野物

設計事務所に勤める27歳

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10/19 自祝

 24歳になった。今年の誕生日は、自分で自分を甘やかす日にした。  前日寝る前から、明日は最近一目惚れした喫茶店に行くと決めていた。それが決まってしまえば、朝からちょっと頑張れる。本を読み、大学に行き、1:60の木組模型の木拾いをしたヒノキ角材の本数をスプレッドシートに入力する。部分的に着色して見やすくし、関数を打ち込んで数値を整理した。  午後からは講義だった。都市空間デザイン学の講義では『エコロジカル デモクラシー』を輪読している。グループで分担した複数の章の内容につい

    • 5/2 この前むしった草たち

      草取りでもするか 事務所の広縁の向こう、きのこ小屋との間にある小さな庭で伸びたタンポポがいつの間にか綿毛となってたなびき始めたのを見て席を立った。 汚したくない青いシャツを脱いでTシャツになり、軍手をして外に出る。ハコベやカタバミなどの小さい草は抜いたらプラスチック製の鉢に放り込み、タンポポやセイタカアワダチソウなどの大きいものは抜いたら脇に積み上げていく。日向の乾いた土とは裏腹にタンポポなどの根元は驚くほど湿っている。横に広がるように幾重にもなった茎と葉が日射から土を守

      • 4/4 求積図とレックウザを描いた

        みんな体調を崩していて心配だと書いた側から自分も体調を崩しかけている… 熱はないが喉の痛みと鼻水がひどい。 進行中の住宅の敷地と延べ面積、建築面積の求積図を作成した。値は小数点第3位を切り捨てするのが原則らしい。これは午前中でさくっと終わったから良かった。また別の住宅の図面をちまちまと修正する作業…これがかなり心身ともに辛い。早い段階で書き込みすぎると後から修正するのが大変だと身に沁みている。数十枚ある図面を整合性を取りながら作成するのってめちゃくちゃ大変だ。 社長の長男くん

        • 4/2 子供は忘れてしまうこと

          職場では4月初日からインフルエンザB型が猛威を奮っている。 土曜に社長たち家族と仲の良い工務店家族、社員でボウリングに行ったのだが、そこでウイルスを貰ってきたようだった(と思ったのだが熱が出始めたのは次の日の日曜だったので症状が出るのが早すぎる気がする)。同僚も少し前から喉の痛みがあり、日曜に発熱があったと聞いた。僕以外はみんな体調を崩しており心配です… 僕が勤めている事務所の隣が社長の自邸なので、子供たちが児童館から帰ってくるとすぐ事務所に遊びにくる。今日も勤務中何度もき

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        10/19 自祝

          3/30 選択の強要

          最近のSNSの広告、本当に気分が悪くなるものばかりだ… 得体の知れない医薬部外品、センスのかけらもない安さだけが売りの通販サイト、自分さえよければ良いという価値観ばかり押し付けてくる賃貸住みこなし術… それらを視界から消すためにこちらが有料プランに加入しなければならなかったり、SNSをやめようかなと思い、最悪の場合大好きな方たちとの関係性を切ることにもなりかねない そんな選択をなぜ自分がしなければならないのかとただただ腹立たしい… こんなことを吐き出す場所がnoteの日記なの

          3/30 選択の強要

          3/20 寝る前のプラン

          寝ようと思い、電気を消してベッドに横になると、良い住宅のプランがぽっと浮かんだ。今ここで寝たら忘れてしまうと思い、起き上がってノートにスケッチしたのだが、書き出すとうまく収まらず結局あれやこれやと悩んで気づくと2時間も経っていた… 明日は早起きしようと思っていたのに、いつも通り寝る時間が遅くなってしまう… 今日は朝から濃い霧に包まれており、昼間は晴れていたが夕方から雪が降り始め、夜になると風が強まって吹雪になっていた。3月に入ってからの方が雪の日が多い気がする… 今も強風で

          3/20 寝る前のプラン

          3/14 修士制作について

           持続可能な循環型社会への関心が国際的に高まる中、近年注目されているのが「土」である。土は植物、ヒト、あらゆる生命に結びつき、地球環境や生態系の回復に大きく寄与している。衣食住に関わるあらゆる産業の在り方を循環型へ転換する活動が「土」の再生を軸として世界中で始まっている。  長野県内に目を向けると、中山間地域を中心に人口が減少し、耕作放棄地の増加が問題となっている。しかし使われず肥沃なままの土が豊富に余った状態であるとも捉えられ、土の再生を軸とした循環型社会のモデル構築に最

          3/14 修士制作について

          3/13 書き出すと書きたいことが分かる

          所属していた研究室が毎年発行しているプロジェクトブックに修士制作の掲載をしてもらうため、研究の振り返りをしつつ原稿を書いていたのだが(先ほどデータのアップロードを完了した)、思っていたより苦しかったのだなということが分かった。その時何を考えていたのかとか、書き出してみないことには分からないことが多すぎる。書き出すことで自分が何を言いたかったのか気づけて良かった。

          3/13 書き出すと書きたいことが分かる

          3/11 平日B

          午前中に建具表をなんとか作り終わり、仕上表と設計概要図、求積表の作成へと移っていく。 図面に正確性は必要だと思って頑張っているのだが、社長に相談するたびそこまで作り込まなくて良い、時間がかかるからとよく言われる。やはり自分の作業スピードはあまり早くないのだろうなとこの日記を書きながら若干落ち込んでいる。 夕方過ぎに事務所2階の小屋裏に載っている古材を下すことになり、汚れるだろうと思って一度家に帰って汚れても良い服に着替えてきた。案の定ものすごい埃の量で軍手をしていたのに手が真

          3/11 平日B

          3/4 勘違いかも

          今日の職場飲み会で上司と同僚とまた少し仲良くなれた気がして良かった 今週の出勤は残り3日、がんばるぞ〜

          3/4 勘違いかも

          3/1 左顔

          又吉直樹作詞、佐藤千亜妃作曲で小説「人間」のテーマ曲を作るという企画をYouTubeで視聴した。 文章を読んで、心臓の柔らかいところを見れた気がしたという言葉が印象的だった。 佐藤さんもそこまで話していいのかと思うほど作詞手法を語っており、佐藤さんの目に留まった情景を描写することが曲にリアリティを生む補助線になっていることが分かり、とても面白かった。 自分の内面を雰囲気のある難解な言葉で書き続ける詩よりも、想像力を働かせる情景のほうが好感が持てると改めて思った。 その他印象

          2/29 句点のない冬

          ここしばらくの生活は句読点を打たず改行もせず書き続けていく文章のような気がしていて、それを利き手とは逆の手で書き続けているからうまく書けなくて苦しいし、でもときどききれいに真っ直ぐ書くことができて嬉しいこともある。 少しでもオールを握る手を緩めたらすぐに渦に飲まれそうなぎりぎりの波際をボートで漕いでいるといった方がしっくりくるだろうか。ずっと揺れているから不安なのだ。 その不安を見て見ぬふりして、時間の流れるままに仕事をして、ごはんを食べて、シャワーを浴びて、寝ている。 長い

          2/29 句点のない冬

          2/28 日記の書き方?

          昨日のこと。 いつもなら聞こえてくる、タイヤが路面の氷雪を踏み締める音がかき消されるほどの強風でアルミサッシがガタガタと揺れている。いつもより白く明るく感じる外の様子を確認するためカーテンを開けると、横なぐりの激しい吹雪で山が全く見えなくなっていた。こんな天候でも出勤しなければならないのか…今日は無理せず休んでもよいという上司からの連絡を少し期待したが、こんな天気でも出勤したらかなり偉いのではないかとなぜかやる気が出た。 家の前の通りをいつも通り走っていく車を見て、吹雪の中で

          2/28 日記の書き方?

          2/9 卵焼きと旅の支度

          久しぶりに卵焼きを作って弁当に詰めた。実家では甘みの少ない、少し塩っぱい卵焼きが出てくるが、実は僕は甘い卵焼きのほうが好きだ。卵を2つ割り、砂糖を小匙大盛り2杯、醤油を適量加えてかき混ぜる。卵焼き専用のフライパンを火にかけて温め、サラダ油を垂らして伸ばす。といた卵を3回に分けて流し入れ、まだ固まり切っていない状態でくるくる巻く。そうするとふるふるの卵焼きになる(気がする)。 卵焼き器は社会人になり一人暮らしを始めてから近場のスーパー併設のホームセンターで購入した。柄が木製でや

          2/9 卵焼きと旅の支度

          2/8 雪解け、家具の検討

          屋根の上の雪が解け、軒先から垂れ下がった氷柱たちの先からボタボタと水が落ちていた。氷柱を注視すると、中に細かな気泡の列が見えた。スパークリングワインのグラスの底から立ち上る小さな気泡たちとよく似ている。雫が落ちて積もった雪に穴ができていくのも見ていて面白い。飛び散った水滴によってコンクリートや板の上に斑点模様ができていて、アートの手法としてありそうだなと思った(自然現象の平面化として)。 そういえば、雪が解けて地面のコケが露わになったところに石がいくつか落ちているのだが、その

          2/8 雪解け、家具の検討

          2/7 微かな痛み

          今日もコツコツと家具の検討と図面作業… 体調を崩しがちだったこともあり進捗が芳しくない今週…少し憂鬱だ。 上司は別のプロジェクトの打ち合わせなどで席を外していることも多く、思うように連携が取れないのが少し気になっている。僕に任せる、やってごらんとよく言われ、自分の中である程度納得がいくまでやらせてもらえているのはとてもありがたい。でも、ときどき覗いてきてこれはやめたほうがいいな、とかこうしようとか言ってくる。 家具案の一つをモデリングして(慣れてはきたがまだ結構時間がかかる

          2/7 微かな痛み