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山上徹也さんは起訴できるのか?

§ 昨年7月8日の安倍元総理暗殺いらい検察によって半年間も「鑑定留置」されてきた山上さんは、勾留を終えて奈良県警に身柄を移されたが、どうみても精神異常とは思えないひとを半年も精神鑑定することじたいが異常であり、検察に何か意図があったことをうかがわせる。それにしても、いったい、検察は山上さんをどうやって起訴するつもりだろう。訴訟が成り立つのだろうか。
 安倍晋三元首相殺害の物的証拠もないのだから、立件じたいが無理ではないかと思うのだが。

 § 2022年7月8日、安倍氏は、午前11時30分に被弾してから、しばらくのあいだは、居合わせたひとたちの心臓マッサージを受けていたが、救命手術を担当した県立奈良医大の福島英資医師(以下「担当医」)が記者会見で述べたところでは、弾丸で心臓に大きな孔があいていたのだから、マッサージは却って死を早めた可能性もある。ヘリで県立奈良医大に搬入されようというとき、すでに安倍氏は心肺停止状態だった。被弾後搬入までには50分を要している。5時30分まで行われた救命措置は、急遽駆けつける昭恵夫人に形だけでも死の直前の夫に会えたという思いをさせるため以外のものではなかった。

 遺体はそのあと奈良県警が引き取って検屍ののち、ただちに荼毘に付された。担当医は記者会見で弾丸は見つかっていないといい、奈良県警も紛失したと言っている。つまり物的証拠はない。奈良県警によって湮滅されたと見ることも可能である。

 ことそこに至るまでの経過を、担当医の発表および警察の発表を参照しながら検討すると、いくつも奇妙な点に思い当たる。

 1.山上さんの手製の銃は同時に6コの弾丸が射出される散弾銃だった。ところが、担当医によれば、弾痕は頸部に2箇所認められたのみだった。担当医は、喉の下の胸骨と鎖骨の接合部(胸鎖関節)のすぐ上のくぼみを指し示していた。
 残る4発はどうなったのか? 現場でそんなものが発見されたのでもなければ、流れ弾に当たって負傷したひとがいたわけでもない。(その後、現場周囲の建物に弾痕があったという報道もなされているが、真偽は不明である)

 2.現場は近鉄西大寺(きんてつさいだいじ)という駅の前にあるバスロータリーと、近鉄と平行に通るバス通りとの間にある、小さな空き地である。ガードレールで囲んであって、そこで安倍氏は演説している最中に殺された。
 この場所は、駅の真ん前だから選挙演説にはもってこいなので、野党からも利用の申請が出されていたが、警護が困難だとの理由で拒否されたという。それが、安倍氏に対しては承認された。
 こんな場所を無理に選んだところにも、権力に驕った同氏らしい慢心を感じる。自分がひとの恨みを買うことをしているという自覚がないのだ。60年安保のとき、死を覚悟して兄弟で首相官邸に閉じこもった祖父岸信介と大叔父佐藤栄作が知ったら、叱責されるであろう不覚である。それだけ天真爛漫で、身近なひとたちには付き合いやすかったかもしれない。

 3.安倍氏は本来の予定では、この日はよそで応援演説に入るはずだったのに、前日になって予定を変更した。山上さんはそれを知って、この場所にやってきた。ちょっとうまく出来すぎているので、誰かが教えたんじゃないかと疑うことは不可能ではない。

 4.安倍氏が射たれたときの映像というのは、たいてい手ブレや、前にひとが立ちはだかって、肝心の安倍氏の様子が映らないなどで、不出来なものが多いなか、9月にネットに流された「エクアドル映像」というのが、珍しく、非常にわかりやすいアングルから、安倍氏被弾の状況を映している。
https://twitter.com/antena3ecuador/status/1545419271324442624?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1545419271324442624%7Ctwgr%5E988676f2a413c250771ca04b641bbfff39c1d946%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Ftomo3koko.com%2Fsinzoabe-shooting%2F

 このエクアドル映像を非常に細かく検討、分析しているYoutube記事( https://www.youtube.com/watch?v=jBnTtLZLtuc )があって、ぼくは、これのおかげで、それまで見誤っていた点を見直して修正できた。ただ2時間半に及ぶ長大なこの映像は、安倍氏の周囲にいた人物に関する特殊な言及を含むものなので、その部分にふれることは避ける。ここでは、あくまで、銃弾が当たった瞬間の状況のみについて、以下感じることを記すことにする。

 a. 1発目の砲声(銃声というよりは砲声と言いたくなる音響)のあと、安倍氏は砲声のほうを人々と一緒に振り返っている。そして、また2秒ほどで2発目の砲声が聞こえたとき、また元に向きなおって、それまで立っていた小さな台を下りようとするように見えるが、そうしつつ、前にかがみ込んでいき、そのまま倒れていく。後ろ向きになって低いお立ち台から下りようとして、途中からくずおれた、というように見える。
 その倒れ方は、橫方向から射たれたとは見えない。橫から射たれたのなら、安倍氏の体は橫方向の衝撃が加わったらしい動きを見せるのではないかと思うが、そういうくずおれ方ではない。どこか高い所から来た弾丸を受けた可能性を感じる(上記YouTube映像には、この点に関する優れた分析が含まれているが、それは同映像をご覧いただきたい)。

 b. 2発目の弾丸が山上氏の手製銃からのものだとすると、安倍氏はそのとき山上さんに背を向けていたから、背中、うなじ、などに当たるはずだ。ところが担当医は、胸鎖関節のすぐ上のやや右寄り、すなわち前面に被弾したと言っている。(*)

 c. 2でも言ったように、現場は本来選挙演説には向かない警備困難な場所だ。ならば、SPは格別警護を厳しくしていていい。ところが、最初の砲声が聞こえてから2秒後の2発目までのあいだに、SPが必ずすると言われる、安倍氏に飛びかかって地面に倒して自分が上に覆い被さって守る(SP自身が被弾する危険を冒して)というような緊急措置は執られていない。ガードレールのなかにいた安倍氏以外の人間たちは、みんな砲声の聞こえたほうを見ている。2秒ほどたってから安倍氏が崩れ落ちたのに気づいて、数人が彼のほうに駆け寄ったりしているが、そのとき彼は、すでに地面にうつ伏せに倒れていた。

 5.記者会見で、担当医は、弾丸は胸鎖関節のすぐ上のやや右寄りの箇所に2発当たっていると、2度言っている。2つの銃創は5センチほど隔たっていたという。
 しかし、警察は、左上腕の三頭筋(力こぶの筋肉の裏に位置する腕を伸ばすための筋肉)に1発当たっただけだと言っている。担当医の手術が終了したあと、遺体を警察が引き取って、独自に検屍医に検屍させたわけだが、救命担当医と検屍医で、こんなに命中した場所がちがうということはありえない。また、奈良県警の検屍後の発表では銃弾は3発命中としている。

 警察は検屍で知り得た事実をごまかしていることになる。なぜだろう。上記YouTube記事でも、担当医をはじめ県立奈良医大には虚偽の報告をする理由はありそうにない。
 
 6.(1)担当医は、記者会見で、銃弾の入った傷は頸部の前側に2箇所だと、2度言っている。ところが、安倍氏が山上さんのほうを向いていた間にはタマは当たっていない。元に向き直ってから当たっているのである。もし安倍氏が山上さんのタマで斃れたなら、タマは後方から当たったことになる。ならば、同氏の体の前面に当たるわけがない。
 (2)しかも、その弾丸が鎖骨の裏を抜けて大血管と心臓にまで達しているのであれば、弾丸の飛んできたのは上からではあっても、下や真横からではありえない。山上さんはむしろ小柄で、安倍氏は椅子くらいの高さの台の上に立っていたのだから、上から被弾はするはずがない。
 (3)警察は、弾丸は当たったあと体内を進んで鎖骨にあたってから下に向きを変えて大血管に至ったと言っている。これは担当医の言う、胸鎖関節の上から大血管に進んだと言う話に比べて、説得力に欠ける。
 (4)しかも、警察は弾丸を担当医から得たのに紛失したなどという話も、ごく初期に警察に近しい青山繁晴議員がYouTubeで語っていた。
 (5)なお、担当医は記者からの質問に対してはっきりと、傷は大血管と心臓にあり、心臓の損傷は大きな穴だったと複数回答えている。警察の検屍では大血管しか言われておらず、心臓の損傷にはまったく言及がない。
 (6)また、担当医は、左肩の前側に傷があり、それが射出孔だったのだろうと語っている。

 7.担当医が弾丸を見つけられないまま、安倍氏の遺体は奈良県警による検屍のあと、速やかに荼毘に付された。これが、犯罪事件では証拠保全に努めるべき警察のすることだろうか。証拠湮滅と言っていい。気の毒な未亡人を責めるようだが、あの奥さんは、こういうとき「待ってください。まだ焼かないでください」と気丈に言えるようなタイプではないだろう。

 § 弾丸がどんなものか不明で、被害者の体に命中した箇所も、体内を進んだコースも担当医と警察医で証言がまちまち。要するに確かな物的証拠がないのに、検察はどうやって起訴するのだろうか。できるほうがおかしくはないか。

 安倍氏は米中間に立って米国に対し面従腹背の側面があったことが、いくつものソースで指摘されている。米中関係のはざまでバランスを取り損ねて失脚するのは田中角栄の例もあることだ。しかし、殺したりまでする必要があったのだろうか。トランプが当選したとき、いち早く彼のもとに駆けつけて2ショットを取った安倍氏はバイデン政権には快く思われていなかったにせよ、である。
 米国の何らかの機関の末端に位置するスナイパーが、近鉄西大寺の交差点に近いビルのどこかにいたということは、考えられる。上記に紹介したYouTube映像では、それが何と言うビルかまで、Googleマップにもとづいて、指摘しており、それは信頼していいと思われる。
 山上さんは彼らのための偽犯人として利用されていることを、どこまで知っていたのだろうか。自分が殺したのではないのに、自分が殺したと思い込まされたりしている可能性はないのか。高田純という人物は山上さんの散弾銃は空砲だったと主張しており、ぼくもそれが妥当だと思う。
 この頃のテレビでは、命中しなかった山上さんの弾丸が現場で見つかったなどと伝えられているらしいけれども、信用に値するとは思えない。そんなものを見つけるより、安倍氏の体内にあったはずの弾丸を遺体とともに保存して、検証に役立てるほうが先だっただろう。
 山上さんとは別に腕こきのスナイパーがいて、それが元首相殺害の真犯人だという仮説は、納得のいくものである。安倍氏の射たれて倒れる際の動きは、橫から射たれたよりは上から射たれたと見たほうが自然に思えるからだ。

 勾留を終え、ついで裁判となるのだが、検察は物的証拠もなしに、どうやって山上さんを起訴するのだろう。検察がどんな主張をするか、私たちは注意深く見守っていなければならない。(2023年12月下旬の今も、公判の予定すら発表されていない)(2024年、事件後2年を経ても、公判の話など、まったくなく、自民党の裏金、ガザのジェノサイド、能登大震災、羽田の海保機JAL機衝突、都知事選など、大きなニュースが次々に起こって、山上さんのことなど、皆が忘れる)。

(*1月12日付記 青山繁晴議員が1月10日にYouTubeに掲載したトークでは、警察は安倍氏の心臓には銃弾による傷(孔)はなかったが、挫滅したと語ったと言われている。
 また、奈良県警の検屍によれば、安倍氏は最初の砲声のあと、後ろを振り返ったときに被弾し、弾丸は、左鎖骨あたりから入り、右鎖骨へ行ったので、そのとき左右の鎖骨下動脈を損傷し、失血死につながった、と語られている。しかし、被弾は後を振り返ってから再び前に向き直ったときであることが、エクアドル映像に映っている。それに、山上さんの弾丸が当たったとすれば、右鎖骨付近から左鎖骨のほうに行くはずである。また、すでに述べたように、高い建物の上から、演説する安倍氏の前面に当たるように射っても、左鎖骨に被弾して右鎖骨に抜けることはないはずである。青山議員は、物的証拠がないのに警察の話(公式の発表ではなく、青山議員が追及したら口を開いたもの)をどうして信用するのかわからない)

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