1択がある戦略ゲームは楽しい気がする
1択があるゲームは楽しい
例えば麻雀で、ほぼ1択の選択肢をずっとしているだけの時間。
例えばカードゲームで残ったマナで殴るだけの時間。
最善手が直感的にほぼ決まっていて、その作業を行うだけの時間がある戦略ゲームは、面白い気がします。
ローグライクカードゲームにおいて、原点にして頂点とされる"Slay the Spire"と言うゲームをご存じでしょうか。このゲームは、「カードゲームxローグライク」という何ともニッチなジャンルのゲームですが、そのあまりのゲーム性の高さから全世界で流行り続けているゲームです。
さて、このゲームは「カードゲームxローグライク」のジャンルの開祖ですが、それ故に、当然フォロー作品もいっぱいあります。俗に「StSライク」と言われるゲームです。私も何個か所有しているのですが、なんだかんだで一番楽しく遊んでいるのは、結局のところ、Slay the Spireな気がします。
何故なのでしょう。
ビジュアル?正直、どれも大差ありません。悪い意味ではなく、どれもクオリティは高く、方向性が違うだけだ、と言う意味で。
ゲーム性?確かに違います。"Vault of the Void"はその選択肢の多さから、StSよりも難しいのではないかと話題になったゲームです。しかし、やっぱりSlay the Spireの方がやりたくなっちゃいます。
ゲームスピード?これが違うのでは。Slay the Spireは「カードゲームxローグライク」の中でも体感のゲームスピードが非常に速いです。
1択はゲームスピードを上げることがある
矛盾するようですが、Slay the Spireは、傍から見たらお世辞にもゲームスピードが速いとはいえません。最高難易度は、1プレイ1時間超えを想定しています。だから、このゲームスピードと言うのは、あくまで体感、主観の話です。
よく、ゲームをプレイしすぎて「時間が溶けた」という経験は無いでしょうか。それがここでいうゲームスピードです。ゲームスピードが速いほど、現実時間がどんどん短く感じます。ゲームスピードが遅いほど、現実時間がどんどん長く感じます。短い時間で多く進むのではなく、体感時間が短くなるから結局多く進んでいる、と言う意味でのゲームスピードの速さです。
Slay the Spireで私がゲームスピードを速く感じるのは、この1択がうまく盛り込まれているからだと思います。
1択は、1択なので、すぐに決断が終わります。あとは演出を眺めるだけ。演出が十分早ければ、サクサク進んでいる感が出ます。
それゆえ、1択が多いほど、ゲームはテンポよくサクサク進みます。高度な戦略ゲーになればなるほど、1回1回の選択に時間がかかり、テンポ悪く重厚になっていくのは経験的にも理解できるでしょう。
他にも、以下のようなメリットがあると思っています。
1択は自己肯定感
1択で間違えることは、ほとんどありません。1択はいわば自己肯定感です。1択を出来た自分を、ゲームは誉めてくれます。
1択が無さ過ぎると、選択が多すぎて、ゲーム理解度に疑問を感じてしまいます。自己肯定感が下がります。
1択で「やってる感」がでる
1択はゲームをプレイしている感を出せます。
脳のリソースを割かない
1択は何も考えないから1択なのです。脳のリソースを温存できるため、ここぞという分岐ポイントで集中することができます。
トータルのゲームにメリハリが出る
全部1択 or 全部分岐みたいなゲームはメリハリがありません。ずっと同じような体験をしているように感じてしまいます。適度に1択があることで、時間軸に差が生じ、ゲーム体験にキレが出るのではないかと予想します。
リアルタイムだと話は別
1択でゲームスピードが下がるケースもあります。
今までの話は、全てターン制などの戦略ゲームにフォーカスしてきました。しかし、FPSやアクション系のリアルタイムのゲームにおいては、1択をわざわざ導入するメリットはあまりないように感じます。
というのも、リアルタイム性のゲームは、そもそも1つ1つの行動を択として厳密に分けることが出来ないからです。また、そもそも択を実行するための技量が求められることが多いため、そもそも同列にして話せる内容でもありません。単純に、「1択」として直感的に判断できる部分が少ない感じがします。