5/2 この前むしった草たち

草取りでもするか

事務所の広縁の向こう、きのこ小屋との間にある小さな庭で伸びたタンポポがいつの間にか綿毛となってたなびき始めたのを見て席を立った。

汚したくない青いシャツを脱いでTシャツになり、軍手をして外に出る。ハコベやカタバミなどの小さい草は抜いたらプラスチック製の鉢に放り込み、タンポポやセイタカアワダチソウなどの大きいものは抜いたら脇に積み上げていく。日向の乾いた土とは裏腹にタンポポなどの根元は驚くほど湿っている。横に広がるように幾重にもなった茎と葉が日射から土を守り、水分量を確保し、ダンゴムシやナメクジ、アリの住処となっていた。
草を取るのは彼らの生息域を破壊するようなもの…ごめんねと思いながらむしっていった。驚いて丸くなるもの、慌てて逃げ出すもの、右往左往しているもの…どうか他所に移って逞しく生きてください。

タンポポは根が太く、かなり深くまで張っているようで、抜こうとしても根元で千切れてしまう。それでも地道に取っていかないとどんどん増えてしまうので仕方ない。根を浅く横に張っていく草は抜きやすいのだが、表面の土やコケも一緒にごそっと取れてしまう。コケは元の場所に戻す。
少し触れるだけでもびゃっと種が弾け飛ぶ草があり、顔に当たって痛かった。後で調べるとどうやらタネツケバナという名前らしい。雑草の生命力はすごい。

大きく育っていた草は粗方取り終わり、かなりさっぱりとした雰囲気に戻った。手入れをしていると場所の印象も変わる。どこかに出かけても手入れが行き届いた所というのはなんとなく良いなと感じるものだ。そもそも手入れというは継続的なものである。それがずっと続けられていると気づくとその背景にいる者の努力と技術に頭の内側を打たれたような凄みを感じる。

質より頻度、と心に留めてこつこつ無理せずやるのも大事。

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