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起業家を演じる男。小柳津林太郎

小柳津林太郎と会った時、彼はサイバーエージェントの最年少子会社社長として、ガラケーサイトの受託開発をやっていた。

仕事の接点はないものの、なぜかよくつるんだ。
彼は俺のことを「ジーエフ」と呼ぶ。バイリンガルが喋る「GF」はなかなか歯切れがいい。俺はそのかわりに奴を「オーゼット」と呼ぶ。日本人がしゃべる「OZ」だ。

バチェラーに出演した理由は、自分が主役で製作費や広告費が何十億円もかかっているんだから、こんなことは人生で2度とチャンスがないからと。

彼は慶応時代に演劇をやっていたそうだ。
この男、役者だなと思った思い出がある。

仙台のあるモバイルベンチャーが解散になるというとき、うちの社員を引き取ってくれというオーダーが原さんから来て、真田さん、尾下さん、そしてOZを呼び、仙台で事業プレゼンをしていただいた。

OZはギリギリになるということで最後の順番だ。
みんなそれぞれに、プレゼン資料を作って事業説明をする。

なのにOZは、パソコンをプロジェクターにつながず、フリーハンドでプレゼンをした。

「ぼくらはこれからソーシャルゲームに参入します。でも勝手がよくわかっていない。だからぼくらを手伝ってください」という感じのプレゼンだった。
即席のプレゼンにもかかわらず、すごいオーラを感じたの覚えている。
プレゼンが終わると仕事があるからとその日のうちに帰っていった。

結果、何人かがOZの会社にジョインした。
その時、CTOに招聘した白井さんは今でも本体の要職についているという。

その後、OZとの会社とは協業でiPhoneアプリを出した。

そして、会わなくなってから数年後、バチェラーのCMでOZを画面越しで発見した。友人が出るのだから仕方がない。アマゾンプライムに加入した。

有名人になると、もっと会えなくなるような気がして連絡をしなかった。

また数年後、サイバーを辞めるという呟きがあったので、すぐさま連絡をして、仲間を集めて宴会をした。

それからちょくちょくまた会うようになった。

彼と会うたびに、新しいビジネスに挑戦している。
サイバーの箱が彼には小さかったのかもしれない。

最初に会った時に、この男はこのままいくとサイバーの役員になるんだろうなという予感をもっていた。でも、バチェラーに出演してから、演じるということにまた興味を持ったのかもしれない。一人一役じゃ物足りないのだ。

たまたま、同級生の俳優をやっている平と喋った時、ネットメディアを作るという話だったので、「君は器用だね!」というと、「俳優だからね」とかえってきた。なるほど色々な職業を演じているもんな。

そういえば、平はどこかのドラマで、IT社長を演じていた。

OZも色々な職業を、リアルに演じているのだろう。


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