【好きな10曲】90年代のクラブで聴いてアガったなあという曲編
基本的にゲーム音楽とアニソンを聴き続けている生涯ですが、20代を過ごした1990年代は、それらと並行して都内のクラブでかかる音楽も好んで聴いていました。ジャンルやアーティストのことはわからないけど、よく耳にするうちに普通に気に入るものもあって、視野は広がらなかったけど感性がおおいに刺激を受けました。
今回は、当時通っていたクラブ(青山のMiXという、いまはもうないお店)で知って好きになった、気持ちがウキウキしてくる10曲。
■Inner Circle - Games People Play
これは好きというより刷り込み。クラブに行き始めた1993年くらいにレゲエブームがあって、とりあえずこれか「Sweat (A La La La La Long)」がかかっていればフロアが大盛り上がりするさまをいきなり見せつけられました。
曲調がポップで能天気だし歌詞のほとんどが「ナ」だしで、わかりやすくハッピーです。両手をパーにして挙げて左右に振りたくなる解放感はこの曲が本来持つ力なのか、時代のムードだったのか。
■Apache Indian - Boom Shack-A-Lak
当時のレゲエの盛り上がりは“”非欧米圏(主に南国)”という意味でのワールドミュージックのブームの一環であり、オールジャンルのクラブにいればその周辺のジャンルの曲を労せず聴くことができました。その中で抜群にカッコイイと思ったのが、バングラビートをスタイリッシュに表現していたこの曲です。
レゲエともハウスとも違うベタッとしたリズムに、倍音が出ていそうなボーカルが気持ちよくハマっています。低すぎず高すぎない一定のテンションでずっと続く感じが、クールだなと。
■ Jamiroquai - Space Cowboy (Classic Radio mix)
原曲のフニャフニャムードも捨てがたいのですが、ダンス用にシュッとアレンジされたこっちの方がコズミック感ありました。当時通っていたクラブでは盛り上がりの頂点(グリーンデイやオフスプリングの曲でフロアがぐちゃぐちゃになるやつ)を過ぎてまだしばらくいい感じ…というタイミングでかかっていた印象。
宣言通り、当時にしてもちょい古めのミックス。ピアノが主張するハウスのクールさを持ちつつ、Bメロからサビにかけてニューッと入ってくるフレーズが華になっています。
■CJ Lewis - R To The A
ゴリゴリのレゲエ、ヒップホップ、ラップとも異なるオシャレさんな黒人アーティストの中で気に入った、人と曲。まったく不適切な表現ですが「精液がめちゃめちゃ濃そうな声と歌唱法」に男気を感じていたんだと思います。
ゆったりめのテンポで一本調子なダンスチューン。たまにストリングスが入ってスケール感がアップするのが、いい感じ。
■Peter Tosh - Stepping Razor
クラブに行き始めた頃は「酔っぱらって踊る時にサイコー」くらいにしか思っていなかったレゲエですが、DJと話したり自分で本を読んで調べたりしていくうちに、それぞれの歌詞や曲の背景には結構重いものも混じっていることを知りました(そんな中でもリー・ペリーは「別次元だな」とわかりました)。この曲の歌詞が「俺は”切れたナイフ”だぞ」と言いふらしているような内容とわかった時は、ちょっと引きました。
歌詞の主張の強さを知った上でも、ひたすら攻撃的なリズムパートのカッコ良さにシビれます。ピーター・トッシュのギラギラした歌声も魅力で、曲終盤のラッシュ(?)も個人的にはブチ上がりでした。
■Earth, Wind & Fire - September
リアルタイムではないけれど1970年代からの定番ディスコソング(『スペースインベーダー』とほぼ同期)ということで、オールジャンルのイベントでよくかかっていました。
イントロから歌い出しまでの流れのワクワク感、サビの突き抜けたハッピーぶりは、いつ聴いてもよいものです。にしてもオフィシャルMVがサイケ過ぎですね…。
■Marvin Gaye - What's Going On
これもよく聴いた定番ソング。営業時間の終わりが近づいた頃や、フロアで発生した喧嘩騒ぎが収まった時にかかっていました。さすがは反戦メッセージソング。自宅でも聴きたくなって「これはなんていう人の曲ですか」とDJに尋ねた時は(知らないのかよ……)みたいな空気が一瞬漂いましたが、マウントもとらずちゃんと教えてくれて、ありがたかったです。
ソウルR&Bの魅力は正直よくわからんのですが、この曲の圧倒的な優しさだけはしっかりと伝わります。たまたまですがリリース年と自身の青年が同じというのも、生体リズムとの親和性に影響があるのかもしれません。
■TOKYO No.1 SOUL SET - 黄昏 '95~太陽の季節~
当時よく行っていたクラブのレギュラーDJのひとりがTOKYO No.1 SOUL SET の川辺ヒロシ氏だったこともあってか、ここぞというキメのタイミング?でかかっていました。おそらくファンもいっぱい来ていたはずなので、大層盛り上がっていた記憶があります。
若干「What's Going On」に被っている出だしからの、クラブって楽しいねぇという素直な気分が伝わる穏やかな曲です。後年、90年代クラバーの後日談のような歌詞の「One Day」が、80~90年代のテレビゲーム懐古ドラマ「ノーコン・キッド」の主題歌で使われていて、死んでしまうかというほどのエモを味わいました。
■Daft Punk - One More Time
クラブは楽しいけど体力とか仕事とかいろいろなこととのバランスがとりにくくなってきたかな……という頃、「こういう風に盛り上がれるのはこれで最後かな」と思いながらフロアで踊っていた思い出。実際21世紀に入ってからは午前2時くらいから店内の隅っこでガッツリ寝るようになり、何をしに行っているのかわからなくなっていきました。
すごく楽しいパーティの最中なのになぜか寂しい。このひとときが終わってほしくないな…という切ない願いのようなものが当時の心境にオーバーラップし、気がついたらこの人生そのものへの印象にもなっていました。
■UA - 甘い運命
閉店の午前5時近く。酔いはほぼ抜け、あとは家に帰るのみ……という時にこれがかかると、まだ残っている知り合いの女の子とちょっと寄り添って踊れる、名残惜しさ満喫ソングでした……。
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