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『よだれ鶏』がいただけない

「今日ご紹介する料理は『よだれ鶏』です」

「当店のオススメは『よだれ鶏』となっております」

いかがです?

美味しそうですか?聴いただけで思わずよだれが出そうになりますか?

『よだれ鶏』とは

元は四川料理の口水鶏(コウシェイヂィ)という料理で、茹でた鶏肉に唐辛子や花椒・ラー油の入った辛いタレで食べる冷菜であり、

口水鶏の『口水』は『よだれ』を意味することから日本では『よだれ鶏』と呼ばれるようになったというのですが…。

そもそものこの『よだれ』とは、四川省出身の近代文学・歴史学の先駆者である郭沫若(1892~1978年)という方が、その著書の中で「少年時代に故郷の四川省で食べた真っ白な白切鶏と、赤い海椒(ハイジャオ、唐辛子のこと)が入った辣油は、今思い出してもよだれが出てくる」と記していることに由来して『口水鶏』と名付けられたといいます。


タレが勝負

この料理は、基本は鶏肉は茹でるだけで、そこへ香辛料などを含んで作られたタレをかけて食べる一品ですので、いかにタレが美味しく出来るか、という点に尽きると思います。

たしかにソースが口に合えば美味しい料理です。


無意識に連想される

ただ個人的な意見なのですが、この『よだれ鶏』を見聞きする度に常に気づくのです。

活字をみても、音声を聴いても…

よだれ』という言葉がゆえに、それを「食べたい!」との高鳴る想いが明らかにトーンダウンしていく私がそこにいることを。

もちろん個人差があることで、私がただ過敏なだけのかもしれませんが、めかしこんで行った楽しみにしていたディナーで『よだれ』という言葉を口にしたいか、あるいは接待のような場所、もてなしの場、どのような場所でも気にせず『よだれ鶏』をオーダー出来るか、といえば、TPOへの配慮が必要になると思えます。


異なる名前はないものか

甚だ勝手ながらなにも『口水』をそのまま『よだれ』と訳すのではなく、もう少し意訳するなど工夫は出来なかったものか、と思ったりもするのです。

例えば美味しすぎることを表す言葉に

『頬が落ちる』や『顎が落ちる』がありますが、

『ほおおち鶏』とか『あごおち鶏』、『あごち鶏』などはいかがでしょう?

別の方は『つばき鶏』という案も挙げられていましたが『唾』という言葉も料理の名称としては抵抗があります。


バフンウニは

では『バフンウニ』という名称の美味とされるウニがおりますが、こちらはどうでしょう。

こちらは馬糞に見た目が似ているということに由来しますが、とくに意識しないものです。

あくまで個人的意見です。


おわりに

『よだれ鶏』と検索しようとすると、「名前」、「嫌」など、検索ワードの候補として並び、実際に『よだれ鶏』という名称に嫌悪感を示す方が少なからずいらっしゃったことに幾らか安堵しました。

どうしても名前で損していると思えるのです。


おしまい


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pirokichi
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