【日記】五大文芸誌を読む
このままではいかんと思い、最新の小説の状況について知るため、五大文芸誌「文藝」「群像」「文學界」「新潮」「すばる」の、借りられる最新刊を図書館で借り、読める小説を片っ端から読んでいる。
僕は受け付けない小説があまりに多いので、読み始めた最初の五、六作は諦めてしまった。
藤野可織と、小山田浩子の文章は、読むことが出来た。いや、今こういう文章を読むことが出来るのかと、息を吹き返したような思いである。
小山田浩子は、確かデビュー作である「工場」だか「穴」だかを、期待しながら読んだ覚えがある。しかし、読み終えてそれは、読み続ける作家として頭の中に登録されたりはせず、読んだ経験としてそのまま置かれただけだった。
藤野可織に至っては、今まで苦手な作家としてしか記憶になかった。それがどう変化したものか、……自分が変化したのか、相手が変化したのか、わからない。とにかく、一度受けた印象を、固定的に考えるべきではないなと思い返した。
まだ五大文芸誌の一冊の途中しか読んでいない。読む前から、最近の小説はダメだとか、終わったとか、言うべきではないなとも思った、批評家がそう言うのは、いろんな意味で、言葉通り受け取るものではない。センセーショナルな言葉としても言うだろうし、部分的な批判の場合もあるし、鼓舞する意味合いでいう場合もあるだろう。