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売り禁に買いなしは本当か検証してみた

「売り禁に買いなし」という格言をご存じでしょうか。
売り禁(=信用新規売りが規制されている状態)になるほど売り込まれているということは株価が実態に比べて上がりすぎていることが多く、売り禁になることで踏み上げ相場も終わってしまうので、買ってはいけないということらしいです。

同じような格言に「売り禁後の売り玉は金の玉」なんて言葉もあります。売り禁になりそうな銘柄を両建てで仕込み、売り禁になったら買い建てを外すなんて投資戦略も聞いたりします。

さて、今回は果たして売り禁の銘柄を本当に買ってはいけないのかをいつものように検証していきます。

1.検証概要

売り禁の銘柄を買い、売り禁が解除されたら売る、これだけです。

他には、売り禁発令後の翌日(つまり売り禁初日)に買い、翌日売りとかも検証していきます。

2.検証方法・条件

・株価4本値の過去データを使用し集計する。
・東証に上場する内国株(貸借銘柄)すべて(*1)
・日本証券金融での制度信用の新規売りに伴う貸株禁止を売り禁とする
・検証期間:2019年1月4日~2020年12月30日(*2)
・寄らずのストップ高(安)だった場合は買わない(売らない)。翌日売買する
・売り禁のデータは逆日歩速報さんより取得(*3)
・後場から売り禁の場合もその当日買うものとする(*4)
・手数料・諸経費・配当金・逆日歩は考慮せず
・Pythonでプログラミング

(*1)つまりETF/ETN/リート/外国株などは売り禁でも買いません。ちなみにETF/ETNは売り禁になりやすいです。
(*2)最終日まで売り禁だった場合、引けで売ることにします。
(*3)2019年7月12日は欠損値なので、その日はないものと扱います。
(*4)本当は後場から売り禁になる場合は買えたらいけないのですが、区別つけるのが簡単にはできなさそうなので今後の課題とします。

3.検証結果①

まずは純粋に売り禁中はずっとホールドし、売り禁解除されたら売る場合の損益を見ていきましょう。

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マイナスが多いように見えます。

数値データ

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なんと、平均損益はプラスです。+40%以上が貢献しているようです。
ただこれは純粋に売り禁は買いとは言えないです。
なぜなら売り禁の継続日数、言い換えれば保有日数が平均78日(営業日ベース)もあり、売り禁の効果とは言えないからです。
一番上がった銘柄は5337 ダントーホールディングスなんですが、この銘柄は集計期間中ずっと売り禁です。ほかにも上位の銘柄は保有日数が多くなっています。

損益率の上位の順に並べた表

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なので、売り禁になってから○○日で売るとどうなるかを検証したほうがよさそうです。

4.検証結果②

売り禁になったときに買い、○○日後に売りの結果を見ていきましょう

当日引けで売り

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1日後寄りで売り

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3日後寄りで売り

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5日後寄りで売り

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数値データ

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なんと、売り禁直後で買い戦略でも平均損益はプラスでした。
しかも日を追うごとに利益が増えていくという意外な結果に。
売り禁に買いなしという定説を覆す結果でした。

5.考察

売り禁になるような銘柄は株数も少なく、大暴騰したときの破壊力が大きく、結果勝利ということになったのかと思います。

空売りは勝率が高いのですが、1回の大暴騰で命取りになるということでしょう。

実際にやるなら売り禁になりそうな銘柄を買うのが一番いいと思いますが、それを見つけるのがなかなか難しいのかもしれません。

6.終わりに

売り禁は買いという結論でした。

売り禁だけでなく、貸借倍率とかでどうなるかもやってみると面白いかもしれません。普通は信用買い残りが良く思われませんが果たして信用買い残りの多い銘柄は買ってはいけないのかとかできたらやってみたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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