占いや心理テストはなぜ人気なのか?
「占い」や「心理テスト」の類は世の中に無数に存在します。
血液型占い、星座占い、タロットカードなど聞き馴染みのあるものをはじめ、お互いの生年月日だけで異性との相性がわかるものや、好きな動物を選ぶだけで性格がわかるものなど本当に色々あります。
「テレビが映らなくなったときにどういう行動を取るか」の答えによって、浮気されたときにどういう方法で復讐するかもわかってしまうようです。
まぁこういったものは星の数ほど存在するわけですが、ふと疑問に思いました。
なんでこんな人気なんやろ…? って。
みんな本気で血液型で性格が決まるなんてことは思っていないはず。
もし血液型で性格が決まるのだとしたら、世界中の人間の性格は4パターンしか存在しなくなるわけで。
冷静に考えるとそんなわけはないのだから、占いや心理テストがそこまで信頼性の高いものではないということは、理屈では理解しているはず。
でも、いつの時代でもこうしたものの任期は絶えません。それ作る専門の職業もあるんじゃないかって疑うくらい。もうニトリくらい豊富な品揃え。
で、気になって心理学関連の文献をいくつか漁ってみたうえでの私なりの見解としては、占いや心理テストが人気である最も大きな理由は、
「自分のことを理解してもらえた気になるから」というものです。
やっぱり人間ってのは誰かに自分のことを理解されたい生き物なんですね。
自分という存在を受け入れて欲しいと強く思っている。
確かに、この世で誰も自分のことを理解してくれないという状況はまさに「絶望」です。
そうした中で、「占い」や「心理テスト」を受けることで自分のことを理解してもらえた気になれるのは、とてもいい薬になります。
例えば、いくつかの質問に答えてタイプ別分類をしてくれるような性格診断テストなんかでは、最終的に「あなたは森の精霊タイプです」みたいなファンタジックな分類がなされて、
「このタイプの人は責任感が強く、他人にモノを頼むことに罪悪感や抵抗感があります。」などがつらつら書かれた診断結果が出ます。
そしてこの時、脳はこれをどう受け取るかというと、
「あなたって責任感強いでしょう?そして他人に頼み事することに抵抗あるよね、うんうん。あなたのことちゃんとわかってるよ。」
...とまぁ、極端に言うとこんな具合に解釈されているわけです。これで自分のことを理解してもらえた感覚を得ることができます。
自分を分類してくれて、分類結果を元に「あなたってこういうところあるよね」と特徴(たとえそれが大多数の人に当てはまるような内容だとしても)をズバリ言い当ててくれる。
「特徴が外れてる場合はどうなの?」という疑問があるかもしれませんが、都合のいいことにその場合そこは無視されます。
「人間は自分にとって都合のいい情報のみを集める傾向がある」という確証バイアスによって、「当たっているものだけ」に注意が向けられ、当たってないものは無視されるということですね。
もっと言うと、一見当たってなさそうなものでも、
「これはこんなふうにも解釈できるから...うん!これも当たってるぅ!」
みたいに、もはやこじつけに近いようなことも平気で起こります。
こうして"自分を理解してもらえた感覚"を得られる。
これが占いや心理テストが人気たる所以です。しかも簡単お手軽。
こうしたものたちは使いようによっては有益だけど、それであたかも自分の性格や特性がわかった気になってしまうのは怖いところもありますね。
とまぁ、今日はこんなところで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。