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Photo by
piyo_maro
私のなかのAncien régime
時計の針は一方向に進むけど、ヒトというものは一方向には進んでくれない。
ぼくが自我を持ってから、何者かになりたいと漠然と思っていた。
最近はその限界を感じてしまったから、もう何者も目指さないと思っていた。
大学生は「勉強」「サークル」「バイト」「恋愛」のうち2つまでしかちゃんとできないとよく言われている。まさにその通りだろう。
自分から何者かになろうとするアクションをおこすのはもうやめたはずだった。でも世間とは妙なもので、他人から頼まれることがあるんだ、夢のある頼みごとが。
ぼくの中のAncien régime、古い考え方。まるで王政復古のように甦ってくる。
史実の王政復古でも、全てが旧体制の状態に戻ったわけではない。革命によって手に入れた一部の権利は王政復古でも維持されていた。
このどっちつかずで、混ざり合った考え方がどのように変化していくか。史実のように新しい方が勝つのか、それとも古い考え方が圧倒していくのか。
フランス革命を時計の針に例えて説明してくれたのは高校の世界史の先生だった。時計の針が進み、戻り、そしてまた進む。そうやって革命は進んできたという。
ぼくの思考は進み、戻り、そのあとどうなるだろう。