根性ってどれくらいの効果があるの?Part2/3 スピード編
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はじめに
前回計算のやり方について概説したので今回は実践編です。比較的計算が簡単なスピードについての計算から行いました。ウマ娘の終盤速度の式を線形近似し、微分を用いて接線の傾きを求めることで根性による速度上昇をスピードの変化に換算する数式を計算しました。
根性育成ではない場合は根性の1/7程度がスピードに加算
根性育成の場合は根性の1/10程度がスピードに加算
内容の都合上解析情報がっつりあります注意。また、前回と違って数式の分量が多くなります。苦手な人ゴメンナサイ。
計算
前提条件・注意事項
混乱や計算ミスの元なので1200超えた時に1/2になることは以下では考慮しません。全ての計算は補正後の話だと思ってください。例えば以下でスピード1300と書いてあるときはステータス画面の表記では1400と書いてあるようなウマ娘のことを指してると思ってください。
また、今回扱うのは1周年アプデの際に追加されたスパート時の速度アップに関するものです。根性の効果は他にも位置取り争いや追い比べ等ありますのでこの結果だけからは「根性よわいwww」のように結論できない事には注意してください。
計算に用いる式は以下の式を用います。
$$
\begin{align*}
速度=f(スピード,根性)=&(スピードや根性に依存しない数式)\\
&+ \sqrt{500\timesスピード}\times 0.002 \times 2.05\\
&+(450\times根性)^{0.597}\times0.0001
\end{align*}
$$
いちいち根性、スピードと数式に入れると見づらくなるので、以下では根性は$${g}$$,スピードは$${s}$$で表すことにします。gutsとspeedの頭文字です。
理論
速度の式が直線の式で近似できる、すなわち$${f(s,g)=as+bg+c}$$と近似できるとします。この$${a,b}$$は接線の傾きであり、微分を使って次のように書けます。
$$
a=\frac{\partial f}{\partial s}\\
b=\frac{\partial f}{\partial g}
$$
この時根性が$${dg}$$増えた時の速度を、根性の代わりにスピードが増えたとして表します。つまり$${f(s,g+dg)=f(s+ds,g)}$$となるような$${ds,dg}$$の関係を求めます。
代入して$${as+b(g+dg)+c=a(s+ds)+bg+c}$$で計算して$${ds=\frac{b}{a}dg}$$です。根性が増えた分に$${a}$$と$${b}$$の比をかけた分だけスピードが増えることがわかります。
微分
速度の式の微分は以下になります。これに接点のスピードや根性を代入した値が接線の傾きになります。
$$
\begin{align*}
\frac{\partial f}{\partial s}&=\frac12\sqrt{\frac{500}{s}}\times 0.002 \times 2.05\\
\frac{\partial f}{\partial g}&=0.597\times \frac{(450\times g)^{0.597}}{g}\times0.0001
\end{align*}
$$
これらの比が根性をスピード換算するための定数になります。
結果
スピードは1300、根性は根性育成で1200、根性育成をしない場合で600として計算を行いました。
代入した結果を示します。
スピードに関しての接線の傾きは$${\frac{\partial f}{\partial s}=0.00127}$$
これに対して根性に関しての接線の傾きは根性600の時$${\frac{\partial f}{\partial g}=0.000174}$$、根性1200の時$${\frac{\partial f}{\partial g}=0.000132}$$となりました。これらの傾きの比を取ると根性育成じゃない場合でおよそ1/7、根性育成の場合でおよそ1/10となります。
すなわち、
$${f(s,g+dg)=f(s+\frac{dg}{7},g)}$$
となる意味で根性の1/7(根性育成の場合は1/10)がスピードに加算されると言えます。
また、根性育成と普通の育成を比べる時は根性の差が600程度と大きいので線形近似だとやや精度が気になる場合があります。その場合は根性600と根性1200のスピード差を線形近似無しで計算してから根性1200からのずれを↑の式で計算すればよいです。根性600と根性1200の差を計算したところスピード約70に相当しました。
例えばスピード1300根性1250のウマ娘が根性600だったらどの程度の速度になるかを知りたかったら1300にまず70を足してから1200を超えた50を1/10します。つまりスピード1375根性600と同程度の速度になります。
正直1200を超えた分の1/10は70と比べて誤差にしかならないので根性育成した時点で70増えるくらいの覚え方でいいかもしれません。
微分とかムズカシイ事したから本当にあっているか心配という方もいるかと思います。確認の為に速度を計算して表を作ってみます。
スピードを1300に固定して根性を変えた時の速度と根性を600に固定してスピードを変えた時の表を作成しました。
根性を600→740と140上げた場合とスピードをその7分の1の20上げて1300→1320とした場合で比較してみるとかなり近い値になっていることがわかります。
まとめ
根性を近似的にスピードに変換する際の定数の計算を行いました。以上の計算をまとめると次のようになります。
根性育成ではない場合は根性の1/7程度がスピードに加算
根性育成の場合は根性の1/10程度がスピードに加算
根性と非根性育成を比べる場合はスピードに70加算してから根性1200からのずれの1/10をスピードに加算
以上の計算はスピード1300と根性600or根性1200で行われており、シナリオが進んでステータスがインフレした場合は適宜更新する必要があります。
余談
のんびり記事書いてたら他の方が同じ話題で先に出してました;;
ま、まあこういうのはやり方違うのがたくさんあるに越したことはないから…
(あっちの方がわかりやすいとか言われたら泣いちゃう)