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SSRマルゼンとSRエルの件についての解説
要約
GameWithの新機能によりSSRマルゼンとSRエルでマルゼンの方が性能が低いと結果が表示される事件について原因を解説し、実際に計算してそれを確認しました。練習回数の違いによるものが主な原因であり、練習回数を揃えるだけで得意率だけで決まってしまう状況を改善できることを示しました。
初めに
先日game with様のサポカ比較ツールが更新され、サポカの性能がグラフで見れるようになりました。これに関連して以下のようなツイートをしたところそれなりに多くの反応をいただきました。
【速報】SSRスピマルゼンスキー、SR以下の性能だったことが判明【水丸は罠】 pic.twitter.com/NSBpKKCEGx
— ぴらん (@pyran19) March 31, 2023
SSRサポカの中でも強サポカとして認識されているスピードマルゼンスキーの性能がSRサポカに負けてしまっているという衝撃的な結果です。
本来そんなはずはなく、どこかにおかしなところがあるはずです。ツイート主には引用RTなどの通知が来るのでこのツイートを見た人の感想などはなんとなくわかるのですが、どうも原因が正しく伝わっていないようで「スピード練しか踏んでないのがおかしい」「イベントや最初から友情できるのが現実的でない」等、わたしの見解と違う認識が広まっているように感じました。
もちろん実際の育成との細かい相違点を探せばたくさんあるのですが、友情練習の性能に限ってみてもマルゼンスキーの方が友情5%とトレ効果20%の優位があり、この差というのはまともに比較するならばひっくり返りません。「マルゼンスキーに不利な条件で比較している」というよりは「そもそも条件が揃っておらず比較になっていない」と考えるべき案件です。
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今回はこれらが何故変なことになってしまっているかの解説と、よくあると思われる誤解についての訂正を行っていきたいと思います。また、理屈でこれこれが原因だ!と言われてもわからないと思うので、実際に計算を行ってみて今回のグラフの異常は踏み方の理想性が原因ではないことを確認します。
追記:
記事を書いてる間にGameWith様のグラフが修正されて「スピード練習に来たとのみ踏む」→「スピード練習のみを踏み続ける」に変更されていました。結果論になりますが、この修正によって今のGameWithのグラフはまともなグラフになっていることの解説にもなっています。
理屈の説明
得意率を考慮してサポカがスピード練習来る回数に応じて評価が変わるようにするところまではよいのですが、スピード練習にいる時のみ練習を行うので、得意率によって練習を踏む総数そのものが変わってしまっています。
これではエルの練習28回とマルゼンの練習23回で比較してるようなもので、サポカが得意練習に来た分の獲得量増加だけでなく、素の練習での獲得量までサポカの練習性能の違いにカウントされてしまいます。エルの練習28回と比較するのは例えばマルゼンの練習23回+サポカのいない練習5回のように練習回数を揃えて比較し、練習回数が増えることで伸びるステータスではなく友情回数が増えることによる伸びを見なければなければなりません。
計算式でいうと(スピに来た場合の獲得量)×(スピに来る確率)だけで評価しているところを(スピに来た場合の獲得量)×(スピに来る確率)+(スピに来なかった場合の獲得量)×(スピに来ない確率)のように来なかった場合に踏む練習を付け加えて練習回数を揃える必要があります。
以上に述べた練習回数を揃えることさえ守れば、スピに来なかった場合にサポカのある非得意練習を踏むのか、サポカを無視してスピード練習を踏む場合を考えるのか、それよりもっと複雑な条件を考えて踏み方を考えるかは計算する人の個性として認められる部分かと思われます。しかし、練習回数の揃っていない評価では出張性能を重視しているだとか得意練習の性能を重視しているといった個性の話以前に比較の仕方が不適切であると言わざるを得ません。
次の章では実際にスピード練習を踏み続けた場合とスピード練習にいる時のみ練習を踏む場合でどの程度違うのか計算を行い、違いを確認します。
諸事情により計算の章は常体で失礼します。
計算方法
スピードSRサポカ10種と初期SSRサポカ6種そして比較的人気と思われるスピ度サポカ4種の完凸サポカについて次の二つ指標で計算を行い、それぞれの指標での優劣を比較した。
スピード練に来た時のみ練習を行い、来なければ練習を行わない。(GameWithのツールのデフォルト仕様。追記:仕様変わったため現在はこの指標ではない)
i1=得意練習出現率×練習獲得ステ×75サポカの配置に関わらずスピード練習を踏み続ける。(追記:今のGameWithのオプション仕様)
i2=得意練習出現率×友情練習獲得ステ×75+得意練習不在率×不在練習獲得ステ×75
理屈の章でも述べた通り1では得意率の高低により異なる練習回数での獲得ステータスになっていることに注意する。
練習による獲得ステはサポカ性能評価くんの数値を使用した。
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計算結果
作成したグラフは以下のようになった。
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スピードに来た時のみ踏む場合のグラフ(青)は得意率のグラフ(黄)とよく重なり得意率の高さのみでほとんど決まってしまっているのに対し、サポカが来ない時もスピード練習を踏むことで練習回数を揃える(赤)と得意率への極端な依存が消え、トレーニング効果や友情の高さも反映された結果になっていることがわかる。
結論
「スピード練習に来た時のみ練習する」の指標では友情が起きた回数だけでなく総練習回数そのものが変わってしまっており、サポカの比較として不適切であることを説明しました。
実際、スピード練習に来た時のみ踏む場合の評価ではほとんど得意率のみで決まってしまっている一方で、練習回数を揃えた評価にすることで劇的に改善されることを計算により確認しました。
それでも得意練習のみ叩くため、出張性能を軽視し得意練習を重視した指標になってはいますが、少なくとも総練習回数の違いによる差は除外されているため、出張性能を重視した指標と合わせて考察することで状況に応じて適切なサポカを選択することができると考えられます。
あとがき
マルゼンとエルの比較が広まった後、Twitterで検索して評判を見ていたのですが、スピード練しか叩かないのが良くない!マルゼンの本領はトレ25%の出張性能だーという意見も多く見られました。そうではなく今回のグラフが変になっていたのは練習回数が揃ってなくて比較として不適切になっていたからだよ~といったことが伝わったなら幸いです。
ちなみにこの記事書いてる間にGameWith様のツールが更新され、スピードに来た時のみ踏む→スピードを踏み続ける時の効果に変更されてました。やったー!
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これにより、わたしが記事を書く必要も薄くなったのですが、もう書き始めてしまってましたし、前のグラフで悪評も広めてしまった感があるのでそのまま解説を書くことにしました。
なお、記事の作成にあたり以下のサイトを利用しました。ありがとうございます。