小豆沢家の一族(四)特別編――父
今まで私がポストしてきた、父に関するストーリィにコメントしていこうと思う。
昔のネタをひっぱりだしやがって、楽をしようとしているんだろう貴様! と見えるかもしれないが、それは違う。今までこんなことぼやいてきたんだなぁと、ノスタルジィにひたるための回顧録にしようとしているのだ。
しかしながら、それはまあ、どちらかといえば後者のほうが自分勝手だし、実際楽なので、いざ不平不満がきたとしても、何も言い返すことはいたしません。
父は大体のものを「うまいうまい」で済ましている。高級なものは「そりゃあ高いからうまい」だし、低級なものに対しても「お得感がうまみをひきたてる」といっぱしの口をきく。
しかし、このときはさすがにちょっとびっくりしたようだ。ただし、まずい、とは言わない。1Lパック一杯に作ってしまっているので、なかなか減らない。私や母はもちろんこの”ミルクティカフェオレ”は飲まないのだが、父だけがずっと飲んでいる。
「慣れるとうまい」
とのことだ。
男という生物はデリカシィがない。いや、あるのかもしれないけど、閾値が低い。誰が好き好んでブラジャの写真の上に乗ったパンを食べるというのか?! ……男子側から異論が出るかもしれないので、これ以上つっこんだ話をするのはよしておく。
父は他の家族と違い(兄はテンションが高いし、母はぴっしりしているし、私はしょっちゅうキレている)、大体いつものっぺりしたテンションで生きているのだが、時折仕手筋の株のように爆上がりすることがある。
この後、我々の無反応にもくじけず「六人目の嵐! その正体は定年間際のおっさん! ジャニオタのみなさんごめんなさい!」とはしゃいでいた。
父のハイテンションに初めて言及したのが、以下の旅行記。⑧と⑩に彼の勢い任せの行動とその顛末が記載されている。
はしゃいだ父の後は、平常運転の父を一つ。
これは「あたりまえ体操」式のボケである。当然のことをコメントすることで、「オチがくると思っていたのにこない、というオチ」を演出する。しかし、案外、この手のボケは難しい。なにより人を選ぶ。普段からぼんやりしてるような人がやらないとあまり面白くない。
父にはぴったりである。
父も間抜けなのだが、同じ血を引いている私ももちろん間抜けだ。前回、他山の石ができない小豆沢家、という話をしたが、まさにそのまんま。誰かがカギをなくせば、他の誰かもなくすのだ。
そんなこんなで色々アホなこともつらいことも損することも沢山あるのだけれど、最後は大体笑って何もかも忘れて終わるのが小豆沢家(だから、同じ失敗を繰り返すんだけど)。
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