映画『マリッジ・ストーリー』レビュー
※映画ネタバレを含みます
こんにちは、髪の毛のダメージが限界を迎えつつあるので昨日薬局で1500円のトリートメントを買いました。
映画レビュー50本チャレンジ3本目は2019年公開のNetflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』です。
Netflixは既成の映画のラインナップもさることながら、オリジナル制作の映画やドラマも良くできたものが多いように感じます。普段『家族』『夫婦』みたいな映画はあまり観ないのですが、鑑賞後観て良かったと強く思っています。
内容
以下ネタバレです
女優のニコールと舞台監督のチャーリーは、仕事を通じて知り合い結婚に至りました。結婚当初二人はニューヨークに住んでいましたが、ニコールの撮影をきっかけにニコールの実家があるLAに息子のヘンリーを連れて一家で引っ越します。撮影を終えた後もしばらくLAに残り、できることならそのまま移住したいと考えるニコールとは対照的に、チャーリーはニューヨークで自分の劇団を引っ張っていきたいと考えており、二人の意見は割れます。それを境に二人は仕事でも日常生活でも衝突が増え、ヘンリーのことを考慮し家庭内別居をしていましたが最終的には離婚することになりました。
映画の冒頭のチャーリーとニコールが互いの良いところを挙げるシーンは、離婚調停の前にお互いの長所を言い合うことを弁護士に進められ二人が紙に書き起こしたものです。しかしニコールは『よく書けていないから』と本人に向かって読むことを拒否します。
当初は二人だけの話し合いで離婚する方向だったのですが、話し合いだけでは解決することができなかったために、ニコールが先に弁護士を雇い、チャーリーに対して弁護士を立てないと親権を全てもらうという内容の通告をします。慌てたチャーリーが探し出した弁護士は、チャーリーに対し、『子供をめぐる離婚ほど大変なものはない、死人のいない死だ』と伝えた上で、自分は勝つために事実をでっち上げるようなことはせず真実のみで戦うこと、あくまで子供のための調停であるので勝ち負けにこだわってはいけないと言います。
そうして二人とそれぞれの弁護士の4人で話し合いが始められるのですが、ニコールの弁護士がやり手であったため、真実ありきの戦法の弁護士とチャーリーは不利な立場におかれてしまいます。弁護士にLAへ移住すれば不利な立場が軽減されると助言されるチャーリーですが、絶対に移住はしたくないため弁護士を変えて家庭裁判所での話し合いに持ち込みます。新しいチャールズの弁護士は前任の弁護士とは正反対の、勝つためなら事実をでっち上げてしまう弁護士であったため、不利な立場は脱したように見えましたがニコールをひどく傷つけます。
その後ニコールがもう一度2人で話し合うためにチャーリーのアパートをたづねます。最初はお互い冷静でしたが結局大声で怒鳴りあい、解決には至りませんでした。
最終的にはチャーリーがLAへの移住を決め、親権もほぼ等しく分け合うことで離婚が成立し、2人は一定の距離を取りながら分担してヘンリーを育て始めるところで映画は終わります。
喧嘩のシーン、全体の感想
2人が大声で怒鳴りあうシーンは本当の喧嘩を観ているようで胸が痛みました。
最初2人はなぜすれ違いが生じてしまったのかについて冷静に話し合っていたのですが、お互い徐々に苛立ち始め、最後にはお互いの人格否定までしてしまいます。
チャーリー『意見もないくせに声をあげたがる、文句を言いたいだけ』
ニコール『勝手すぎて出世できないと周りがいうのを庇ってきたのが間違いだった』
と互いを傷つけあい、チャーリーはついに『毎朝君なんか死ねばいいと思う。』といってしまいます。しかしその直後、泣き崩れてしまいます。
泣きながらチャーリーは『ごめん』と謝り、ニコールはチャーリーを抱きしめます。
様々な場面ですれ違いが増え、多少はお互いを憎むようになっても、それがその人に対する感情の100%を占めることってあまりないですよね。少し前まで愛し合っていて、生涯一緒にいるものだと思っていた人に傷つけられまた自分も傷つけてしまった2人の心の葛藤が見える良いシーンだったと思います。
これは結婚のみにとどまらず恋愛のあれこれについてあまねく通用する話なのですが、一時期好きでたまらなかった相手を心のそこから嫌いになることなんてまず無いですよね、よっぽどのことがない限り。まだ完全に嫌いじゃないけどこのまま一緒にいてもお互い辛いだけだしけど子供には寂しい思いをさせたくないし、、という何重もの次元の中で自分たちのことを考えていかなければならなかった2人の揺れる心情が台詞や表情から伝わってきて、とてもリアルでした。
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