見出し画像

映画『あの頃、君を追いかけた』レビュー

去年の夏台湾に旅行に行きました。観光地として有名な台北から最南端の垦丁まで一週間かけて周り、生まれて初めてバイクを運転しました。北側の人は日本語を話せる方が比較的多かったのですが、南に行くに連れて方言が強くなり、聞き取るのが難しかったです。とても良いところだったのでぜひまた行きたい。

2本目の映画は台湾の映画『あの頃、君を追いかけた』の日本リメイク版です。

主演は山田裕貴、ヒロインは齋藤飛鳥です。

画像2

中国語の授業で台湾のオリジナル版も見ていたので、結末を知っていた状態での鑑賞でしたがしっかり切なかった。齋藤飛鳥可愛いなあ、、、

内容

以下ネタバレです

冒頭では主人公である水島浩介が結婚式に行く支度をしています。友人たちに早くするように急かされて、こうすけが部屋を後にすると同時に高校時代の回想シーンへと移ります。

高校生時代、真面目とは正反対の生徒であった浩介は、成績を上げるためにクラスの秀才である早瀬真愛の前の席へ移動させられます。初めはギクシャクしていた2人ですが、真愛が教科書を忘れてしまった時に浩介が自分のものを貸してあげたり、浩介の受験科目である数学の勉強のために真愛がオリジナルの問題を作って上げたりするなどして、2人はだんだんと一緒にいることが多くなります。

2人は付き合うことなく高校を卒業し、東京の大学に進学することになった真愛と地元の大学に進学することになった浩介は離れて暮らすことになります。浩介は真愛が地元を離れる日に『you are the apple of my eye』と書かれた手紙を、意味は後で調べてくれと言って渡します。you are the apple of my eye とは、かけがえのないものや人に対して使われる言葉で、要は『目に入れても痛くないぐらい大好き』という意味です。

真愛はその意味を理解した上で上京後の夏休み帰省し浩介と2人で出かけたりします。浩介は真愛が自分のことをどう思っているのか気になりつつ、それを知るのが怖いため真愛に気持ちを聞くことができませんでした。ちなみにこのシーンのロケ地は台湾の新北です。

その後2人はすれ違ってしまい、連絡を取ることがなくなってしまいます。

数年後に浩介の携帯に真愛からの着信が入ります。まだ真愛に対して気持ちが残っている浩介は嬉しそうに電話に出るのですが、それは真愛が結婚するという知らせでした。回想はここで終わります。

友人たちと一緒に結婚式に参加した浩介は、真愛のウエディングドレス姿を見て『もしそれが好きでたまらない人なら、愛され大切にされるのを心から祝福できる』と真愛の結婚を喜びます。しかし最後に友人たちと新郎新婦で写真を撮る際に1人の友人が新郎に『新婦にキスしてもいいか』と聞き、新郎が『新婦がいいと言ったら良い、またどのようにキスするのか知りたいので新婦にキスする前に自分にキスしろ』と返したのを聞くと、浩介は新郎をテーブルに押し倒し長いキスをします。そんな姿を見て真愛は思わず笑ってしまうのでした。


台湾版オリジナルとの比較、感じた違和感

日本でのリメイク版を見るに当たって心配したのは、オリジナル版で描かれていた浩介の突っ走りすぎてしまう男の子らしさが日本版で失われてしまうことでした。オリジナル版での浩介(もちろん名前は浩介ではないです)は、家の中で全裸は当たり前、全裸でベランダに出て近所のおじさんを怒鳴りつけるシーンもありました。格闘技が好きで走り込みなどの鍛錬(笑)もしています。大学の友達とポルノをみるシーンもあったような気がします。日本の恋愛映画にはあまりいないキャラですよね。リメイクに当たってそういった部分が削られてしまうのではないかと心配していたのですが、リメイク版でもしっかり家で全裸でしたし、格闘技もやってて安心しました。おじさんを怒鳴りつけたりポルノをみるシーンは流石にカットされてました。

浩介を始め全体として登場人物やストーリーがオリジナルに忠実で個人的には嬉しかったです。

一方オリジナルに忠実であったために違和感を感じる部分もありました。まず高校を卒業した後に大学受験という順番です。台湾ではそうなのですが、リメイク版は『東京の大学』と日本の都市名を使うなど舞台がしっかり日本なので、その順番ちょっと変じゃない?と感じました。また地元が長野県という設定だったのですが、浩介と真愛のデート場所が台湾というのも引っかかりました。台湾に旅行に行った人が必ずと行っていいほどやる願い事書いて飛ばすやつあるじゃないですか。リメイク版でもそれ飛ばしてたので台湾丸出しだったんですよ。

↓これは去年台湾で飛ばした点燈。台湾って感じがしますよね

画像2

オリジナル版では都会の大学から帰省した真愛と浩介が出掛けるシーンなので、デートのシーンも長野か長野近辺で撮った方が良かったのではないかと思いました。長野に帰省後台湾に二人で行ったの?となってしまいますし。この願い事を書くランタンのシーンは、真愛が浩介への気持ちをランタンに書く(が浩介には見せない)というシーンでもあるのですが、神社の絵馬とか短冊とか、ほかにも気持ちを書くというシーンを日本的に表現する術はあったような気がします。絵馬も短冊も飛ばせないのですが。

だがしかし違和感はあれど素敵な映画でした。原作の小説が作者の自伝小説と知って驚き、どこまでが実体験なんでしょうね。みなさんもぜひ見て見てくださいー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?