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エンジニア社員の定着は本当に必要か?


採用人事はよくこう言う。
「うちは定着人材を入れたい」と。

果たして本当にそうなのだろうか?
業務委託でも派遣でも外注でも、スポット案件でも、フリーランスでも、
そのエンジニアと信頼関係があれば、社員であろうがなかろうか、
仕事はうまくいくというのが私の経験からの持論である。

ある仕事でいい感じだったら、また別の機会でお願いできる関係を構築しておけばいいと思っている。

平均するとIT業界の離職率は3割。
エンジニアであろうとなかろうとこの割合だ。

居て欲しくない人材が長くいたら、それこそ問題である。
例えば長居をしている老害エンジニア。
彼らがいる限り、若手エンジニアは流失し続けるだろう。


できれば、成長を続ける人材に長く居てほしい。
これが人事の考えることで、それはもっともだ。

だけど、そのエンジニアとマブダチになっておけば、
いつでも開発の依頼はかけられるし、
そういう友人をたくさん作っておけば、そんなに問題ではなくなる。

問題は嫌な別れ方をすることだと思う。

経営サイドが評価するようなエンジニアたちが、
会社を辞める理由は以下の2つに集約される。

・給与が上がらない
・スキルアップを図れない

逆にいえば、
・給与が上がり続ける環境
・スキルアップを図れる環境

を作っておけば、そのエンジニアが辞める理由はない。

とはいえ、その会社でケアできない場面もある。
だから、一定期間たったら辞めるのはやむ無しというわけだ。

もっとも愚かしいのは、上記の環境を整えようとせず、
「定着しそうなエンジニア」を採用時に判断するということだ。

そうやって採用の口を狭めれば狭めるほど採用は苦しくなる。

こちらが選ぶのではなく、エンジニアが選ぶのであるから、
求人票は魅力的に伝えなければ、彼らの心に刺さるわけがない。

・採用は採用で採用を挙げる工夫をする。
・定着は定着で定着率を高める工夫をする。

これをごっちゃに考えている採用人事が多い印象がある。

ある人にとって未経験な分野であれば、その求人票は魅力的にうつる。
スキルシートの羅列的な求人票は、ペルソナ不在でゴミ屑同然だ。

そして、大抵のゴミ求人票には、上記2点のアピールすらない。
一人一人のエンジニアのキャリアに寄りそうことを意識的にすれば、
自然に文面に伝わってくるのだろうけど、人事はそこがわかっていない。
だからCTOが責任持って求人票を書くべきである。

友人のヘッドハンターが言った言葉を思い出す。
「求人票は社長の胸のうちにある」と。

人事であろうと役員であろうと、社長からすれば「お前なんかいつか他の人に変わってほしい」と思っているものだというわけである。

定着率が悪くて困るのは、採用コストがかかるからだという理由なのであれば、採用コストがかからない努力をすればいい。
社長はいい人材があれば、会社の成長にそぐわない人材と取り替えたいのが本心だからである。


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テックジム創業者:藤永端(みんなのグラさん)のIT業界裏話
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