"デザイナー"は開発方針に、どこまで踏み込むべき?
課題
事業部が主導権を持つ組織
事業部がオーナーシップを持つプロダクトにおいて、デザイナーはどう振る舞うべきなのか?
「こういう事がしたい」「こういう問題がある」「ここの数値を上げたい」という話があれば、課題を特定してUIで解決することができる。
しかし、長期的にそういう施策だけを進めていると、数字になる部分だけに工数が投下され、全体のエコシステムが崩れたままになる。
例えば、メニューなどの導線は、全体を俯瞰しないと課題を発見できない。ユーザーはメニューから各機能へアクセスする訳で、街の目抜通りが荒廃しているようなものだ。しかし、すぐには数字にはならないので、事業部がオーナーシップを持っている場合、道の先の一部分だけの開発が進む。
デザイナーが主導権を持っていない場合
しかし、目抜通りが荒廃していますよ。というのは、あくまでデザイナーの論理である。
デザイナーに主導権があれば、「仮説を信じて突き進み、ダメだったら戻す。」ということをすれば良いが、エンジニア・マーケター・データサイエンティストなどの他職種を含め、工数をどこに投下するのか、決裁権を持たない場合、あくまで仮説を提唱することしかできない。
細かな部分の改修であれば、進められないことはない。しかし、目抜通りとなると、オーナーシップを持っている人と進めないと、途中で転ける未来が見えるだろう。
どう向き合うのか?
課題を放置する
一番簡単なのは、課題を放置することだ。すでに仕事は山のようにあり、給料も貰えているのだから、それで良いじゃないか。事業が傾いたら転職すれば良い。
オーナーシップを取りにいく
これは荊の道だ。リソースは限られているので、現在事業部が持っている権利を一部剥奪する作業になる。権限を慎重に剥離できる人でないと上手く進められないだろう。デザイナーはここに注力すべきなのか?
意識だけ定期的に共有する
何をやるかは置いておいて、現状を素直に眺めるのはどうだろうか?高台に登り街を見下ろしてみる事を、数年に一度でもやる機会が作れれば、普段の施策をする中で、手を入れる時についでに治そうという話にもなるかもしれない。まず、この場を用意することが、第一目標かもしれない。
ユーザーからの情報
一番の理想は、ユーザーリサーチを通して得た情報を、施策に反映していくことだ。数字になりつつ、使いやすく、アクセスしやすくなるのであれば、それが良い。
しかし、事業部が力を持っている場合、ユーザーの意見から短期的に数字になる部分だけを抽出してしまうだろう。