ちいさなアイの物語
「愛がすべてさ今こそ誓うよ」
御存知ハウンドドッグの名曲フォルテッシモのサビです。
ある日を境にして、世界はアイで包まれたのです。
ある世紀末の日に
それは突然やってきました。
1998年8月15日の出来事です。
iMacの発表でした。
このフォルム、カラーリング。
「デザインが心を掴む」ということを、あらためて考えさせられた瞬間でした。
マウスも斬新でした。
このポスターもお洒落で衝撃的でした。
当時、当たり前のように周囲も私もWindowsを使っていましたが、この世界観に、そして戦略に、一撃でノックダウンされました。
数年後、私は初めてMacを手にするのですが、
すでにこの98年のiMac発表のときに、もうリンゴの毒に侵されていたのだと思います。
そして今では重度のリンゴ中毒です。
リンゴ帝国が世界を変えた
スティーヴ・ジョブズは次々と世界を驚かせました。
iBook (1999)…ノートパソコン
iPod (2001)…携帯型デジタル音楽プレーヤー
iPhone (2007)
iPad (2010)
いずれもこれまでの世界にブレークスルーを与えたものばかりですが、
ひときわ世界を席巻した、間違いなく世界を一変させてしまったのは、言わずもがな
iPhone
でしょう。
このiPhoneが日本で発売されたのが、2008年7月です。
このエポックメイキングな始まりは、まだ13年たらず前の出来事です。
功罪はともかくパラダイムシフトが起きたのです。
完全に世界が変わってしまったのです。
世界中が【 i 】に覆われた
いまや電車の中を見渡しても、スマホを持っていない人を見つけることが難しい世の中です。
企業に留まらず、医療、行政などのサービス・各種手続きなど、あらゆるコトがスマホを用いる前提となりつつあり…いや既になってしまっています。
キャッシュレス社会も然り。
そのキッカケをつくったのは、やはり紛れもなくiPhoneです。
発売当初、「これで一体何が出来るんだろう」と訝しげに思っていた方々もいまや昔、です。
出来ないことはないのでは、と思えるほどあらゆることがスマホによって出来るようになりました。
リンゴ以外では
なつかしいロゴマークです。
そうです、iモードです。
ドコモの携帯電話IP接続サービスでしたが、
新規受付を2019年9月30日で終了、2026年3月31日のFOMA停波と共にサービスを終了する。
ということで、時代の変遷を感じます。
夢の世界へ
テクノロジーの世界に留まらず、サイエンスの世界でも「i」は用いられました。
2012年にノーベル医学生理学賞を受賞された山中伸弥博士が作製した
万能細胞として将来の医学の発展が期待される
iPS細胞
には、名前の由来として「iPodのように世界に広まってほしい」という願いが込められていたのです。
音楽の世界では
「i」はありました。
BiSH、BiS、EMPiREといったグループは全て「i」がつきます。
「鬼滅の刃」の主題歌の大ヒットで知られる「LiSA」さんもiが小文字ですね。
それには以下の理由があるようです。
(1)自身の名前の音「りさ」 (2)自身のライブタイトル「ライブでみんなが笑顔になってほしい」の頭文字 (3)自身のロックバンド「愛はみな同じ」の頭文字
さらには
「i」だけを小さくすることで、小さな「i」=愛も大切にしたい、という気持ちを込めている
らしいです。
iMac以前の記憶
昔の記憶を思い出しました。
ロックマガジンに「GiGS」という雑誌がありますが、このタイトルは何故か「i」が小文字なのです。
もう4半世紀ほど前の号になるかと思いますが、投書欄というかお便りコーナーというのですかね、読者からの質問に答えるページにおいて、
「なぜ雑誌のタイトルの「 i 」は小文字なのですか?」
という質問があり、うろ覚えですが「iはアルファベットの9番目だから…云々」ということが答えに書かれていました。
iMacよりも前のことです。
そのことについての詳細が思い出せませんし、わからないのですが、以下のようなツイッターを見つけました。
結局、GiGSの「i」の理由の真相は不明のままです。
おわりに
いまや世界は「i」で溢れています。
よりよき世界になっているのであれば幸いですし、
これからますます良くなっていってほしい
それを願っての
ちいさな物語でした。
おしまい
最後までお読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは麦チョコ研究助成金として大切に使用させて戴きたいと思います。