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「強みは弱みの裏返し」って本当?

どうも、なかてつです。

今回は「強みと弱みは表裏一体」という言葉を真に受けることの危険性について書いていきたいと思います。



<強みは弱みの裏返し>

「強みは弱みの裏返し」という言葉、一度は聞いたことあるのではないでしょうか。

例えば「優柔不断」という弱みは、裏返すと「慎重に物事を判断できる」という強みになるよね、みたいなやつです。

私自身、運営している会社にて、独自開発した「自己理解プログラム」をお客様にデリバリーしている立場なので、

当然「自分自身の強みを把握するためにはどうすれば良いか?」という問いについてもめちゃくちゃ考えてきましたし、常により良い方法はないか?と思案し続けております。


実は、かく言う私自身も、
最初は「強みは弱みの裏返し」という立場を取っていました。

人間の強みや弱みというのは「自分に備わった性質をどう表現するか次第」だと思っていたんです。

だから大事なのはその性質について深く理解することだと。


しかし、ある時「人間の強みとは?」というテーマであらゆる問いを立てて格闘していた際、

「強みは弱みの裏返し」という考えが、すごく危険な罠に陥る可能性を秘めていることに気づきました。

特に、ここを理解しないまま就職活動や転職活動をするのは非常に危険だなと。


<「強み」は2種類存在する>

では「強みは弱みの裏返し」の何が危険かというと、

『強み』は2種類存在する、という事実が見落とされている可能性があるということです。


結論、人間の強みには「性質」と「能力」の2種類が存在します。


そして、このうち「性質」だけが「強みは弱みの裏返し」という考え方が通用するものになります。

「能力」は決して裏返せません。ここをごっちゃにしてしまうと非常にアカンことになります。


<「性質」としての強み>

「性質」は、「それ自体に善悪はなく、それをどう表現するか次第で弱みにも強みにもなり得るもの」です。

「優柔不断」と言えば弱みで、「慎重に物事を判断できる」と言えば強み。

「頑固」と言えば弱みっぽく聞こえ、「意志が強い」と言えば強みっぽく聞こえる、などです。


なのでこちらに関しては「一見弱みに見えるものを裏返してみると、実は強みとも言えるものだった」ということが起こり得ます。


<「能力」としての強み>

一方「能力」は、「あるに越したことはないもの」です。

「能力」に関しては、表現次第で弱みにも強みにもなるということはあり得ません。弱みは弱みでしかありません。

なので、強み探しをするときに、能力面での弱みを裏返して強みとしようとするのは危ないということです。


例えば能力としての強みにはざっと以下のようなものがあります。

  • 協調性

  • 誠実性

  • リーダーシップ

  • 共感性

  • 戦略性

これらは、はっきり言って「能力」です。協調性がないことは、明らかに弱みです。

「あたしさ、優柔不断なタイプだからメニューとかすぐ決めれないんだよね」というのは「あぁ、慎重な気質の持ち主なんだな」で通りますが、

「俺ってさ、協調性低いタイプだからみんなに協力するとか無理なんだよね」というのはまかり通りません。「コイツ何言うてんねん」となります。

協調性は、あるに越したことはないのです。


こう書くと、「いや、能力としての弱みを強みに言い換えるやつなんていないやろ」と思われるかもしれませんが、

これの危険なところは、ある能力としての強みが備わっていないときに、それと対になりそうな強みが備わっていると勘違いしてしまいがちなところです。


例えば「リーダーシップ」という項目を見たとき、

「うーん、自分にはリーダーシップはないなぁ。ということは、その逆でメンバーとしてチームを支える縁の下の力持ちだな。うん、それが自分の強みだ。」

というロジックを構築してしまうパターンがあるということです。


けど冷静に考えて、「リーダーシップがない = 縁の下の力持ち」というロジックは成り立ちません。


リーダーシップもあって、かつ縁の下の力持ち的な立ち振る舞いもできる、という人だってたくさんいます。逆も然りです。

ネットに落ちている「強みを見つけよう!」的なものは、この「性質」と「能力」がごっちゃになっているものが非常に多いような気がしますが、
このあたりはきっちり区別する必要があると思います。


<まとめ>

考えれば考えるほど、学べば学ぶほど、人間のパーソナリティの奥深さを思い知ります。

強みに関しても、いくつか質問に答えただけで導き出せるような安易なものではありません。

心からしっくりくる自分の強みは、もっともっと深いところにあるのではないでしょうか。

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