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【 noteで学ぶ 世界の名画とアート思考 】 「現実と幻想が交錯する瞬間:ベラスケスの『ラス・メニーナス』が時を超えて私たちに語りかけるもの」

= こんな人におすすめの記事です =

「 “ アート ”や“ アート思考 ” ってどうやら大事そうなんだけど、アートの見方もそもそも何なのかも、全然わからない。…でも、我が子に“ アート教育 ”はさせたい! 」

これ、僕の欲求です(苦笑)。
でも、あるある、ですよね?

ですが、なかなかどこを調べたらいいか分からないし、これらの情報にたどり着けないことがしばしば。

…ということで、このnoteでは、『 世界の名画とアート思考 』を週に1つずつお届けしております。皆様の一助になれたら嬉しいです!

なお、『 他にもこんな展覧会がおススメですよ! 』というものがありましたら、ぜひコメント欄で教えてください。教えてくださった方に、1コメントにつき100円をnoteのサポート機能でプレゼント!


= そもそもアート思考って? =

色々と言われてはいますが、

「 過去の状況を理解し、その中にある問題点や疑問を発見し、これまでに無い新しい価値観や方法を提案する思考法 」

と僕は理解しています。ここを意識しての名画を観察すると、“ あ!この名画はこういう観点でアート思考を取り入れているんだ! ”と理解しやすくなるので、おススメでございます。


= 今週の名画:ラス・メニーナス =

ディエゴ・ベラスケスの傑作『ラス・メニーナス』が私たちに問いかける「現実とは?」

スペインの黄金時代を象徴する画家、ディエゴ・ベラスケス。その代表作『ラス・メニーナス』は、1656年に制作されて以来、見る者を不思議な感覚に誘い続けています。この作品は、絵の中に王女マリア・テレサと宮廷の人々が描かれているだけでなく、ベラスケス自身がその中に立ち、自らの存在と観客の存在を同時に表現する不思議な構図を取り入れています。本記事では、ベラスケスの背景や技法に触れながら、『ラス・メニーナス』がどのようにして視覚の魔法を生み出しているかを探ります。

ベラスケスとスペイン黄金時代

ディエゴ・ベラスケス(1599年~1660年)は、スペイン・セビリアで生まれ、幼少期から美術に親しみ、11歳でフランシスコ・パチェーコのもとで学びました。

彼の才能は早くから認められ、24歳でスペイン王フェリペ4世の宮廷画家に任命されます。宮廷画家としての活動は、ベラスケスに安定した収入をもたらし、彼は40年間にわたり王室の肖像画や歴史画を手がけました。王室の依頼を受けて制作した『ラス・メニーナス』も、フェリペ4世の信頼に応える作品の一つであり、宮廷画家としての役割を存分に発揮した作品です。

『ラス・メニーナス』の独自の構図とリアリズム

『ラス・メニーナス』は、宮廷生活の一場面を描きつつも、ただの肖像画ではありません。画面中央にはスペイン王女マリア・テレサが立ち、その周囲に侍女や犬、宮廷画家のベラスケスが描かれています。この一見平凡な家族風景の構図には、実は重要な仕掛けが隠されています。

この作品は、光の使い方が巧みで、まるで絵の中の人物が息づいているかのように見えます。ベラスケスは光と影を駆使し、人物や背景に立体感を与えることで、鑑賞者がまるでその場にいるかのような錯覚を生み出しています。また、鏡に反射した王と王妃の姿を描くことで、鑑賞者の位置を考慮した構図を実現し、絵の外にいる私たちがまるで王宮に招かれたような気持ちにさせてくれます。


現実と絵画の境界を曖昧にする革新性

『ラス・メニーナス』は、ベラスケス自身が絵の中に描かれていることで、作品の観点が複数あるという点が斬新です。通常、宮廷画家は描かれる側ではなく、描く側に存在しますが、この作品では自らを含めて描くことで、観る者との対話が生まれています。さらに、鏡に映る王と王妃の姿が鑑賞者の視線を通じて、現実と絵画の区別を曖昧にしています。これにより、鑑賞者は絵画の中に自分自身が存在しているかのように感じ、現実と幻想の境界を揺るがされるのです。


同時代の作品との比較

『ラス・メニーナス』が制作された1656年は、ヨーロッパ絵画の黄金期でもありました。たとえば、レンブラントの「縫い目のある少女」やヤン・ステーンの「田舎の婚礼」などが同時期に描かれましたが、いずれも写実的な表現と対象人物の個性を強調しています。しかし、ベラスケスの作品は、それらの作品が内包する日常や人物の写実性を超え、画家の視点や絵の中にいる自分自身を問いかける革新性が加わっています。これが『ラス・メニーナス』の独自性であり、現在まで高い評価を受け続ける理由です。


見る者を引き込む視覚的トリックとその効果

『ラス・メニーナス』は、視覚的なトリックを用いて鑑賞者を絵の中に引き込む工夫が凝らされています。ベラスケスは、絵の中で自らを描き、鏡を使った反射を用いることで、観客の視線を誘導しています。このような構図を通じて、観る者は作品の中に入り込み、まるでスペイン王室の一員であるかのような感覚を抱くのです。この効果は、画家が視線の動きを予測して構成を工夫した結果であり、後世の画家にも影響を与えました。


未来に受け継がれる『ラス・メニーナス』の影響力

『ラス・メニーナス』は、ベラスケスが一流の宮廷画家としての地位を確立し、彼のリアリズムと構成の革新性を示した作品です。この作品の技法と表現力は、後のヨーロッパ美術にも多大な影響を与え、特に印象派画家やルーベンスにまでその影響が広がりました


アクセス

もしこの作品を実際に見てみたい方は、スペイン・マドリードのプラド美術館を訪れることをお勧めします。プラド美術館では、ベラスケスの他の作品も一緒に展示されており、スペイン黄金時代の美術を一堂に見ることができます。

プラド美術館(Museo del Prado)
住所
: Calle de Ruiz de Alarcón, 23, 28014 Madrid, スペイン
電話番号: +34 913 30 28 00
最寄駅: アトーチャ駅

『ラス・メニーナス』は単なる宮廷の肖像画を超え、17世紀スペインの芸術の頂点といえる作品です。あなたもその場で、現実と幻想が交錯する瞬間をぜひ体験してみてください。


* 合わせて読みたい関連ブログ *

とても参考になりました。ご本人様のwebサイトも深い内容盛りだくさんで、教養が深まります!


* 引用

イノベーション創出を実現する「アート思考」の技術

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

アート思考 ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法


= あとがき =

noteをご覧いただきありがとうございます。

会社員の傍ら、上海で塗り絵本作家になりました、KENTA AOKIと申します。日本・中国を拠点に、個展をしたり、アジアやアフリカの子供たちと塗り絵イベントを行ったり、塗り絵本を出版したり、そういった作家活動を行っております。

作家活動を進める中で、美大卒でもない、若輩者の私は、“ アート ”に関して日々色々なことを学び、そのうえでアート作品を創るようにしております。というのも、“ 美大卒でもない ”というのが結構コンプレックスなんです。

ただ、そんなことを続けていく中で分かってきたのは、

「 アートを学ぶ方法って色々あって、美大の知識は勉強したらつけられるかも!? 」
「 アートって実は科学的かつ論理的で、むしろ理系向きかも!? 」
「 アートを届けるには、ビジネスの知識も必要なんだな 」

でした。

学べば学ぶほど、アーティストだけが“ アート ”を学ぶ・理解するのは非常にもったいないなと思ったのと同時に、もっともっと“ アート思考 ”を応用すると、おもしろいものやサービスが生まれるんじゃないかと思いました。

日々本を読み、実戦しながら、学んでいる僕がこれらを伝えていくことで、よりリアリティを持って、学びが共有できたら嬉しく思います。僕と同じ境遇にある方々に届き、共感頂けたら更に嬉しいです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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KENTA AOKI @ 会社員 × 塗り絵本作家 × ビール愛好家
頂戴いたしましたサポートは、インドネシアやタイの子供たちに塗り絵本を送るための活動資金に活用させていただきたいと思っております。 何卒よろしくお願い申し上げます。