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魔法のコトバ『キュッパ』
「今日はバナナがイッキュッパだから」
「サンキュッパだから○◆△スーパーに行こう」
幼い頃からよく親が口にしていた「キュッパ」という呪文のようなコトバ。
ヒトはなぜこのキュッパに魅了されるのでしょうか?
98の魔力
100円と98円だと2円の差です。
ではなぜ98【キュッパ】が好まれるのでしょうか?
気になったので調べてみました。
大台割れ
この【キュッパ】作戦は「大台割れの価格」といわれるそうです。
例えば『980円』という一見キリの悪い価格表示は『1,000円』という“次の大台”を意識させないという心理的効果があります。
こうすることで、消費者の“心理的抵抗”を少なくして「お求めやすい価格ですよ!」と思い込ませることが出来るのです。
端数効果
キュッパは社会心理学では「端数効果」ともいうそうで、「端数効果」とは、切りのいい数字よりも端数を使ったほうが、信憑性が向上するという心理的効果です。
あえて中途半端な数字を並べることで、説得力を出すことができます。プレゼンなどで実績等を表現する際は、分かりやすいからと切りの良い数字にするのではなく、逆に端数のままの数字で表現した方が説得力が増すというのですが、これは思い当たりますね、実に。
したがって店頭で見かける「1980円」などの中途半端な価格設定も端数効果の応用になるそうです。
人は切りのいい数字を適当に決めた数字だと思い、端数の数字を意味のある数字だと勝手に思い込むので、たった数十円しか違いがなくても「安い」と感じてしまうというのです。
お得感
【キュッパ】だと値段が割安に感じられる。
例えば200円と198円では、価格の差はほとんどないわけですよね。それでも200円を持っているとき、198円の商品を購入するとお釣りが2円返ってきますね。 これは店側にとっては、200円で売れるものを198円で売ることは単純に計算すると2円の損になるわけですが、計算上2円得した消費者は、それ以外の多数の利益の高い商品も買うことが多い。よって店側は2円以上の利益を得るというのです。
ですからどちらかというと、消費者より小売業のほうがイチキュッパを好むようです。
魔法の数字
イチキュッパは語尾が『パ』で終わるため音感がよく、また8は日本では末広がりで縁起が良いともされるため、よく使われるともいわれるようです。
また、イチキュッパの「8」という数字は非計画購買を喚起させる心理的作用があるからとも考えられるらしい。
キュッパの歴史
アメリカのトイザらスでは古くからイチキュッパが使われていたようで、ソニーの初代社長の前田多門が現地でイチキュッパが多く使われていることを見て、日本でもソニー製品にイチキュッパを使ったそうです。
おわりに
【キュッパ】が巧みに消費者の心理を動かす魔法の呪文であることがよくわかりました。
かつて親が連呼して店へと足を運んでいたこともその理由が解明された気がします。
買い手は「どの店を選ぶか」あるいは「いつの日を選ぶか」を【キュッパ】によって決めているに過ぎず、安く売っている感覚を得たお店で他の商品も買っていたわけです。
恐るべし【キュッパ】。
おしまい
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