学術会議いびりの政権へつらい議員ども
菅首相が、日本学術会議の一部の会員候補者の任命を拒否したのが激しい批判を浴びているのは当然だが、そんな政府をかばおうとて、自民党の議員のなかに、学術会議への10億円の支出は何の役に立っているのかなどと言う発言が聞かれるようになった。こんな論点のすり替えも卑怯だが、そんなことを言う議員たちは10億円どころではない莫大な国会運営の費用を、よっぽど無駄なく有意義に使っているとでもいうのだろうか。
議会では質問もろくにせず、野党議員の質疑をヤジで妨害し、肝心の法案は目も通さず、ただ党中央の言うことに賛成票を投じていればよいからと、議場ではもっぱら昼寝か、スマホやモバイルで動画を見ていたりするような連中が、学者のためのわずかな支出を責め立てるのは、どう見ても話があべこべだろう。
そんなけち臭いことを言っていると、日本から優秀な頭脳が流出するばかりである。自民党議員は日本文化の低落を自ら体現し、かついっそう進めてしまうのだ。