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元編集者による2024年読んだ本ベスト10|オールジャンル
こんにちは、ピュウです。
楽しいコンテンツが大好きな元編集者です。
私のnoteでは、本を中心としたおすすめのコンテンツや
我流の文章術を紹介しています。
仕事復帰して早1ヶ月。
あまり記事を投稿できないまま
年末になってしまいました。
やっぱり、年末といえば
今年1年の総決算。
とういことで、2024年に読んだ本で
面白かった・心に残っているベスト10を
記録しておきます。
(ちなみに今年読んだ本は60冊ほど。
もっと読みたかった気持ちもあるけど、
気持ちが不安定な年でもあったので、
そんな自分にしては上出来だと思っています!)
それではランキングスタート。
10位 2024年はなんといっても「ホラーの年」(モキュメンタリー)
雨穴『変な家2』
今年はモキュメンタリーホラー作品が
たくさん刊行され、注目された年でしたよね。
(※モキュメンタリー…ドキュメンタリー風な構成で、あたかも事実かのように綴られたフィクション作品のこと)
私もいろんな方の作品に触れましたが、
結局、雨穴さんに勝てる人はいないのでは?
そう思わざるを得なかった1冊です。
『変な家2』は1作目を超える面白さだった。
私はそう思います!
9位 読めば世渡り上手になれそうな本(ビジネス・自己啓発)
佐久間宣行『ずるい仕事術』
テレビプロデューサー佐久間宣行さんの
仕事術・処世術がまとめられた本です。
少し前の本だけど、
ずっと欲しかったのをようやく購入。
これまでビジネス書や自己啓発書って
なかなか好きになれなかったけど、
心から尊敬する人の生き方や働き方だったら
まっすぐに受け止めて糧にできるんだなと。
テレビやエンタメの業界にいない私でも
勉強になる部分の多い1冊でした。
付箋をたくさん貼って、定期的に読み返しています。
8位 全作面白い奇跡のミステリー短編集(小説)
結城真一郎『#真相をお話しします』
今年文庫化されて再注目されたミステリー作品。
短編のミステリーってどうしても長編に比べて
衝撃が小さくなってしまうと思うのですが、
これはどの作品も衝撃が大きかったように感じます。
スリルを長く味わいたい人には
少し物足りないかもしれませんが、
忙しい中でもサクッと読めるライトさが
読書慣れしていない人にも刺さった
要因なのではないかと思います。
7位 賛否両論あるらしい……芥川賞受賞作(小説)
九段理江『東京都同情塔』
スタイリッシュで現代アート風の装丁が魅力的な、
芥川賞受賞作。
私的にはすごく面白い作品でしたが、
つまらないと言っている人も多い模様。
本作のテーマのひとつである
「言葉に対する違和感」が、
深く共感できて楽しいポイントでした。
この装丁の、カラフルなのに冷え切った感じが
物語と非常にマッチしていて好きです。
展開よりも世界観重視の方におすすめ。
6位 推し芸人の芯の強さを改めて思い知り、涙(自伝的小説)
せいや(霜降り明星)『人生を変えたコント』
正直、彼が本を出した時点で
トップ10入りは確定だったのですが……。
贔屓目で評価していることをお許しください。
霜降り明星のせいやさんが、
学生時代のいじめと闘った日々を描いた作品です。
多忙なスケジュールのなか
すべて手書きで書き殴ったというだけあって、
文章は正直少し読みにくかった。笑
ただ、なんというか、
こういう人こそ"大物"になるべくしてなるんだなと
痛感させられた、衝撃的な内容でした。
どんなに無敵に見えるスーパースターも、
ちゃんとひとりの「人間」なんだ、と
改めて感じることができます。
5位 今年文庫化した、ボリューミーで怪しげな話題の書(小説)
佐藤究『テスカトリポカ』
これは文庫になるまで待ってよかった。
単行本だったらわざわざ持ち運んで読まなかっただろうし、
積読行きになっていた気がします。笑
内容もかなりヘビーなので
読むのにかなりの時間を費やしましたが、
それでも読ませる力のある濃い作品でした。
ドラッグ、暴力、神話、家族。
互いに交わってはいけない要素だけで構成された
終始不穏な雰囲気を放った犯罪小説です。
疲れるけど、読み終えたあとの
余韻と満足感は一入です。
比較的時間のとれる年末年始のこの時期に、
せめて冒頭だけでも読んでみてください。
4位 誰もが知るあの名著をついに読了(海外文学)
ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』
多くの人がいうとおり、
人生で一度は読まないといけない小説でした。
差別や人間の尊厳といった重いテーマなので
あまり気乗りしないときに
読むものではないかもしれませんが、
それでも全人類が考えるべき問題を
孕んでいる作品だと思います。
読んでいる最中は主人公に
感情移入しているような気分になるものの、
あとになって、自分は彼の気持ちの
半分も理解できていないのではないかと、
不甲斐ない気持ちになりました。
たくさん考えさせられる、
これから先も考え続けたいテーマを
与えてもらった気がします。
3位 東野圭吾の中でもトップクラスに好きかもしれない(小説)
東野圭吾『手紙』
重たい小説続きですが、ご了承ください……。
犯罪を犯した兄と、
それにより社会から虐げられるように
なってしまった弟の物語。
私はもしかしたら犯罪絡みの小説が
好みなのかもしれません。
十字架を背負って生きることを
身をもって体感したことがないからこそ、
小説を通じて考えてみたい。
そんな気持ちでしょうか。
悲しいお話ではありますが、
多くの人に、最後まで読んでもらいたいです。
この作品に出会って、読む前よりも広い視野で
自分の生きている社会を
捉えられるようになった気がします。
2位 好きな作家さんが増えた、思い出深い作品(小説)
舞城王太郎『好き好き大好き超愛してる。』
厳密にいえば、これを読んだのは
去年の年末だった気が……。
しかし、この作品との出会いをきっかけに
2024年は舞城王太郎さんの作品を
たくさん読んだ1年になりました。
タイトルの通り、まっすぐに、がむしゃらに
不器用ながら一生懸命に
愛を伝えてくれる小説です。
あえて具体的なストーリーは説明したくないです。
私は、この作品を好きだと思ってくれる人に出会いたい。
1位 今年爆売れしたあの一冊(サブカルチャー)
かまど・みくのしん『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』
私が2024年に読んだ中での
圧倒的1位はこちら。
まーーじで面白かったなあ。
泣き笑いながら読みました。
タイトルのとおり、
これまでまったく本を読んでこなかった人に
小説を読ませたらどんな読み方をするのかを
実験してみた、という内容です。
「オモコロ」というメディアの
webライター(いってしまえば一般人)が
本を読む様子を文章にしただけなのに、
なんでこんなに面白いのか。
彼らの人柄とユーモアにどっぷりハマりました。
この書籍については別の記事でもお話ししていますが
「読み手の心をつかむには」ということを
考える上でも、大いに参考になります。
作家を目指す方にも、
ただただ笑いたいという方にも、おすすめです。
本書を紹介した記事はこちら↓
以上、2024年に読んだ本ベスト10でした。
今年もいい読書がたくさんできました。
2025年もいい本に出会えますように。
よいお年をお迎えください〜。
ピュウ