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おでんのでん
少しずつ気温が下がり、肌寒く感じる時が増してくると、突如として鍋が恋しくなります。
というわけで今夜は鍋を囲みながら、そんななか、ふと『おでん』とはどういう意味なのかという疑問が噴出しました。
『お』は『お味噌汁』などの『お』であろう、『でん』とはひょっとして『田楽では?』というのが私の予想でした。
調べるとその予想は正しかったようですが、田楽とは、元々伝統芸能である『田楽舞い』の白い袴を着て高足と呼ばれる竹馬のような道具に乗っている姿が、あたかも串に刺さった豆腐によく似ていたことから、『田楽』というようになったそうです。
田楽におをつけて『おでんがく』。これが短くなり『おでん』となってというのです。
そう、『田楽』というと、こんにゃくや豆腐、ナスなどの食材を串に刺して焼いて、甘辛い味噌をつけて食べる『田楽味噌』という料理が思い起こされます。
この串に刺して味噌を塗るという『田楽』は屋台などでのファストフード的な販売スタイルも流行り、女性の好きなネタに『いも・タコ・なんきん(カボチャ)』というのもここから来ているようなのです。
ここから、やがて、具材を焼くものを『田楽』、煮るものが『おでん』といわれるようになったとか。
この変遷自体大変興味深く、元々上方の料理であった味噌をつける『味噌田楽』が東にも広まるにつれ、せっかちでスピードを求める江戸っ子には味噌を塗る手間すらまどろっこしく思えたのか、やがて味噌を塗らない煮込むスタイルに変わったらしいのです。
また煮込む工程での味付けは、江戸時代になると関東地方では野田や銚子において醤油造りが盛んとなるので、醤油ベースとなっていったそうでこれまた面白いです。
いまやつくらずともコンビニで24時間買うことだってできる『おでん』。そんなスタイルはかつてのファストフードとしての基本コンセプトは踏襲されているとも見ることが出来そうです。
かつての『舞い』に思いを馳せながら、温かさを求めておでんを食すのも良いですね。
おしまい
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