情報がわからないので、以下のような指摘も。知っていたら何とも思わなかったが、たしかに…初見殺しかもしれない。

個人的には「いや、自分の身体のことなんだから自分で調べろよ」とは思うけど、そういう人ばかりじゃないから、まあ…デザイナーとして自分がこれを見るならば、ユーザーフレンドリーではないと言わざるを得ないわな…

あ!だから一覧に「フリウェル」が載ってないのか?初診の人に「フリウェル」を出す際は、絶対に医師の特別な判断を通るから、そこで説明するというオペレーションになっているのか??「フリウェル」を希望しなければ普通、別の安いやつを処方するんだろうか?

身体が一つしかないので、調査できないが、多分、その辺の話で一覧に載せれないのかな…などとと想像した。



ブランドイメージを誤解していたかもしれない

ガレソとか使うんだ

ガレソ…そんな仕事やってたんか…ガレソでブランドイメージ…大丈夫そうか?

自分の様なインターネットうんこ人間はターゲットではなく、もっとキラキラ系がターゲットだと思っていたのだが、そっちも行けるんだ。私は親近感を持つけれども…


オウンドメディアもあるんだ…

https://community.smaluna.com/(noteでOGP貼れない…画像かわいいのに…)

「月経」ではなく「性交渉」「恋愛」の話が中心だった。認可、保険適用の歴史とかじゃないんだ…イデオロギーが入って来るので厳しいか…

というか、ピルの歴史まで調べて、「ラッセル・マーカー」「グレゴリー・ピンカス」の名前をあげはじめるのは、客観的に見ればただのオタク。変態。いや、でも面白いんだけどな…

 「このヤマイモを原材料にすれば大量生産が可能になる」,そう確信したマーカーは,第二次大戦中の1942年,単身,政情不安のメキシコを訪れた。メキシコ政府から植物採取の許可を得ることもできなかったうえに,米国領事からも「ヤマイモのことなど忘れて速やかにメキシコから退去せよ」と強く勧められたがマーカーは無視,通訳やガイドが同行を拒否する奥地に一人で赴くと,10キロほどのヤマイモを米国に持ち帰ったのだった。

医学書院/週刊医学界新聞 【〔連載〕続・アメリカ医療の光と影(76)(李啓充)】 ( 第2668号 2006年1月30日)

こういうのを見ていると、ターゲットはキラキラ・クリーンな感じではなく、私の様なオタクでもなく…もしかして、ぴえん系?ド偏見だが、「ゴムしてもらえない、どうしよう。」みたいな。マイメロとコラボしてるし…偏見なのは分かっているが、婦人科に通っていた時に見た、受付で騒いでいた挙動がヤバい人をどうしても思い出してしまう。人生が詰んだんだろうな…


月経困難症の治療層の人口の少なさ

生産性の向上を目的に、月経困難症の治療をしに掛かっている人は、自分でガンガン調べて、病院にも行くし、リスクも自分で調べるし…というマインドなので、ベースとなるサービスさえあれば顧客になる。

しかし、その層だけだと、後述するように人口が少ない。また、月経困難症の治療を堂々とするような(私のような)人間は、いざとなれば躊躇いなく病院へ行けるので、簡単に離脱してしまう。

先ほど、”「個人的には「いや、自分の身体のことなんだから自分で調べろよ」とは思う」”と書いたが、自分のように何でも検索しまくる人は少数派なのかもしれない。ピルが開発されたアメリカでは、宗教的な背景から避妊が違法だったため、表向きは「不妊治療」称して研究が進められ、1957年に「月経困難症」の治療薬として認可された。(後の1960年にFDAは避妊目的の使用を制限付きで認可した。)

月経困難症の改善か避妊目的か?日本国内だと、避妊の部分にしかスポットライトが当たらない。先ほどのガレソの投稿にもあるように。以前の記事でも書いたが、性教育(性交に限らず)の遅れが指摘されている。我々の世代(平成生まれ)に初めて月経の知識を与えたのは、公教育ではなく生理用品メーカーのパンフレットだった。世に言う、"女子だけ呼び出されるイベント"で配られるのは、教科書ではなく商品パンフレットなのだ。我が国の性教育は民間企業努力に頼っている。(今の小学生は知らんが)

普通に生きていたら月経に対する知識はほとんど深まらない。また、「月経の原体験」で扱ったように、まだまだ月経に対する理解や支援に賛同できない人も多い。すると、周囲に相談できなかったり、問題として扱われないので「我慢するのが当然」と改善を諦めてしまう。

月経のデザイン2〜個人最適化に着手するまで〜|QLOうに@UIデザイン

そう考えると、「生理が辛い」という問題に対し、「スマルナを使おう!」という発想になるまでが遠いのかもしれない。

「生理が辛い」→「病院へ行く」→「病院に行くの時間掛かるな」→「スマルナを使おう」。この「病院へ行く」の段階で、ほとんどの人が脱落する。


避妊目的の潜在需要

そうすると、「我慢ではどうしようもない状態」の層もターゲットにしないと、ビジネスとして成長が見込めない。

ピルを飲んでいると知られて”ヤリマン”認定されたくない、婦人科に行くのが恥ずかしいと思っている、でも、妊娠するのは困る。このような状況にある人口は多いと思う。

「月経困難症の治療でピルを飲む」という発想になる機会がなくても、異性と性交渉をする人は、このリスクを考える機会はあるだろう。「ピル=避妊薬」という意識もすでにある。あとは、能動的に情報を取りに行かない人に、情報を与えれば良い。避妊目的での訴求・性交渉に関する啓蒙活動を実施することで、新たな層を開拓しているのだと見た。

オウンドメディアも「月経」ではなく「性交渉」「恋愛」の話が中心だし、性感染症の一次検査ができるキットの販売なども行なっている。ぴえん系のイメージを出してきたのも、そういう流れなのかもしれない。

他の企業でよくある”オジサンの理想の押し付け"ではなく、ちゃんとユーザーに合わせて、年々変わっているのは凄いと思う。一年前に見た時は、もっと気取った感じだったのに、よりカジュアルになっている。「婦人科=ピンク」ではなく、青でしょ。って中々そんなデザイン通らないぞ。ユーザーになり得る人間の実態に合わせているのだろうな。どんなリサーチしているんだろうか…



感想

受診料が1500円なので、手間を考えても1万の割引は大きい。婦人科通いに戻すべきか再検討するきっかけにもなったし、得した出来事だった。
ありがとう世界。

スマルナのサービスデザイン・UIデザインは見習っていきたい。
「ピル」はあらゆる方面で、センシティブになってしまっている商品だと思うが、その分、月経困難症の治療にせよ、避妊目的にせよ、社会的に意義のある事業活動だと思う。(DMMがそうじゃなかったとは言わないけど、コンセプトはスマルナの運営会社の方が社会性があるように見える。)

ぜひ今後も事業継続していただきたい。(そして、私にピルを配送し続けてくれ!サ終しないでくれ!

んまあ、この記事書いている間に、私は婦人科に行きゃ良いんだけどな!


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