新しい人

 大江健三郎の『新しい人よ眼ざめよ』を、『自選短篇』からの抜粋という形で、読んだ。
 新しい人、とは、単純に新しい世代の人、ということではない、らしい。
 それは、最後の章で、息子のイーヨーと、おそらく対立するであろう若者の群と対比して語られることからわかる。
 だが、それでも、おそらく、その新しい世代の人々に、これからを賭けるしか、われわれに出来ることはないのだろう。
 あとは、死ぬまでのわずかな時間で、自分が出来ることをするだけである。

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