見出し画像

【好きな10曲】2000~2010年代エロゲー及びその周辺編

友人からSNS上で「好きな曲を紹介してくだけの投稿もいいじゃないか」と言われたので、いっちょやってみることにしました。カテゴリーを定めて10個ほど並べれば自分用の備忘録にもなるし、それが誰かにとって「これはいいじゃないか」という曲との出会いのきっかけになっていたとしたら、それはそれで幸いです。

今回は、1990年代中盤から2010年代中盤までエロゲー雑誌の記事制作に携わってきた経験を生かしたカテゴリーで。実際にプレイして好きな作品だからその楽曲を好きになる…というケースはさほどなく、あくまでも「ゲーム本編と切り離しても独自の世界ができているか」「それが自分自身の心象風景に繋がっているか」が、選曲の基準です。一見ラインナップに脈絡がなさそうでも、ばっちり人物プロファイリングできるものになっているかもしれません。

■涙の誓い / KOTOKO

『とらいあんぐるハート3 〜Sweet Songs Forever〜』(2000年・ivory)の主題歌。エロゲー情報誌「テックジャイアン」の付録CD-ROMに収録されていたので知りました。
【感想】「エロゲーの曲すごいやんけ!!」と初めて衝撃を受けた曲(同時期にすでに「鳥の詩」が流行っていましたが…)。さわやかな雰囲気にEDMのリズムがこんなに合うなんて! そしてサビ直前の「ダ・ダン」の心地よさで、完全に気持ちが持っていかれました。青空の下、泣きながら走りたい時にピッタリな曲。

■FLY TO THE TOP / MELL

『マーヴェリックマックス』 (2000年・BLUE GALE)のオープニングテーマ。「涙の誓い」と同じ経緯で知りました。
【感想】トランス寄りの曲調ですが、ストリングスが随所でいい味を出して、スケールのデカい曲になっています(ゲーム本編に釣り合っているかは未プレイなのでわかりませんが)。MELLのすごくがんばっているような感じのボーカルとのギャップもよいです。

■disintegration / Lia

I'veのコンピレーションCD『Disintegration』(2002年・ファクトリーレコーズ)収録曲。前述の2曲も収録されているI'veのインディーズCDを当時秋葉原のどこかで買った気がします。
【感想】焦燥感に満ちていて冷たいけどカッコイイ……という、私の脳内では鈴木あみの「all night long」と同系列のムードの曲。「all night long」の方はボーカルの安否が気になりますが(笑)、Liaのボーカルは、音楽世界の中で”救い”としての存在感をしっかり放っています。
ここまですべてI've高瀬一矢氏の曲。本当に当時衝撃的でした。

■アキバで抱きしめて / 大野まりな

『私立アキハバラ学園』(2003年・Frontwing)のオープニングテーマ。ゲーム本編は、シナリオ担当が故ヤマグチノボル氏(小説「ゼロの使い魔」の作者)ということでも一部界隈で名が通っています。
【感想】当時流行ったいわゆる”電波ソング”のひとつで、何ならおとなしめな方ですが、なぜか一番泣ける曲。単に「電車男」ブーム前の、本当に気持ち悪いお友達(失礼)の楽園だった頃の秋葉原への郷愁なのかもしれません。ラムタラ秋葉原店最上階にあったコスプレ喫茶に通っていた私自身の、恥ずかしさと気まずさとトキメキが一緒くたになったような世界観。

■砂の城 The Castle of Sand / 島宮えい子

『朱 -Aka-』(2003年・ねこねこソフト)の挿入歌。エロゲーが絶好調だった2000~2005年あたりを象徴する、豪華な作りのゲームでした。
【感想】このゲーム、ずっと砂漠を旅していたイメージですが、実際にはそんなことなかったです。なぜそう記憶違いしていたかといえば、この曲が「砂漠の旅って大変だな」「まだ着かないのかな」という辛めな旅路のムード(でも美少女と一緒)を存分に高めていたからにほかありません。この曲で島みやえい子のボーカルの魅力にやっと気づき、音源を買い揃えているうちに「ひぐらしがなく頃に」のアニメの主題歌で一躍脚光を浴び、ギリ古参ファンぶれました(自分の心の中で)。

■星空のワルツ / 栗林みな実

『君が望む永遠』(2001年・âge)のTVアニメ版(2003年)のエンディングテーマ。同作のヒロイン・涼宮遙の声優を担当した栗林みな実の作詞・作曲・歌唱曲です。
【感想】厳密にはアニソンですが、出自から”見なしエロゲー”としておきます。ゲーム本編でも痛感した「遙ちゃんかわいそう」という気持ちと、「それなのに俺(主人公)は……」という罪悪感を最大限に高めてくれる、残酷なまでにかわいらしい曲です。それとはまた別に”ゼロ年代以降のアニメのしっとりしたエンディングテーマ”の括りでもお気に入りです。

■スカラベの祈り / 島みやえい子

島みやえい子のメジャーデビューミニアルバム「ULYSSES」(2005年・ ジェネオンエンタテインメント)の収録曲。2001年リリースのインディーズミニアルバム「hologram」の収録曲をI'veの中沢伴行氏がアレンジしています。
【感想】いまもなお人生のオールタイムベスト上位曲。リインカネーション、ツインソウルといったスピスピなメッセージ性が、時空を超越する規模にまで壮大になったアレンジによって強められています。人は人生の各段階で覚醒していくものですが、この曲を聴いた時が、間違いなくその中のひとつだったと振り返られます。

■Call My Dears / ave;new feat.佐倉紗織

『ピリオド』(2007年・Littlewitch)のイメージソング。この曲を知ったのは、ニコニコ動画できしめん(True My Heart)が流行っていた頃にリリースされた佐倉紗織のアルバム「Lovable」ででした。
【感想】崩壊寸前のキラキラサウンドに頼りなさが魅力のボーカルが乗っかっている、繊細なバランスがクセになります。あとサビの歌詞「I wish
」の「あーい」の部分の発声が超かわいい。

■翼を持たない少女 / 霜月はるか

『翠の海−midori no umi−』(2011年・Cabbit)の主題歌。ゲーム本編は、スケールの小さい「約束のネバーランド」みたいな感じで面白かったです。
【感想】ゲームの初起動時、ミニマルでタナトスな世界に一気に引き込むイントロを聴いた時点で「もう好き!」ってなりました。その後もヴァイオリン、ピアノ、ギターが妖艶に絡みあう、不健康カッコいい曲に展開していきます。インストverも普通に聴ける超名曲のはずですが……。

■Perfect Sky / 霜月はるか

『この大空に、翼をひろげて』(2012年・PULLTOP)の主題歌。Nintendo Switch版が2019年にリリースされているので、知っている人も多いでしょう……どうだろう?
【感想】「飛行機を飛ばそう」って物語だけに、全編において飛翔感が強調されています。とくにサビで一気に視界が広がる感じが気持ちよく、それはどこか、『ツインビー』など青メインのさわやかな背景を飛んでいくシューティングゲームをプレイしている時の心境に通じるものがあります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?