2020年まとめ|よむ、眠る|柴田葵
もうめちゃくちゃな1年でした。
でも、本当に幸いなことに私も家族も元気にしています。生きるのに困る状況にまではなっていません。私はとても恵まれています。
一昨年、笹井宏之賞大賞受賞の連絡を受けました。
去年、歌集を出版していただきました。
今年は、歌集を手渡しできるような機会が複数ある予定でした。
それはすべてなくなりました。
しかし一方で、自分のなかで掲げていた目標は2つ達成しました。
まず、何かしらの媒体で短歌に関する連載をすること。
短歌について考え、責任を持って発言する経験を継続的に行うのは、私にとって深い学びです(結社に所属されている方は、結社誌でそのような機会があると聞きます)。私が自信を持って「短歌の知識があります」と言えるようになるのは、まだまだ見えないほど先です。でも結局、複数の理由から「機会があれば真剣に挑戦する」という姿勢を今は選択しています。(globeのマーク・パンサー氏が如くです。※詳細)
連載はまだまだ続く予定ですので、どうぞご投稿&お見守りくださいましたら幸いです。
次に、何かしらに入賞あるいは採用されること。
笹井宏之賞大賞という大きな賞をいただき、歌集を出版していただいた私はもうデビュー前の新人という扱いではなくなるため、短歌関連の新人賞に出すことは控えるのが不文律だそうです(あくまでも不文律です。ほとんどの短歌新人賞にそのようなルールは書いてありません)。つまり、作品を世に出したいのなら(私は出したいと思っています)自ら発表する、あるいはどこかへ持ち込むという方法しかないのかもしれません。
どこかへ持ち込むことを考えたとき、短歌というジャンルに限定する必要はありません。私は短歌に取り組みつづけたいと思っていて、正直、それは結構大変なことなので、自分なりに継続するための手探りを続けています。
漫画とエッセイのサイト・トーチwebの6周年企画「老後を考える」エッセイ募集で採用していただきました。採用は2編でした。どちらもまだ読めるので、ぜひ読んでください。
1年を点数で表すなら620点くらいでしょうか。とはいえ、全世界のベースが-1000点、さらに変にレバレッジがかかっているようです。もともと何点満点なのか。何点あれば満足するのか。満足しなければならないのか。
日々を数字で表せないから短歌をやるのかもしれません。
とりあえず、今年はふらふらです。私なりに頑張りました。
人身と雨が重なる電車かな私よりつらいひとばかりだよ
あんまり難しいことを考えたくありません。
まひるまにほろほろと雪 生きている意味などすっ飛ばして生きたい
それでも、より良い明日を目指して。
きみは私の新年だから会うたびに心のなかでほら、餅が降る
短歌引用 「冬と進化」歌集『母の愛、僕のラブ』収録
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