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月経のデザイン4〜社会はテクノロジーを受け入れられるか〜

エロくない下ネタシリーズ。前回の続き。
私は限界インハウスUIデザイナー。開発体験を上げるには、何を改善すれば良いかを考えたいたときに、月経の存在に思い至った。

ここまで、
月経のデザイン1〜月経と開発体験〜
月経が生産性に及ぼす影響と、開発体験という考え方、そして月経を改善することによる社会全体の利益について
月経のデザイン2〜個人最適化に着手するまで〜
分野に限らずデザイン開発を進める上で必要な視点、標準化されていない月経に関する知識、議論する際の人間の捉え方、当事者に求められる改善への積極性
月経のデザイン3〜ピルというテクノロジー〜
月経・ピルのメカニズム、開発の歴史、ピルパニック、ピルのリスク
について見て来た。

今回は、これらを踏まえ、日本国内でピルをどう扱っているのかについて見ていく。

私は医学・薬学の知識は一切ない。実体験とネットで適当にしらべた情報をもとに書く。詳しくは引用元を参照して欲しい。鵜呑みダメゼッタイ。この記事はあくまで、個人が適当に書いている「note」であることを忘れないでほしい。当然責任も取れない。

前回の記事

認可・保険適用までの道のり

人は間違いを侵す。間違いを防ぐデザインをしなければならない。しかし、間違いを防ぐことで別の問題が発生しているケースもある。そのバランスをどう取っていくかが問題だ。


1985〜1999年:25年に渡る認可への道のり

まだ認可されていない、1997年当時に書かれた記事を見つけた。

80年代半ばには、すでに「経口避妊薬」としてのピルの認可の要請がだされていた。

より安全性の高い低用量ピルの認可に関しましては、1985年の9月から1986年1月の間に、日本母性保護医協会を始め、日本産科婦人科学会、日本医師会、日本家族計画連盟が厚生省に提出した、低用量ピル認可のための要望書に端を発しています。

https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/MEMBERS/TANPA/H9/971020

治験は90年代の初めには完了していた。

これらの治験は全社を合わせると5000人以上の婦人を対象に行われ、得られた7万周期を超える成績によれば、避妊に失敗した症例は極僅かで、ほとんどの製剤で避妊効果は99%以上と非常に高い避妊効果が得られています。大きな問題もほとんど無く、各社共自社製剤の成績を基に、1990年7月より、厚生省へ申請が行われました。

https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/MEMBERS/TANPA/H9/971020

ここで問題が発生。

しかし、1992年の3月に厚生省は、「公衆衛生上の見地」すなわち、「ピルを認可するとエイズが蔓延するのではないか」とのことで、認可を先送りすることを急遽発表

https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/MEMBERS/TANPA/H9/971020

その後、1995年に検討されたかと思ったら、今度は先ほど出て来た、ピルパニックの話が出て来て頓挫。

1997年にようやく行けるかと思いきや、またHIV感染の問題が取り沙汰された。

しかしながら、あくまでもこれは私の考えですが、ピルでSTDを防ぐことは当然ながらできません。
しかし、ピルとSTDは全く次元の異なる問題であり、STDに感染するような交際をしないことがまず第1で、どうしてもそのような危険のある交渉を持ちたいのならコンドームしかありません。心配のないパートナーとの間での交渉で、完全な避妊を希望するならピルの方がより良い方法であり、コンドームでは失敗が全く無いとは言えません。そろそろ、望まない妊娠を女性自身の意志で防ぐことが可能な低用量ピルを、女性の避妊法の選択肢として組み入れてもいい時期にきているのではないでしょうか?

https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/MEMBERS/TANPA/H9/971020

この2年後に、ようやく認可された。

低用量ピルが日本で認可されたのはアメリカに遅れること 25 年の 1999 年である。当時HIV/AIDS が大流行していたことや性風俗の乱れへの懸念、薬によるホルモンコントロールを行うべきでないとの意見から先進国のどこよりも遅れた 23。

https://japanhpn.org/wp-content/uploads/2017/09/Womens-Health-1.pdf


バイアグラとの比較

認可が遅れた話がされるとき、よく引き合いに出されるのが、バイアグラの認可の速さだ。

1998 年 7 月忽然と登場した男性の勃起不全の治療薬バイアグラの使用申請があり、 国内での臨床試験がないままに、 異様なスピートで翌年認可された。 程なくして、 同年9月、 欧米から遅れること約40年が過ぎて、 ピルが正式認可されたのである。

http://www.muraguchikiyo-wclinic.or.jp/vol70mini.pdf

臨床試験がないのは大丈夫だったんだろうか?

バイアグラは、狭心症や心筋梗塞に使用されるニトログリセリンと併用してはいけません。
また大量のアルコール摂取は薬効を変動させる恐れがあるため、バイアグラだけではなく医薬品全般で注意すべき点です。

それはそうと、サジェストよ…大丈夫か?



2008年〜:保険適用

月経のことだけを考えれば保険が効くようになった。

当初は避妊薬としての保険適応外のピルだけだったが、 2008 年月経困難症や子宮内膜症の保険適応治療薬として使用される LEP (Low doses Estrogen Progestin ) が認可された。

http://www.muraguchikiyo-wclinic.or.jp/vol70mini.pdf

保険適用される種類のピル 2023年時点

●健康保険適用
月経困難症・子宮内膜症の治療や症状緩和

●健康保険適用外
避妊、PMS(月経前症候群)の改善、肌荒れの改善、月経移動など

2023.02.01 https://ena-nihonbashi.com/column/pill/2627/

ルナベルULD 第1世代、超低容量
→(ジェネリック) フリウェルULD 第1世代、超低容量

ルナベルLD 第1世代、低容量
→(ジェネリック) フリウェルLD 第1世代、低容量

ヤーズ 第4世代
ヤーズフレックス 第4世代
→(ジェネリック) ドロエチ 第4世代

など

ただし、避妊目的での使用は認められていないことに注意。

ルナベルには避妊薬と同一成分が含まれており、ルナベルでも避妊できる可能性はあります。
ただしルナベルを避妊目的に処方してもらうことはできません。ルナベルの添付文書には「本剤を避妊目的で使用しないこと」との記載があります。

避妊率を示すデータがないほか、ルナベルは避妊目的の低用量ピルと比べてエストロゲンが少ないです。
〜中略〜
ルナベルは避妊薬と同一成分が含まれているため、避妊効果が現れる可能性はありますが、避妊目的で処方してもらえません。

https://ic-clinic.com/column/lunabell/

これだけ見ると、「保険適用ピル=安価」と感じるかもしれませんが、病気の治療を目的としているため必ず診察を受ける必要があり、薬代とは別に初診料・再診料、検査料、処方料、薬剤情報提供料などがかかります。治療の経過を確認するため、定期的に診察が必要になる場合もあります。

一方で自由診療では、簡単な問診と服用方法の説明を受けるだけで低用量ピルの処方を受けられることも多いです。

診察料や検査費用などを合算すると、自由診療の低用量ピル処方と保険適用の低用量ピル処方、実はかかる費用が同じくらいになるケースも少なくありません。

「本当は避妊用の低用量ピルが欲しいけど、生理痛を改善したいと言って保険適用で受診しよう」と安易に考えず、低用量ピルの処方を希望する場合は目的に合わせて受診し、適切な処方を受けましょう。

https://ena-nihonbashi.com/column/pill/2627/

冒頭で書いた「ほぼ」がこの部分。ほぼ同じ成分なのに扱いが違う。

いずれも基本的にはピルそのものである。 LEP は日本だけのものであり、 海外ではすべてピルとして扱われている。

http://www.muraguchikiyo-wclinic.or.jp/vol70mini.pdf



敷居の高さ

何はともあれ、認可はされたし保険も適用されるなら、これで良かったじゃないか…と喜びたい所だが…


各国の普及率

ピルは、日本ではまだまだ一般的ではない。

2017年の統計

北朝鮮0.1%、日本1%、中国1.2%、韓国2%、モンゴル8.7%、南アフリカ10.9%、ロシア13%、アメリカ13.3%、イタリア14.2%、サウジアラビア15.2%、オーストラリア23.8%、イギリス28%、タイ32.1%、ドイツ37.2%、フランス41%、カナダ43.8%、オランダ49%
2017年国連人口部の統計による

https://nadeshiko-women.com/pill-top/pill-about/

避妊薬としての調査だが、2019年のデータもあった。

避妊法2019(Contraceptive Use by Method 2019)のデータを用いて世界のピルの内服状況を見てみましょう。欧米諸国のピル内服率を見てみるとノルウェー25.6%、英国26.1%、フランス33.1%、カナダ28.5%、米国13.7%となっています。一方で、東アジアにおけるピル内服率は、中国2.4%、香港6.2%、韓国3.3%となっています。また、東南アジアのピル内服率は、ミャンマー8.4%、ベトナム10.5%、タイ19.6%、マレーシア8.8%、カンボジア13.7%となっています。
〜中略〜
先ほどのデータで日本のピルの内服状況を見てみると日本のピル内服率は2.9%となっています。

https://www.clinicfor.life/telemedicine/pill/about/b-051/


入手方法の違い

普及を妨げている要因として、冒頭に書いた「経口避妊薬」というイメージの他に、入手方法が限られる点も挙げられる。日本では医療機関を受診しないと購入できないが、海外では薬局で買えるらしい。

実は世界では、低用量ピルは薬局での購入が可能。しかも低用量ピルだけでなくアフターピルともいわれている緊急避妊薬についても薬局での購入が可能です。しかもかなり安い値段で購入ができ、日本に住む我々が風邪薬を市販で購入するという感覚で手に入れることができるのです。

https://www.clinicfor.life/telemedicine/pill/about/b-051/

「世界」とは欧米や東南アジアのことかな?と思い、東アジアの入手方法も調べてみた。


※エストロゲンの配合量30㎍以下: 超低用量ピル

韓国では、薬局で買えるらしい。
マーシロン
デソゲストレル0.15mg(第3世代)
エチニルエストラジオール0.02mg(超低容量)


香港も種類は限られるが買えるらしい。
記事によると、買えるのはトリキュラーではなくマイクロジノン
レボノルゲストレル 0.15mg(第2世代)
エチニルエストラジオール 0.03mg(超低容量)


中国でも「そのへんの薬局」でピルが買えるらしい。


え…買えないのマジで日本だけなの…?

現在、日本で低用量ピルを服用するためには医師の診断に基づく処方箋が必須であるが、世界的には、147 か国中約 70%の国において、Over-the-Counter、つまり処方箋を不要としドラッグストア等で購入が可能である 24。低用量ピルの薬価は、自由診療となるため月額 2,500 円前後であるが、ヨーロッパ諸国に比べ高価であることから、コストがピルへのアクセスを妨げる要因の一つにもなっていると考えられる。

2017 年 9 月 https://japanhpn.org/wp-content/uploads/2017/09/Womens-Health-1.pdf

研究計画
2011年4月から2012年9月にかけて、世界各国におけるOCの入手可能性について、公式文書を調査し、政府関係者や医薬品・生殖医療専門家にオンライン調査を実施しました。結果はデータベースにまとめられ、地域ごとのパターンを分析するための地図に入力されました。

結果
147カ国についてデータが得られた。OCは、38%の国で処方箋なしで非公式に入手でき、24%の国で処方箋なしで合法的に入手でき(医療専門家によるスクリーニングは不要)、8%の国で処方箋なしで合法的に入手でき(スクリーニングが必要)、31%の国で処方箋によってのみ入手できた。OCの処方要件については、地域によって顕著なパターンが見られた。

結論
OCは大半の国で処方箋なしで入手可能である。OTC提供に関する各国の経験は、効果的な家族計画へのアクセスを改善する戦略としてのOTC提供の安全性と有効性についての証拠を提供するかもしれない。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳

スクリーニングが必要で、処方箋なしで合法的に入手できる状態ってどういう状態か分からないが、薬剤師が医薬品レジに居るイメージなのかな?



2〜3ヶ月に1回の検診は本当に必要?


ここで考えたいのが、前回の記事で扱った「自由の制限」だ。

ATMでお金を降ろすとき、キャッシュカードを受け取らないと現金が出ない。なぜなら人はキャッシュカードを忘れるから。人は間違いを侵す。間違いを防ぐデザインをしなければならない。しかし、間違いを防ぐことで別の問題が発生しているケースもある。そのバランスをどう取っていくかが問題だ。

私の場合、診察は何年も何年も何年も…同じ問診の繰り返しなので、看護師も医師も自分も流れ作業でしかない。血液検査も健康診断を別途やっているので、結果を持参することで済んでいる。病院に2〜3ヶ月に一回通わないといけないことで、診察料・交通費がずっとかかり続ける。何より社畜の貴重な休日が潰れてしまうのよ。海外で薬局で買えるなんて聞いた日にゃ、「これ、何の作業?」と思ってしまう。

自分を納得させるために意味を考えると、唯一思い当たるのは毎回血圧をチェックしていることか。ここまで触れて来たように血栓症のリスクを考えてのことなのは分かる。

収縮期血圧が140mmHg 以上または拡張期血圧が 90mmHg 以上の時は,血圧が安定するまで,OCを服用しないように指導する

https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf

分かる。分かるよ。でも、本当に2〜3ヶ月に1回のペースでやらないといけないのかなあ…


アクセスできない人

私は運良く仕事がうまく行っているし、実家を出れて自由の身であり、生産性にこだわりを持ち、我が強くnoteにこういう話を書けて、調べ出すと止まらずに情報収集してしまう性格だから良いけども、環境によってはアクセスできない人も多いのだろうなと思う。

他人事といえばそうなのだけど、前回までの記事で書いたように、月経がある人のパフォーマンスの低下は、社会の損失なわけで…


個人輸入・個人売買の危険性

ドラッグストアで売ってない→婦人科へ行く
ということをせずに、
ピルをネットで個人輸入・個人売買をするケースもある。

相談相手がいない、学校でも教えてくれない、単に面倒、婦人科に行くのが恥ずかしい、抵抗感がある、婦人科にかかる費用が出せない、という人が、誰にも見つからずにピルを入手する手段として選択するのかもしれない。

日本の法律では、医薬品を個人輸入をしてよい例については、大前提は自分自身で使用する場合のみ、としています。また医薬品医療機器等法に違反する輸入でないことを証明する「薬監証明」を取得していることが必要となります。ですが、インターネットでの通販の場合この「薬監証明」を本当に取得しているかどうかが分かりません。違法に医薬品を売っている可能性があるという点で危険であり、過去に実際に問題となっているケースもあります。

https://www.clinicfor.life/telemedicine/pill/about/b-049/

※後述する、オンライン処方とは別物。



普及へ向けた課題


性教育の遅れ

私にも「公衆衛生上の見地」「性風俗の乱れ」を理由にピルを認可しなかったなんて!ひどい!という気持ちはある。ただ、たしかに「性」について世の人が、どのくらい考えて生きているかを考えると、性病をおそれて認可できなかったという気持ちも分からなくもない(?)気もしてくる。

海外で薬局が買える状態になっている理由として、全体の性教育が盛んに行われていることがあるらしい。

海外では、5歳や6歳の段階から性教育を始めます。生理や避妊、妊娠などだけでなく、女性や男性からの異なる視線から性教育を捉えるという取り組みも行っています。性暴力や性欲のコントロールについても学び、お互いの人生と健康を守れるようにも教育が進められます。

https://mypill.online/column_45.html

(海外ってどこ?)

イギリス
未就学児が分かるよう、かわいい恐竜をモチーフに性犯罪予防のアニメが作成されている。

韓国
小学校5年生の保健科で性暴力についての対応や被害に遭った時の相談先を教え、中学生でコンドームの装着を教える
フィンランド
中学校の授業でペニスの形は様々であること、高校では不妊治療やLGBTQについても学ぶ。
ドイツ
小学校5年生で避妊などを生物の授業で習う。

https://veryweb.jp/kids/140213/

以下、International technical guidance on sexuality education: an evidence-informed approach (jpn) - UNESCO Digital Libraryの国際セクシュアリティ教育ガイダンス(日本語)

3.1ジェンダーとジェンダー規範の社会構築性
学習目標(5~8歳)
キーアイデア:生物学的セックス(生物学的性)とジェンダーの違いを知ることは重要である
学習者ができるようになること:ジェンダーとセックスの意味を明らかにし、 それらがどのように異なるのかを説明する(知識)・自分のセックスとジェンダーについてどう感じるかを省察する(スキル)

https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000374167/

う〜ん…私は5歳〜8歳の学習目標が達成されているかすら怪しい…

現状、私はなぜバイアグラがここまでスピーディーに認可されたのか、その切迫した事情・背景を知らない。バイアグラを必要としている人にしか分からない悩みがある。その悩みは個人の悩みではなく、社会の悩みであり、私の悩みでもあるはずなのに。

また、私自身「女性」について理解していないのかもしれない。「女性とは何ですか?」という問いには、答えが詰まる。マ◯コが付いていれば女性かというと、それは現代的な思考ではないのでNOと思うが、じゃあ何なんだと聞かれると分からない。


女性の社会における存在感の薄さ

ここまで約2.5万文字に渡り、男女の話をなるべく持ち出さないように考えてきたけれど、ピルの普及が進まない要因として、女性の社会における存在感の薄さがあることは否定できないと思う。

性教育の遅れを懸念するなら、バイアグラなんて最も忌避する対象のはずなのに、ここまで分かりやすく差を見せられると、「女性より男性が優先される社会だ」と捉えるしかない。

諸外国の国会議員に占める女性の割合の推移 2022年時点の数値
スエーデン:46%
フランス:39.5%
ドイツ:34.9%
英国:34.5%
米国:27.9%
韓国:18.6%
日本:9.7%

男女共同参画白書 令和4年版
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-03.html

女性の権利を叫び出すと、白い目で見られる風潮がある。というか、私自身、女性の権利を叫んでいる人を、白い目で見ている節がある。理屈で喋ってない人が個人的に好きじゃないので、感情で喚かれると耳を塞ぎたくなる。そんな時は、再び感情論から理屈に立ち帰ろう。

そもそもなぜ女性活躍が必要か
〜中略〜
■市場適応の観点~多様な市場に対して価値を発揮するためには、企業も多様でなければならない~

https://solution.lmi.ne.jp/column/4259

一企業に限らず、国という組織においても同じことが言えるだろう。

 日本の女性は高等教育への進学率が高く、能力が高いにもかかわらず、妊娠や出産で6割もの女性が辞めていく。この点だけ見ても、日本の状況は国際的に見て是正すべき状況にあります。

https://apj.aidem.co.jp/column/399/


「性教育が先」論も根強いです。性教育が行き渡り、低用量ピルなどの他の確実な避妊方法も含めて正しい知識が知られるようになることの方が先だ、というわけです。

もちろん、私も今の日本は性教育が不十分だと思いますし、性教育はもっと進めるべきだと思います。でも、性教育が行きわたるまで、とても待ってはいられません。これまで性教育を十分に受けてこられなかった女性に対しては、何の救済もないからです。「どちらが先」ということでなく、性教育もアフターピルへのアクセスも、両方一刻も早く行われるべきでしょう。




医師によるオンライン処方の動き

現状、ピルは医師の診断がないと処方してもらえない。
個人輸入・個人売買は、偽の薬の可能性があるのでリスクが高すぎる。

そこで、医療機関からピルをオンラインで処方するという動きが出て来た。


信用できるオンライン処方とは?

今のところピルを販売できるのは、医師か個人の2択だ。
そして、個人による薬の販売は違法。偽の薬でも何の保証も受けられない。

つまり、医師の存在を確認する必要がある。

オンラインの窓口で医師の名前が確認できる事を確認する。名前がわかれば、医師免許を保有していることを患者が確認できる。

また、その医師がオンラインでやりとりしている先に本当に存在するのかを確認できること。つまり、チャットだけでなく、オンライン通話などをし、医師本人が診断をしているのかが確認できる状態であることが望ましい。

厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づいて運営されているか

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000201789.pdf

なお、コロナ禍の限定的な措置として以下のことも認められている。患者側に関係するのは特に初診について。

「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の 時限的・特例的な取扱いについて」https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf

(1) 初診からの電話や情報通信機器を用いた診療の実施について
患者から電話等により診療等の求めを受けた場合において、診療等の求めを受けた医療機関の医師は、当該医師が電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方が当該医師の責任の下で医学的に可能であると判断した範囲において、初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方をして差し支えないこと。ただし、麻薬及び向精神薬の処方をしてはならないこと。

https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf


展開中の有名どころのサービス


このうち、DMMとスマルナを実際に利用してみた。

次回、これらのオンライン処方サービスの、アプリケーションのUIとUXについて書く。(ここから、UIデザイナーとして書きたかった内容に入る。長かった〜)



参考記事

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